第13話 4月21日(土)公園お掃除大会
今日は土曜日で学校は休みだけど、きょうもレボ部は活動するんだ。集合場所は緑川公園。広さは東京ドームと同じぐらいなんだ。
佐々木:よし、みんな時間通りに集まったな。チャンポン以外は。
名取:またチャンポン。いったいチャンポンは何をしてるのよ。
助平:俺の勘では小六の彼女とラブホテルだな。
名取:それは助の場合でしょ。
助平:おいおい。静香ちゃんって俺やチャンポンには突っ込むねえ。
ここでチャンポンがやってきた。
長崎:諸君遅くなった。わりぃ。実はこの遅刻には海より深いわけがあるんだが。
佐々木:一応言ってみ。
長崎:実は知り合いのおばさんにあったらなんか話が長くなってしまってね。
助平:お前は主婦か。
阿曽部:でも本当かどうか美子ちゃんに聞いてみようよ。
名取:美子。どうなの。
神山:ちょっと待って。瞑想してみる。
美子ちゃんは目をつぶって意識を集中していた。
神山:うん。なるほど。
川村:美子。わかった?
美子ちゃんは目を開いた。
神山:えーとね。チャンポンがおばさんと話をしていたのはホント。
名取:本当なんだ。でもオチなんかないの?
神山:でもそのおばさんけっこう美人よ。
助平:ほう。やっぱりそうか。小六の彼女の次はオバサンか。
神山:でもそのオバサン。小六の彼女のお母さんみたい。
助平・川村・阿曽部・佐々木・名取・秋山:えーっ。
助平:そこまで発展しているとは。
長崎:おい。勘違いしすぎだぞお前ら。
名取:式はいつなの。
長崎:二月三十日。
川村:私。その日にブーケ持っていくね。
助平:俺が仲人やってやるよ。
長崎:ちょっと待て。二月三十日って存在しないだろ。みんな少しは俺のボケに突っ込め。
佐々木:とにかく、本題に戻ろう。諸君、今日はここで何をするかというと、緑川公園をきれいにしようじゃないかということなんだけど。
助平:身も心もきれいにしようというわけだ。
阿曽部:助がそれを言うとひわいに聞こえるのはなぜだろう。
助平:阿曽部、あのマージャンのゲーム誰かに貸していいか?
阿曽部:いやだなあ、助。今のは誉め言葉だよ。
助平:どこがだよ。
阿曽部:助は何を発言しても許されるから凄いといっているんだ。助だったらそれくらいのことはわかっていると思ったんだけどなあ。
助平:なんかごまかされているような・・・。
長崎:まあまあ二人とも落ち着いて。
佐々木:とにかく公園をきれいにしようということなんだけど、みんな異論は無い?
神山:私は全員で一箇所ずつやるよりグループに分けて掃除したほうがいいと思う。
佐々木:そうだな。じゃあ1グループ2人で4グループ作ろう。
川村:佐々木君それが狙い?
佐々木:え?どういうこと?
川村:女子とツーショットしたいということでしょ。
長崎:おっ。なかなかいい企画だな。
川村:でもチャンポンは彼女がいるんでしょ。
名取:そーよ。そーよ。
長崎:・・・・・・。
佐々木:とにかく先に進まないからこれでいい?
みんな賛成した。グループ決めはくじで決めた。
Aグループは佐々木と美子ちゃん
Bグループはチャンポンと愛ちゃん
Cグループは助と阿曽部
Dグループは僕と静香ちゃん
となった。
佐々木:というわけで、これから掃除をします。といってもビニール袋にランダムに落ちているゴミを入れるだけなんだけど。・・・。では1時間後にあそこにある赤いゴミ箱のところに集まろう。ではゴミ拾い開始。
ここでみんなそれぞれに別れてゴミ拾いを開始した。
まずはAグループの佐々木と美子ちゃんの様子を見てみよう。
佐々木:ねえ美子ちゃん。何で美子ちゃんは占いをやっているの?
神山:最初はね、友達を作るために占いを始めたんだけど、私の占いは当たってばっかで、はずれたことが無いの。それで私は自分の能力に気付いてわかったの。私は占いをするために生まれてきた女だって。だけど私の占いは人を不幸にするものじゃなく、人の運命を開くものがいいと思ってるの。そう思ってやってると、他の人に勇気付けることが自分を勇気付けることになるんだよね。だから占いはやめられない。わかる?このことは佐々木君だから話したのよ。そのへんよくわかって。
佐々木:そ、そうか。・・・・・・。ところで美子ちゃん。俺の今思っている人とはうまくいくと思う?
