第16話 4月24日(火)詩人のレボ部達
みなさんおはよう。今日も学校だ。え、昨日のチャンポンが気になるって。そうなんだよ。朝のチャンポンを見たら、チャンポンは元気がなかったんだ。
秋山:チャンポン。元気ないじゃん。どうしたの?
長崎:いや、実はTime window で吉本先生とお茶していて、朕のギャグで楽しく会話をして、これから告白するぞっていう時に、偶然美華ちゃんたちとあってさあ・・・・・・。
チャンポンは偶然といっているけど、実は違うんだけどね。
秋山:ふーん。その後どうなったの。
長崎:吉本先生が「この子が長崎君の友達ね。なんか私邪魔みたいだから帰るわね」って言って帰っちゃったんだ。
吉本先生はどうやら逃げたようだった。
長崎:うーん。なんともいえないこの朕の気持ちは、日本語で表すことはできないよ。まあ、英語でも中国語でもドイツ語でもだめだけどね。
秋山:まあ、元気だせよ。次があるさ。
長崎:ああ。
秋山:で、美華ちゃんたちとはどうなったの?
長崎:いや、美華ちゃんたちに勉強を教えただけ。
秋山:そうか。
僕はそのことを、昼の食事の時間に静香ちゃんに話した。
名取:へえーっ。美華ちゃんはチャンポンには私たちが場所を教えたって言うことを、言わなかったみたいね。けっこう大人ね。チャンポンには気の毒だけど。
静香ちゃんは美華ちゃんを誉めていた。と、そこに愛ちゃんが深刻そうな顔をしてやってきた。
川村:静香―っ。どうしよう。私、昨日の夜の電話で、佐々木君と助の両方から彼女になってって言われちゃった。
名取:うーん。微妙だね。佐々木君と助は、昨日の美華ちゃんを見て、刺激を受けたのかな。で、愛は佐々木君と助に何って言ったの?
川村:一晩考えさせてって。
名取:どっちの電話が先だったの?
川村:助。その一時間後に佐々木君。もし、昨夜の夜、どっちか一人だけだったらその一人の方とつき合うことになったと思うんだけど・・・。で、二人になんて言えばいいか答えが出なくて・・・・・・。
名取:うーん。同じ日って言うのがきついね。・・・・・・。とりあえず、私が助と佐々木君にそのことを先に言って、その二人に考えてもらおうか。
川村:でも・・・。
名取:心配ないわよ。私に任せてよ。
秋山:静香ちゃん。二人とも喧嘩になるんじゃないか。
名取:大丈夫よ。とにかく任せて。
昼飯を食べた後、静香ちゃんは助と佐々木を別々に呼んでこのことを話した。
二人ともさすがに考えていた。
放課後、クラブが始まる前、静香ちゃんは助と佐々木を別々に再び呼んで考えた答えを聞いた。
まずは佐々木が静香ちゃんに言った言葉である。
佐々木:うーん。まあ、自分が思った人はたの人もいいと思うのも当たり前といえば当たり前なんだが・・・・・・。もうちょっと考えてみる。
次は助が静香ちゃんに言った言葉である。
助平:そうか。佐々木も愛ちゃんのこと好きだったのか。・・・・・・。自分が好きな人だから他の人に好かれてもおかしくはないとは思うけど、もうちょっと考えさせてくれ。
助と佐々木は同じことを言っていた。
こんな感じなので、今日のクラブ活動はどうなるかと思えば、意外というか、本当に意外で、チャンポンも佐々木も助も愛ちゃんも自然だった。
佐々木:えーっ。今日は、昨日は英会話をやったことだし、自分の能力をアップしよう週間にしたいと思うんだが、みんなどうだ。
名取:いいんじゃない。他には特にないし。
長崎:朕も賛成だ。
佐々木:では、賛成な人、手を上げて。
みんな手を上げた。
佐々木:よし。そういうわけなので、今週は俺たちの能力レベルアップ週間に決定。・・・。では、今日は何するか意見を言ってくれ。
川村:詩を書いて発表するってどう?感性の能力がアップすると思うけど。
助平:いいねえ。
佐々木:じゃあ、それに賛成な人は手を上げて。
全員手を上げた。
佐々木:はい。決定。それでは、みんな詩を考えてくれ。四十五分後にみんな発表してもらおうと思おう。で、順番なんだが・・・。
助平:俺が一番でいいよ。
長崎:おーっ。さすがレボ部の特攻隊長。朕も負けられぬ。朕は二番にしてくれ。
佐々木:わかった。助は一番で、チャンポンは二番。その後はくじで決めよう。
順番は決まって、それぞれ詩を書く作業に取りかかった。その間は誰も喋らなかった。みんな真剣に詩を書いていたからね。
