勳風学園レボ部1年生・2年生

小幡信一

勳風学園レボ部1年生

第1話 4月9日入学式

勲風学園レボ部

 

僕の名前は秋山清彦。今日から高校生なんだ。高校の名前は勲風学園。いい名前だろ。そこを選んだ理由は、他の学校と違って自主性が重んじられるところなんだ。つまり、自分のやりたい事が何でもできるってわけ。具体的にどういうことが普通の高校と違うのかって?それはこれからの話で少しずつわかると思う。普段溜まっているストレスも吹き飛んでしまうぐらい爽快な話で、みんなもこういう高校生になりたいと思うようになると思う。え。本当にそう思うかって?まあとにかく読んでくれ。


四月九日(月) 入学式

今日は四月九日月曜日、僕は新しい高校という世界に胸を含まらせていた。この高校は男女共学で、一学年に六つのクラスがあり、僕は一年四組なんだ。

今日は入学式の日だからさすがの僕も緊張していた。自分の教室に入った僕は周りの人も僕と同じく緊張をしているかと思ったけど、いがいとみんなは生徒同士で話をしていた。僕も隣にいる人に話そうと思い声をかけようと思ったら、隣の人から声がかかってきたんだ。

阿曽部:どうも初めまして。僕は阿曽部博っていうんだ。よろしく

秋山:僕は秋山清彦。こちらこそよろしく。

阿曽部:なんかこの学校は結構束縛されてないみたいで自由らしいよ。パソコンもあるんだ。

僕はこのパソコンでクラスの人とゲームで対戦したいんだ。例えば『三国志』とか。

秋山:へえー。あ、先生が入ってきた。

 ここで、このクラスの担任の教師が入ってきた。

江藤:えー。これからこの1年4組を担当することになった江藤和也。26歳。独身。よろしく。では、早速だがこれから自己紹介大会を始める。

 ここで、佐々木という生徒が先生に質問したんだ。

佐々木:先生。大会ってどういう意味ですか。なんかいい商品でももらえるんですか。

江藤:そのとおり。俺の場合は、何か面白いことを言ったら平常点が0・1点アップする。いいだろう。羨ましいだろう。俺が教師でよかったろ。でも、このことは校長には内緒だぞ。

 この江藤っていう先生は変った人だと思った。もちろんこのセリフでクラスが盛り上がったのはいうまでもない。もちろんみんな校長には内緒にするつもりであるが、実は校長もそのことは黙認しているらしい。それはさておき、ここで長崎君という生徒が遅刻して教室に入ってきたんだ。

江藤:おい、遅いぞ、どうした。

長崎:え。はい。いや。すいません。実は向かい風が来たもんで。

 この遅刻の理由はあまりにも嘘だという理由でみんな笑ってしまったんだ。そこで先生は早くもすごい判断をしたんだ。

江藤:うーん。今のは面白い。平常点0・1点アップ。

ある生徒:おーっ。いいなあ。

また違う生徒:先生。汚ねーよ。何で遅刻してきた奴の成績が上がるんだよ。

長崎:いや、それは違うな。昔から言うだろ。虎穴にいらずんば虎児を得ずと。危険なときこそ功名を立てるときだと。

江藤:うん。今のは面白い。平常点0・1点アップ。

 僕は長崎という人はつわものだと思った。遅刻したのにいきなり平常点が0・2点もアップした。ここで、このクラスはいいと思った人はかなりいたけど、不満な連中もいた。先生はその不満な連中に対して、