神山:そうね。私の勘ではうまくいかないんじゃないんかなあ。瞑想すればはっきりと答えられるけど、瞑想は今の私は1日に1回が限度なの。さっき瞑想したから今日は答えられない。今度は私の質問ね。佐々木君は何でレボ部を作ったの?
佐々木:俺は人が生きていく中で必要なことは自分を変えていく、つまり、自分を革命させることだと思うから、俺はレボ部の活動を通じて自分を革命させて成長できればなあと思っている。今回の公園の掃除は、自分自身を磨くためにやってるんだ。
Aグループの重要な会話はこんなものである。ちょっとシリアルだったかな。つぎはBグループのチャンポンと愛ちゃんの様子を見てみよう。
川村:チャンポンとツーショットで話すって初めてじゃない?
長崎:俺に惚れちゃだめだぜ。
川村:それはないから安心して。それにチャンポンには彼女がいるからね。
長崎:・・・・・・あの、そのことについて一言言いたいんだけど、美華ちゃんは彼女じゃないんだけど。
川村:へえーっ。美華ちゃんっていうんだ。
チャンポンは手を合わせて
長崎:愛ちゃん。たのむ。美華ちゃんの名前は他の人には内緒にしてくれ。
川村:なんでよーっ。隠さなくていいじゃん。
長崎:頼むよ。
川村:そうね。美華ちゃんに合わせてくれたら考えてあげてもいいよ。
長崎:そう言われても・・・・・・。
ここでチャンポンのことをターちゃんと呼ぶ女の子の声が聞こえた。
宮下美華:ターちゃん。
その女の声は美華ちゃんだった。美華ちゃんは一人でいた。
宮下:やっぱりターちゃんだ。ターちゃん。となりの女の人誰?
長崎:美華ちゃん。何でここにいるの。ここで何してるんだい。
宮下:ターちゃんの浮気調査。
長崎:おいおい。
川村:こんにちは。あなたが美華ちゃんね。私は川村愛よろしく。
宮下:私は美華。宮下美華。よろしく。
川村:で、何で美香ちゃんはチャンポンのことをターちゃんって呼んでいるのかな?
宮下:ターちゃんは名前が太郎だからそういってるの。
愛ちゃんはチャンポンの顔を見てにやけた。
川村:ターちゃんか・・・。ターちゃんね。ウフフ。ウフフフフ。
長崎:愛ちゃん。何その目。
宮下:ターちゃん。川村さんってもしかしてレボ部の人?
川村:私のこと知ってるの?
宮下:うん。ターちゃんはレボ部のこと話してくれるもん。
川村:へえ。チャンポンって意外と誠実なんだ。
長崎:意外とって何だよ。朕はいつも誠実だぞ。
川村:遅刻する人のどこが誠実なのよ。
長崎:・・・・・・。
宮下:ねえ、ターちゃん。ここで何してるの?
長崎:レボ部のメンバーで公園を掃除してるんだ。
宮下:私も入れて。
川村:いいわよ。
長崎:愛ちゃんちょっと待った。
川村:何?
長崎:もしかしてみんなに紹介する気?
川村:何言ってるの。紹介するのはもしかしてじゃなく当たり前よ。
長崎:何で・・・。さっき考えてみるっていってたじゃん。
川村:だから、本当に考えたら、やっぱりみんなに言っとかないとあとで誤解があったらいやでしょ。
宮下:川村さんっていい人だね。私たちの仲を認めてくれて。
長崎:おいおい。美華ちゃんまで・・・。
川村:チャンポン、不満なの。美華ちゃんかわいいのに。
長崎:・・・・・・。
こうしてBグループではチャンポンと愛ちゃんのチームに美華ちゃんが加わった。
今度はCグループの助と阿曽部の様子を見てみよう。
助平:阿曽部。俺たち花がないな。
阿曽部:公園の花じゃ物足りないよな。
助平:誰か女の子が声をかけてくれないかなあ。
阿曽部:そう簡単には行かないと思うけど・・・。
するとそこに助に声をかけてきた高校生の女の子が現れたんだ。
通りすがりの女:あの。すいません。
助平:何でしょう。
通りすがりの女:駅へ行く道を教えてもらえませんか。
実はただ駅へ行く道を聞きに来ただけだった。助は道を教えてあげて、その女の子は去ってしまった。
助平:ちぃ。道を聞きにきただけか。
阿曽部:次も来るといいなあ。
二人組みの女の子:すいません。
今度は二人組みの女の子が後ろから声をかけてきた。助と阿曽部は振り向いた。しかし、その二人組みの女の子は小学生だった。