四十五分が経った。みんな納得のいく詩が書けたようだった。
まずは助から。
助平:みんな聞いてくれ。
恋することに恋してる君の夢 (作詞 助平 実)
初めてあった日から いつも君を見ていた
君の一つ一つに 俺の心は奪われた
そんな君の笑顔は 太陽よりもまぶしくて
思わず抱きしめたら 俺のすべてが燃えてきそう
恋することに 恋してる
そんな君の夢 かなえるよ
だからずっと いつまでも
大事にするから そばにいて
俺は君が好きだから 君の事を知りたいよ
君の頭に描いてる 君の未来のイメージを
そんな君の瞳は 磨かれた宝石みたいで
思わず見つめたら 俺の全てがはじけそう
いつの日か 君と共に
いろんなものを 見ていきたい
君と俺 二人で一つ
そんなことを 夢見てる
助平:どうだ。これが俺の詩だ。まいったか。
名取:へえーっ。けっこう素敵じゃない。ね。愛。
川村:え。う、うん。
愛ちゃんは顔が真っ赤だった。
佐々木:じゃあ、次はチャンポンだ。
長崎:よっ。待ってました。
助平:そのセリフはチャンポンのセリフじゃないぞ。
長崎:まあいい。みんな。朕の詩を聞きたまえ。
衆生所遊楽 (作詞 チャンポン)
衆生所遊楽
この世は楽しむため
人は生まれてきたという
だから理想なんて
明るく楽しく元気よく
それが目的でいいんじゃない
君は明るくなりたいかい
それならこうするといいぜ
まずは自信をつけること
次は自分で悟ること
どんなときも 明るくいけば
越えられない壁も越えられることもある
だから一番大事なのは
そうするように変えること
君は楽しくなりたいかい
それならこうするといいぜ
まずは興味を持ってみる
次は目的を持ってみる
どんなときも楽しくいけば
越えられない壁も越えられることもある
だから一番大事なのは
そうするように決めること
君は元気でいたいかい
それならこうするといいぜ
まずは明るさ忘れずに
次は楽しさ忘れずに
どんなときも元気でいれば
越えられない壁も越えられることもある
だから一番大事なのは
そうなるように生きること
長崎:どうだ。みんなしびれただろ。正座しなくても。
みんな一瞬、言葉を失った。僕はチャンポンがギャグばっか言うのがわかる気がした。この詩はチャンポンの生き方の原点のように思えたけど、みんなはどう思う?
川村:なんか、チャンポン。別人みたいよ。
神山:でも、なにか霊がとりついてもないよね。
長崎:美子ちゃん。霊なせいじゃないって。
佐々木:じゃあ。次は静香ちゃん。
名取:はーい。ではみなさん。私の詩を聞いて下さい。
Cooking (作詞 名取 静香)
料理の時間がやってきたよ
今日は変わったものをCooking
メニューは恋愛 デザートはぬくもり
材料は自分の思い スパイスは思いやり
熱は少なすぎてもだめ もちろん加え過ぎてもだめ
丁度いいくらいの熱さで煮込みましょう
さあ できたての味はどうですか
料理の時間がやってきたよ
今日も変わったものをCooking
メニューは夢 デザートはチャンス
材料は自分自身 スパイスはタイミング
時間は短すぎてもだめ もちろん長すぎてもだめ
丁度いいくらいの時間で煮込みましょう
さあ できたての味はどうですか
名取:どう。私の出来立ての詩の味は。
佐々木:面白い詩だね。
川村:静香がこんなに深いとは思わなかったよ。正直びっくり。
助平:とてもペチャパイとは思えない。
名取:ぺチャパイは関係ないでしょ。
佐々木:まあ、それは置いといて。次は清彦。
秋山:では、僕の詩を発表します。
Drive (作詞 秋山 清彦)
今日も未来へDrive
まずはあの場所へGo
ガス欠にならないように
ご飯はしっかり食べてから
今日は調子よさそうだから
スピード上げてHigh Tention
新鮮な風を感じながら
流れる景色が心地いい
たまにはDriveで気分転換
立ち止まりそうな時にはうってつけ
遅い車を抜きまくり
自己満足に浸ったところでただいま
未知の世界へDrive
次はわき道へGo
道に迷わないように
地図はしっかり持ってから
今日はいろいろ見たいから
ゆっくり走って All around
いつもは気がつかないものが
今はしっかりよく見える
たまにはDriveで気分転換
