第2話 4月10日(火) クラブ紹介
今日は火曜日、クラブ紹介がある日である。朝、通学の途中に佐々木君と会った。
佐々木:よう清彦。久しぶり。
秋山:久しぶりって行っても昨日会ったけど。
佐々木:いやあ。昨日が三世紀ぐらい前に感じちゃってさあ。
秋山:三世紀ってどれくらい長いか生きたこともないくせにどうやって感じるんだっつーの。
佐々木:ナイス突っ込み。これで秋山は平常点アップ。
秋山:それって突っ込みの答えになってないぞ。
佐々木:まあそれは置いといて、今日、クラブ紹介だろ。クラブ決めたか。
秋山:まだだけど。佐々木は?
佐々木:後のお楽しみ。
今日も一年四組は朝から賑やかだった。まず長崎がしょっぱなからかましてくれた。
江藤:長崎。どうした。今日も遅刻だぞ。
長崎:寝坊しました。睡魔に襲われすいません。
江藤:まあとにかく座れ。
長崎:あれ。先生。平常点アップは。
江藤:昨日の向かい風のほうが面白かった。だから今日の駄洒落はぜんぜんダメ。
そう。長崎は今日も遅刻をしたんだ。だけどやっぱり遅刻して平常点があがるのは虫が良すぎると思う。でも長崎は次の日に遅刻になったときのネタをまた考えているみたいなんだ。どういう神経しているんだろう。
まあそれは置いといて。今日はクラブ紹介の日。講堂でクラブ紹介があったんだ。どのクラブ紹介も面白かったが、ここで驚いたのが、うちのクラスの佐々木が新しいクラブを作って、部長になって紹介していたことだ。昨日僕と友達になった人もみんな佐々木のクラブに入っていたんだ。その佐々木君たちのクラブの紹介が印象深かったので紹介しようと思います。
佐々木:皆さんこんばんは。あれ、昼じゃねーか。
長崎:おい、ボケるな。
佐々木:じゃあお前がボケてみろよ。
長崎:おい、今はボケの争いじゃなくてクラブ紹介をするんだろ。
佐々木:そうしてるじゃねーか。
長崎:どこがじゃ。しょうがない俺が変わりに挨拶をしてやる。えー。皆さん、メリークリスマス。あれ四月じゃねーか。
ここで佐々木は長崎の首にチョップを入れて、
佐々木:お前がボケるな。真面目にやるぞ。とにかく皆さんおはようございます。我々はこの高校生活での青春を素晴らしいものにしたいと思い新しいクラブを作りました。その名は、
長崎:長崎クラブ。
佐々木:おい、そんなクラブは誰も入らないってーの。本当の名前は青春スペシャルゴールドターボクラブ。略してレボリューションクラブだ。
長崎:おい。どこが「略して」なんだ?
佐々木:それはお前が打ち合わせで決めたボケだろ。
川村:そこの二人。私のために争わないで。
佐々木・長崎:おい違うぞ。そこのねーちゃん。
名取:じゃあ私のために。
佐々木・長崎:いや、それも違う。
助平:じゃあ俺のため。
佐々木・長崎:それは絶対無い。
阿曽部:ここでうまくまとまった所で。
佐々木:おいまだまとまってないぞ。
長崎:とにかく、レボリューションクラブはどんなクラブかといえば、その名のとおり、革命をすることで、自分を革命して有意義に高校生活を過ごそうじゃないかというクラブです。さらに、
川村:恋愛あり。
阿曽部:ゲームあり。
神山:占いあり。
長崎:お笑いあり。
佐々木:主張大会あり。
名取:これらレボリューションクラブは必要なことは何でもやります。ぜひいらしてください。
僕は、高校は何をやろうか決めてなくて、佐々木君たちが面白そうなのをやりそうなのでレボリューションクラブ、略してレボ部(なんかこの略はしっくりしないなあ)に入ることにした。レボ部のみんなは昨日のうちに七人でかたまって新しいクラブを作ることをあっという間に決めたらしい。だけど僕以外に追加された部員はいなかった。だから、活動を始めたのは僕を入れて八人。顧問はうちの担任の江藤先生。今日あったことはこれくらい。明日からの高校生活が楽しみだ。
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