二人組みの女の子:あの、長崎チャンポンというラーメン屋さんはどこですか。
助平:あっちだ。
二人組みの女の子:ありがとうございます。
二人組みの女の子は去っていた。
阿曽部:今の小学生の二人組、もしかしてチャンポンに会うつもりじゃ・・・。
助平:チャンポンはあの二人組みに告白されるのか?また小学生かい。
阿曽部:あとでチャンポンをからかってやろうか。
助平:実際にそうだとしたらな。
阿曽部:でも、ちょっぴりうらやましい。
助平:阿曽部はロリコンか。
阿曽部:そういうつもりじゃないよ。
助平:そうか。阿曽部もチャンポンと同類かあ。
阿曽部:あの・・・。だからロリコンじゃないって。
助平:じゃあ、ファミコンか。ゲームばっかやってるからな。
阿曽部:ファミコンは古いぞ。
助平:じゃあスーパーファミコン。
阿曽部:たいして変ってないぞ。
助平:じゃあスペシャルスーパーファミコン。
阿曽部:そんなのでてないぞ。
助平:まあ、とにかくだ。結論としてはこういう企画も女の子がいないとつまらない。じゃあどうするか。
阿曽部:家に帰ってゲームをする。
助平:お前と一緒にするな。
阿曽部:でも野球拳ゲームだぞ。
助平:お前。TVゲームでそれは暗いぞ。それにどうせアニメだぞ。面白くもなんともない。あ、そうそう。この前の脱衣マージャン、それもアニメだったぞ。面白くもなんともない。
阿曽部:助。話が脱線してるんだけど。
助平:それはお前がゲームしようって言ったからだぞ。まあいい。さて、これからどうするか。
阿曽部:どうするかといってもさあ、後十分でみんな集まるんだから別にいいじゃん。
助平:そうだな。別にいいか。
阿曽部:おい。本当にそれでいいのか。
助平:別にいいじゃんといったのはお前じゃん。
阿曽部:いや、これは期待していた答えじゃないよ。
助平:勝手に期待するほうが悪い。
阿曽部:それはないだろ。さっき助に言われまくった僕っていったいなんだったんだよ。意味ねーじゃん。
助平:まあまあ、しょうがないなあ。阿曽部はそんなに女が欲しいのか。
阿曽部:おい。それは助じゃないか。
助平:まあまあ。ここでいったんCMです。
阿曽部:おい。テレビカメラないんだけど。
助平:ファイトー。イッパーツ!(リポビタンDのCM)
阿曽部:助がそれを言うと変に聞こえるのは僕だけか。
助平:阿曽部。何言ってるんだ。お前何一人で変なこと想像してるんだ。
阿曽部:ここでまたまたCMです。
この二人はそろうとはっきり言ってついていけないところがあるけど、許してやってくれ。
最後はDグループの僕と静香ちゃんの様子を見てみようって、おい、自分で自分の様子を見ようってちょっと日本語がへんだっつーの。と、突っ込みをいれてっと。それでは始まり始まり。
名取:ねえねえ清彦君。今日はみんなの噂を聞きたい?
秋山:どういう噂。
名取:そうねーっ。みんなの恋の話。
秋山:ふーん。面白そうだね。
名取:だけどみんなには内緒だよ。
秋山:わかった。
名取:そうね。まずは助。助は愛を狙ってるらしいのよ。そして、佐々木君も愛を狙ってるのよ。でも美子は佐々木君が好きなのよ。さらに阿曽部君は美子を狙ってるのよ。
秋山:なんかわけわかんないね。で、かんじんの愛ちゃんは?
名取:愛は助と佐々木君、両方好きで迷っているのよ。
秋山:ふーん。チャンポン以外はややこしいなあ。
え?僕と静香ちゃんはどうなのかって。実は、もうつきあってるんです僕たち。え。いつそうなったかって?先週の土曜日だったりして。え、何でその話がなかったのかって?いや、僕はこの物語の主役じゃないからなあ。え?何か変?気にしないでくれ。まあ、とにかく話を進めよう。
名取:でもチャンポンもかなりややこしくなるわよ。
秋山:何で。
名取:だって小六の女の子とは彼女として付き合ってるわけじゃないけどね。それが普通なんだけど・・・。とにかく言いたいことは実はチャンポンには好きな人がいるのよ。
秋山:おーっ。誰だ。
名取:英語の吉本先生よ。
秋山:マジで。しかし、チャンポンの恋愛って年齢差が激しいなあ。
読者の皆さん。噂好きの静香ちゃんの情報でこの話が面白く(ややこしく)なっていく気になりません?