知らないものを見るにはうってつけ
小さな発見見つけたら
心のフィルムに写した所でただいま
秋山:どうかな。僕の詩は
長崎:そうだなあ。清彦は十五歳だから免許もてないから無免許運転だな。
佐々木:次は愛ちゃん。
川村:うん。じゃあ、私の詩を発表します。
愛の吹く風 (作詞 川村 愛)
ゆとりのないこの世界 気持ちが先走る
せかせかしているだけで 時間が過ぎてゆく
安らぎにに 包まれた この風が 欲しいよ
愛の吹く風 心地いい風
感じたい このリズムを
この風が 僕を救う
この風が 君を救う
優しさで あふれたい
今までずっと溜めてた ストレスなくしたい
毎日戦う人たち 癒しはいかがです
落ち着く 時があれば かえって前に いけるよ
愛の吹く風 心安まる
手にしたい この気持ちを
この風が 僕を救う
この風が 君を救う
穏やかに 生きたい
愛の吹く風 心地いい風
感じたい このリズムを
愛の吹く風 心安まる
手にしたい この気持ちを
この風が 僕を救う
この風が 君を救う
幸せを 愛そう
川村:どう、私の詩は。
助平:俺は愛ちゃんの吹く息も欲しいぜ。俺の耳元で息を吹かれたらたまらない。
佐々木:次は阿曽部だ。
阿曽部:やっと僕の出番だ。みんな待ち遠しかったろ。え?僕の声を聞いたら失神しそうになったって。まいったなあ。
助平:おまえ、何、独り言を言ってるんだ。
阿曽部:まあ、今回の僕の詩を聞いてくれ。
勝負師 (作詞 阿曽部 博)
目を閉じて 集中して
よしと決めて 目を開く
そのとき映る光景が
なぜだか新鮮calm mind
自分に暗示をかけ終えたら
舞台に上がって いざ決戦
ここだと思った瞬間に
全ての力を出しきって
自分のペースをつらぬいて
Break attack go to I win
誰かが 勝負をかけてきた
最初はとにかくにらみ合い
探り合いから始まって
相手の研究 look through
いろんなカードを用意して
作戦立てたら play ball
さあ試合が始まった
ここが勝負師みせどころ
相手の予想を裏切って
直球 カーブ フォーク thrown to you
本当の勝負しに必要なもの
それは全てを有効に使うこと
阿曽部:どう、僕の詩は。
朝霧:阿曽部君かっこいい。
助平:みんなレベル高いなあ。
名取:みんなここぞというときに決めるねえ。
佐々木:まあ、レボ部の目的には、勝負師になることも入っているからなあ。じゃあ、次は朝ちゃんだね。
朝霧:緊張するなあ。では皆さん聞いて下さい。
スキップでステップ (作詞 朝霧 優香)
楽しく歩いてゆこう
そうスキップでステップ
マイナス思考はやめて
そう明るくスマイル
小さな喜び感じれるなら
大きな喜び待ってるよ
たとえどんなにつらくても
忘れていけない大事なこと
それは自分は一人じゃないっていうこと
だから don,t worry ,never give up
気楽に歩いてゆこう
そうスキップでステップ
あきらめ思考はやめて
そう粘ってミラクル
自信を少しづつつけていけば
素敵な未来待ってるよ
たとえどんなに不安でも
忘れていけない大事なこと
それは越えねばならない壁があること
だから believe myself ,do oen,s best
朝霧:みなさん、どう?
助平:朝ちゃんらしい詩だね。
長崎:レベルの高い天然という感じでいいよ。
佐々木:さて、次は美子ちゃんだね。
神山:うん。それでは私の詩を発表します。
MY HEART (作詞 神山 美子)
「変わりたい」
いつも思ってる 私の心
今の時代 何か大事なものがかけている
それは情熱 それとも意志の強さ
無理と思えばそこで終わり
あきらめず 勇気を持って
最後の最後まで 頑張ろう
自分に自信がつくまで
「輝きたい」
いつも思ってる私の心
今の時代 何か大事なものを見落としてる
それは努力 それとも目標
自分自身を見つめなきゃ
自分のことが見えないよ
輝きたいのは今なんだ
今ある壁を乗り越えよう
「満たされたい」
いつも思ってる私の心
今の時代 何か大事なものを忘れてる
それは優しさ それとも思いやり
人が求めているものは
一に安心 二に充足
これらを手に入れたいのなら
力をつけよう今よりも
神山:私の詩はどう?
