第5話 4月13日(金)恐怖の罰ゲーム大会最終日

 今日で最終日。地獄の罰ゲームつきゲームバトルが始まった。今回は、ゲームに負けた人は自分の家の部屋を物色されるのである。

 今日のゲームはババ抜き。ゲームは単純だけど、みんなものすごく気合が入っていた。

 ゲームが始まり、しばらくたって、助と僕と阿曽部が残った。

助平:清彦。早く俺のをひいてくれ。右のほうがいいぞ。

 清彦って誰?って突っ込む人のために再確認します。清彦は僕の名前です。そう、僕は男子には清彦と呼ばれているんだ。まあそれはさておき、僕は助の言葉を聞いて何かあるなと思って助から見て左を抜いてやった。しかし、それはババだった。助は阿曽部から残りのカードを一枚引いて、そろったカードを捨て勝ち残った。

助平:ほら、お前らの番だぞ。

秋山:わかってるって。

 僕の残りのカードはババが一枚を含めて二枚。阿曽部は一枚だった。次は、阿曽部が引く番だった。僕はどうやったらババを引いてもらえるかを考えた結果、ババのカードを上に少し上げて、いかにもババだぞというふうに見せたけど、これも作戦だったんだ。

阿曽部:清彦。その上に上がっているのはババをとらせようとしているふりをして、実は少し下がって見えるカードがババなんだろ。甘い。

 阿曽部はそういって見事にババを引いてくれた。

秋山:裏の裏をかいてやったぜ。

阿曽部:やられた。

長崎:阿曽部の完敗にカンパーイ。

阿曽部:チャンポン黙ってくれ。

佐々木:というわけで、今日はみんなで阿曽部のうちに物色しに行くぞ。

 その後、みんなで阿曽部の家に遊びに行った。阿曽部の家は六十坪ぐらいの豪邸だった。

阿曽部:ただいまー。今日は友達を呼んできたよ。

阿曽部の母:皆さんようこそお越し下さいました。まずはデザートでもいかが?

川村:いいんですか。

阿曽部の母:いいですよ。こちらにどうぞ。ケーキとミルクがあるわよ。

 阿曽部の家は6LDKで、きれいにコーディネイトされており、各部屋には肖像画が飾ってあった。僕たちはテーブルの上で話していた。

川村:素敵な家ね。

神山:お母さんも優しいし。

名取:いっそう阿曽部君と結婚しようかなあ。そして、慰謝料をもらって離婚するのも悪くないよねえ。

 罰ゲームのはずだったが、阿曽部はなんかいい思いをしていて羨ましく思ったけど・・・・・・。

助平:でもあいつオタクだぞ。

名取:オタクでもいいよねー。

川村:だよねー。

長崎:だよねー。

佐々木:チャンポンはホモか。

 レボ部の女性軍団は別に阿曽部が好きなわけではないみたいなのでいいと思っていたけど・・・。まあ、それはいいとして、阿曽部の部屋を見たら、棚はゲームソフトの山だった。

川村:阿曽部君は本当にゲーム好きなんだね。

阿曽部:それはやっぱり人生はゲームだから。

 ここで助は何かを探していた。

助平:俺の経験からいって、カバーのかかっている本を見るのが面白いんだよな。

 助はそういってカバーがかかっているほんをとってみたら、その本はHな本だった。

川村:阿曽部君ってそんなの持ってたんだ。

名取:げんめつね。

佐々木:助。他にはないか。

助平:この経済学の本の中身がエロ漫画になっていたぞ。

川村:阿曽部君って助と同類ね。

阿曽部:・・・・・・。

佐々木:助はこういうのに関しては鼻がいいなあ。

助平:おっ。ここのドラゴンボールって書いてあるビデオは怪しいなあ。

 ここまでくるとさすがに阿曽部は慌てていた。

阿曽部:それだけは勘弁して。

助平:でも、これぐらいしないと罰ゲームにならんだろ。

阿曽部:ゲームを貸してあげるから。

助平:どんなゲーム?

阿曽部:ちょっと耳貸して。

 阿曽部は助にひそひそと話した。

阿曽部:脱衣マージャン。

助平:ほう。そんなものを持っていたのか。それでこそ男だ。

川村:そこの二人(阿曽部と助)。何こそこそ話しているのよ。

名取:そういえばドラゴンボールのビデオが何?

助平:いやあ、実はこのビデオは・・・。

阿曽部:助。ちょっと待った。

助平:ドラえもんなんだ。

 みんな笑った。阿曽部が助の耳元でひそひそと言った。

阿曽部:もっとましなフォローをしてくれよ。

助平:本当のことよりはいいだろ。

 阿曽部はこのままでは危ないと思ったらしく、話題を変えた。

阿曽部:それよりさあ。みんなゲームしない?

佐々木:いいねえ。

 このあと僕たちは阿曽部のうちでゲームをしてみんな満足したところで解散した。今日はそのくらいでやめておこう。

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