話は元に戻って、二人で行動していたみんなはそれぞれいろんなことをお互い話していた。
集まる時間が来て集合場所にみんな集まった。人数を数えたら一人多かった。その子はチャンポンの彼女(?)だったんだ。
助平:おーっ。チャンポン。その子が彼女か。
佐々木:かわいいなあ。
名取:チャンポン紹介しなさいよ。
長崎:美華ちゃん自己紹介して。
宮下:自己紹介します。六年三組の宮下美華です。いつも主人がお世話になってます。よろしくお願いします。
阿曽部:主人って誰。
川村:誰?って決まってるじゃない。ね。ターちゃん。
長崎:愛ちゃん。ちょっと待った。
川村:何照れてるのよ。
長崎:その呼び方やめようよ。
佐々木:いや。それより、ターちゃんって誰?
川村:チャンポンの別の読み方よ。でもターちゃんっていうのもギャップがあるから、レボ部のみんなはチャンポンのことはターちゃんって言わないことにしよ。
長崎:そうだ。そうだ。みなの者。朕のことはターちゃんではなくチャンポンと呼べ。いいな。
助平:わかった。ターちゃん。
長崎:おい。助。違うだろ。
佐々木:よし、決まりだ。みんなこれからはターちゃんのことはチャンポンって呼ばないように。
長崎:佐々木。逆だって、ていうか、今わざと間違えただろ。
そこに、先ほど助と阿曽部に長崎チャンポンの場所を聞いて来た女の子二人がやってきた。
女の子1:美華。そこで何やってるの。
女の子2:あれ、ターちゃんもいるよ。
宮下:あれ、友子と雪絵。どうしたの?
その女の子は美華ちゃんの友達だった。
増田友子:どうしたのじゃないわよ。一緒にカラオケしようって言ったじゃん。
小山雪絵:そうだよ。美華のこと探したのよ。
川村:美華ちゃん。この二人はお友達?
宮下:そうだよ。ほら、友子、雪絵、自己紹介して。
増田:えっと私は増田友子といいます。よろしく。
小山:私は小山雪絵です。よろしく。で、美華。この人たち誰。
宮下:レボ部の人。
増田:それで何やってるの。
川村:公園のゴミ拾いよ。
小山:素敵。レボ部の人って凄いね。私感動しちゃう。
増田:あの。私たちも入れてもらえませんか。
佐々木:どうしようか。
小山:ね。ターちゃん。いいでしょ。
助平:美華ちゃんはともかく、その友達までなんでチャンポンと親しいんだ?チャンポン。お前、俺たちの知らないところでこの子達と何やってるんだ?
長崎:別にたいしたことじゃないよ。
宮下:ターちゃんは勉強を教えてくれるの。
川村:へえーっ。家庭教師なんだ。チャンポンって結構偉いね。見直しちゃう。
名取:そうね。これで遅刻がなければね。
川村:まあ、とにかく、一緒にゴミ拾いやる?
増田・小山:うん。
今日のレボ部の活動に、美華ちゃんのほかに友子ちゃんと雪絵ちゃんが加わった。
そして昼。
佐々木:よーし、結構ゴミを拾ったな。
助平:佐々木、そろそろ飯にしようぜ。
宮下:ターちゃんには私がお弁当を作ってきたんだよ。
助平:おーっ。チャンポン見せつけるねえ。
佐々木:じゃあ、チャンポンはここで美華ちゃんたちと昼を食べててや。残りのレボ部は牛丼屋でいいな。
阿曽部:チャンポンはいいなあ。
長崎:いいだろーっ。
川村:美華ちゃん。お弁当の中身は何?
宮下:牛丼。
長崎:・・・・・・。
助平:なんだ。俺らとあまり変らないじゃん。
宮下:でも、私の牛丼には思いがぎゅうぎゅう詰まってるの。
佐々木:美華ちゃん。うまいこと言うね。よし、俺が平常点をあげよう。
川村:じゃあ決定ね。友子ちゃんと雪絵ちゃんはどうするの。
小山・増田:美華と一緒にいる。
川村:わかったわ。
佐々木:じゃあ昼食べたらここに集合。飯のあとはカラオケでみんないいかい。
全員:賛成―っ。
佐々木:はい決定。
今日はこのへんにしておこうかな。レボ部の素顔はまだまだこんなもんじゃないんだけどね。でもちょっぴりみんなの素顔が見えただろ?それではお休み。
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