助平:美子ちゃんの味がしたぜ。
佐々木:高校生の純粋な気持ちがよく出てると思う。では、最後は俺が発表します。
心のデフレ構造改革 (作詞 佐々木 信)
経済がデフレだからといって
心までデフレになってませんか
否定的な考えで埋まっているなら
いっそう否定を否定してみませんか
こういう時こそチャンスなんだ
まずは本質を探ってみよう
世の中の因果の関係が
見えれば意味が見つかるかも
心のデフレ構造改革
自分で自分をよく見よう
好きな自分と嫌いな自分
まずはこれを見つけよう
その次は自分に足らないものを見つけよう
その次はどうすれば補えるかを見つけよう
自分が自分自身でいたいのなら
これを絶対見つけよう
佐々木:どうだ俺の詩は。
秋山:みんなの思いや考え、物の見方がものすごく表現されていたと思う。
朝霧:レボ部って面白いね。私、昨日から見学できてるけど、正式に入部していい?
佐々木:もちろん。
レボ部に朝ちゃんが加わった。
佐々木:今日は我らのレボ部に朝ちゃんが入ったので、明るいうちにおひらきしようか。
みんな賛成した。しかし、今日の話はこれで終わりではないんだ。
助平:佐々木。ちょっと話があるんだが。
佐々木:俺も話がある。丁度いい。クラスの教室がいいと思うがどう思う?
助平:O.K.
佐々木と助は一年四組の教室へ行った。今日のクラブは早めに終わったので、この時間は帰宅部はとっくに帰っていて、クラブをやっている生徒もまだクラブをやっているので、教室はがら空きだった。佐々木と助は教室から窓の外を見ながら、話が始まった。
佐々木:助。静香ちゃんから話は聞いたか。
助平:ああ。聞いた。佐々木も愛ちゃんのことが好きなのか?
佐々木:ああ。
二人は窓から外を見ながら、しばらく無言だったが、
助平:佐々木。俺はこう思っている。愛ちゃんは魅力があるから、たの男が寄って来るのはしょうがないと思うが、ここで言いたいのは、実際に愛ちゃんが、俺やお前に対しどう思っているのかが重要だと思う。俺とお前が告白した日が同じだったから、愛ちゃんが迷うのは無理はない。だから、愛ちゃんはすぐには決められないと思うが、いずれは決まると思う。佐々木。勝負だ。愛ちゃんが俺と佐々木、どっちを選ぶか。
佐々木:その勝負受けてたつぜ。・・・だが、助も俺と似たことを考えていたとはなあ。もちろん俺は愛ちゃんに振り向いてもらえるように、アプローチはし続けるがな。
助平:愛ちゃんが決めるまでは、三角関係になりそうだが、今日からも今までどおり仲良くやろうじゃないか。
佐々木:おう。そうだな。
助と佐々木は握手した。
愛ちゃんと静香ちゃんは、この会話を教室の外から、こっそり聞いていた。
名取:愛。佐々木君と助って大人だね。私ちょっぴり羨ましい。
川村:でも、私、まだ二人のことを知らないから、すぐには決められない。
名取:そう。でも、近いうちにはっきりさせたほうがいいわよ。はっきり言うけど、三角関係どころじゃないよ。実はもっと複雑よ。愛は親友だから話すけど、朝ちゃんは助が好きで、美子は佐々木君が好きなのよ。ヘタをすると二人とも取られちゃうわよ。だからと言っても、私には頑張ってとしか言えないけど。
と、静香ちゃんと愛ちゃんが話しに夢中になっているところに、教室のドアが開いて、助と佐々木が教室から出てきた。
助平:ん。二人とも何やってるの?
名取:あはは。ちょっとね。今、教室に教科書忘れたから取りに行こうと思ってたところよ。
佐々木:とか言って、実は俺たちの会話を聞いていたんじゃないか。
名取:え?二人の話って何?
川村:静香。いいよ。ごまかさなくても。・・・・・・。助。佐々木君。私、今は、正直言って混乱している。助も魅力あるし、佐々木君も魅力がある。二人の会話を聞いたら、私のことにも気を遣いながら話していて、なんだかうまく言えないけど、今は、今まで通り仲良く、友達というか、友達以上の友達でいて欲しい。
助と佐々木は二つ返事で答えた。
助平:了解。
佐々木:わかった。
名取:でも、よく二人とも喧嘩しなかったわね。
助平:喧嘩?こういうときに暴力で制しようとするのは、自分が好きな人に振り向かせる自身のない奴がすることだからな。
佐々木:それじゃあ、帰るか。愛ちゃんと静香ちゃんも帰る?
名取:私はいいから、今日は助と佐々木君は愛と一緒に帰ったら。
助平:そうだな。
今日は佐々木と助は愛ちゃんと帰った。この三人はこの後、どんな会話をしながら帰ったんだろうって興味があるけど、さすがに僕にはわかりません。もし知りたいなら、美子ちゃんに聞いてくれ。ではまた明日。
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