第3話 4月11日(水) 恐怖の罰ゲーム大会前日

 今日は1年4組では学級委員と係りを決める日である。そんな日になぜかうちのレボ部は朝錬をするぞという連絡が今日の朝入った。みんな行動派だなあ。もちろん僕も参加した。ここで長崎がまた朝錬で遅刻したんだ。

長崎:わりぃ。遅れちゃった。

佐々木:長崎どうした。

長崎:トイレに入ってウンコをしようと思ったらなかなかでてこなくてさあ。

名取:よく理由がでてくるわね。でも遅刻はやめたほうがいいわよ。

長崎:そうか。朝練じゃ平常点がもらえないからな。

秋山:おい。違うって。みんなが迷惑するからだろ。(怒)

長崎:そうみんな怒るなよ。今度うちのラーメン屋でおごるからさあ。

佐々木:ラーメン屋かあ・・・。長崎チャンポンだな。

名取:今のはうまいね。

川村:そうだ。長崎君のことをこれからチャンポンと呼ぼうよ。

佐々木:さすが愛ちゃん。いいあだ名だね。

阿曽部:遅刻するからね。

長崎:それは関係ないだろ。

秋山:とにかく、君のあだ名はチャンポンに決定。で、今日は何のために朝錬するの。

佐々木:それはだなあ。俺が言いたいことは、レボリューション(革命)をするとはどういうことかといえばずばり積極的に動くことで、レボリューションの原点は自分を変えることであるということだ。

秋山:それはわかったけど具体的に何をするの。

佐々木:実はそこなんだよ諸君。今日うちのクラスは学級委員や係を決める。うちの部員はそれに積極的に入ってもらいたいということだ。革命とは主導権を握るところから始まるのだ。俺が言いたかったのはこれだけ。以上、朝錬は終わり。

 ホームルームの係を決めるときにレボ部のみんなは積極的になんらかの係についた。

 クラスで係が決まると、佐々木は学級委員として黒板の前に来て教壇に立ち、 佐々木と静香ちゃんは学級委員、助は体育係、阿曽部は理科係、愛ちゃんは古文係、美子ちゃんは漢文係、チャンポンは食事委員、僕は現代文係になった。

 クラスで係が決まると佐々木は学級委員として黒板の前に来て教壇に立ち、早速クラスの人に提案をした。

佐々木:えーと、皆さんこんにちは。今日から学級委員をやらせていただく佐々木です。早速ですが学級委員から提案があります。僕たちは高校生活を送っている中でいろいろなことがおきると思います。例えば、いじめにあったり、悩んだり、これはおかしいと思ったり、いろいろ疑問がでてきたりなどといったことがでてくると思います。そんな事が起こったときにクラスのみんなでそれについて話し合いたいと思います。何か話し合いたいことがあったら主張箱を用意するので、その中に話し合いたい内容を書いた紙を入れ、書いてあることについて週一回、水曜日の6時限のホームルームの時間でみんなで話し合いたいと思いますが、その企画はどう思いますか。

 即座にチャンポンが言った。

長崎:おお、それはいいねえ。

 次に愛ちゃんが、

川村:それっていいよね。

 チャンポンと愛ちゃんはっきりいってサクラである。この二人の発言でクラスの人のほとんどは反論を出さなかったけど、クラスの中に一人、身長185ぐらいの男が不満な表情をして言った。名前は山崎である。

山崎:なんでいちいちそんなことをするんだ。めんどくせーじゃん。

 クラスの雰囲気を壊すような発言だった。それに対し佐々木はこういった。

佐々木:今の発言はいいねえ。早速疑問を持った人の意見がでたね。では、なぜそうするのかを話し合いましょう。一応僕の意見は、そうすればクラスの人はみんな仲良く友達になれる気がすると思うから。

助平:俺もそれでいい気がする。

名取:私もそれでいい気がする。

川村:私もそれでいい気がする。

長崎:俺は気がするを使いすぎてる気がする(笑)。

佐々木:いやあ、チャンポンに一本とられた気がする(笑)。

長崎:そろそろ気がするを使わないほうがいい気がする(笑)。

助平:おいおい。気がするを使いすぎてるのはお前らだと思う気がする(笑)。

佐々木:どうだろうみんな。結構楽しい気がするだろ(笑)。

山崎:お前ら面白い奴等だな。

 佐々木は山崎の不満を笑いで解消させた。ここで気付いたのは、佐々木をサポートしたレボ部のみんなって友達思いだなと思った。

佐々木:ではみなさん。主張箱の企画に賛成でいいでしょうか。

 みんなその気になってしまったので反論はなかった。この案が通ったのは佐々木とレボ部のやり取りがうまかったからだという気がする。あれ?また気がするを使ってしまった気がする。

 その日の放課後、レボ部のみんなは集まって、これから何をやるかを話し合った。

佐々木:えっと、これから具体的に何をやりたいかを決めます。まずは自分を変えるのに必要なことを決めようと思う。というわけで、みんなやりたいことを端から言ってください。

阿曽部:ゲーム。

助平:ただのゲームじゃなく、ゲームに負けたら罰ゲームをする。

川村:恋愛物語の演劇。

名取:スポーツ。

神山:占い。

秋山:討論会。

佐々木:じゃあ、この中から明日何をやるかを決めます。

 話し合いの結果、明日から二日間罰ゲーム付のゲーム三回をやることになった。

 ゲームは一日目は二回、二日目は一回やり、ゲームに負けた者がその日に罰ゲームを行うことになった。

 罰ゲームの内容は、

  一回目は、江藤先生の髪の毛を一本抜いてくる(チャンポンの案)。

  二回目は、自分の怪談話を放課後に校内放送で話す(佐々木の案)。

  三回目は、その日に負けた人の家に行って部屋の中を物色する(静香の案)。

と決まった。

 何でこんなことをするのかといえば、佐々木君曰く、

佐々木:レボリューションをするには勝負強さが肝心だから。

ということである。

 明日から二日間は大変だなと思いつつ、今日はこのくらいにしておこう。

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