江藤:まあ、この平常点アップに不満な人はいるか。まあ、不満な奴も自分が何か面白いことを言えばいいから、まあ、慣れるまでがんばってくれや。わけは後で説明する。

と、生徒を納得させた。ここで盛り上がっているところでクラスのみんなの自己紹介が始まった。順番は適当だった。

佐々木:自分の名前は佐々木信。好きな言葉は人の上に人を作らず、人の下に人を作らずです。誕生日はいつだと思いますか。当たった人には僕の心の中で平常点アップ。

江藤:今のは面白い。平常点アップ。

佐々木:まあ、今のはほんの冗談として、今考えているのは、自分はどういう人生をあゆんだらいいか、今の社会に対して何をしたらいいかを考えています。

 ぼくは、佐々木君はつわものだと思った。高校生になったばかりだというのにこんなことを考えているのは正直すごいと思った。

 次の人の自己紹介が始まった。

助平(すけひら):僕は助平実です。尊敬している人物は、漫画のシティハンターの冴羽寮です。ポリシーを持ったスケベなところがたまりません。

 助平君の発言で男子はうなずき女子はひいてしまった。

 次は阿曽部君の番だ。

阿曽部:僕の名前は阿曽部博、趣味はゲーム。僕のモットーは『人生はゲームである』ということです。

 次の人の自己紹介である。

川村:私の名前は川村愛。愛ちゃんと呼んでください。

助平:愛ちゃーん。

佐々木:おいおい、手が早いぞ。

川村:助は黙ってて。

江藤:今の会話は面白い。助平と川村に平常点アップ。

川村:私の好きな言葉は『愛に国境はない』です。だから、私はたくさん恋をしたいと思います。

助平:愛ちゃん。僕に恋して。

川村:助は嫌。スケベだから。

江藤:今の助の惨めさに平常点アップ。

川村:私は、恋をしたい理由は、恋をすると成長すると思うからです。恋して自分の弱さを知り、恋をして自分が強くなり、恋をして人のことがよくわかるようになり、恋をして人のことがよくわかるようになり、恋をして信じることを知って、恋をしてやさしさを知って、恋をして心を痛めて、恋をして心の痛みを分かち合えて、人間的に大きくなるような気がするって姉さんが言ってました。私も中学のときに恋をしたけど、きっとそうだと思います。恋のことなら私に相談して。

助平:僕の恋の悩みも聞いて。

川村:あなたはスケベだから嫌。

江藤:今の助平の惨めさに平常点アップ。

助平:人はみんなスケベだぞ。スケベでなければ人類は繁栄しない。こんなすばらしいことをいう僕に平常点アップ。

江藤:いや、今のはだめ。

川村:というわけでよろしくお願いします。

 ほかの人の自己紹介が始まった。

神山:私の名前は神山美子。美子ちゃんって呼んでください。趣味は占い。占って欲しいことがあれば私が占ってあげる。

助平:僕の恋を占って。

神山:今、占うの?

助平:そう、誰と相性がいいか。

 ここで美子ちゃんは怪しいカードを持って占ったんだ。そしたらなんと・・・。

神山:えーと、助と相性がいいのは愛ちゃんかな。

川村:嘘でしょー。

神山:うそ。

江藤:今のは面白い。神山と川村に平常点アップ。

神山:本当のことは助に後で教えてあげる。

助平:ということは、後で美子ちゃんとツーショットかな。

 ここで美子ちゃんが困った様子をして、

神山:え。え。

佐々木:じゃあ、俺が護衛してあげる。

川村:私も。

江藤:じゃあ俺も。

助平:先生もかい。

神山:とにかくよろしくね。

 今度は先ほど遅刻した長崎君の番である。

長崎:じこ紹介をします。今朝歩いていたら車が三台衝突していました。

佐々木:それは違った意味の事故紹介だっつーの。

江藤:今の佐々木の突っ込みに平常点。

長崎:しまった。あとで自分でそれは事故紹介だっつーのって自分に突っ込もうとしたのに。

佐々木:世の中そんなに甘くない。

長崎:じゃあ自己紹介をします。俺の名前は長崎太郎で、独身です。

佐々木:みんな独身だっつーの。

江藤:今の長崎と佐々木の突っ込みに平常点。

長崎:俺はこう見えてもキムタクに似ているといわれたという夢を見たことがあります。

川村:アフロのあなたが似ているわけないよ。

江藤:今の長崎の惨めさに平常点。

長崎:いや、性格は似ているかも。

川村:でもやっぱり顔が似てないとね。

長崎:愛ちゃんは彼氏がいるから俺の良さがわからないかも。

川村:彼氏って誰よ。

長崎:いるじゃん愛称のいいやつが。

川村:そのことはみんな忘れてーっ。

江藤:いまの長崎と川村に平常点。

助平:先生俺は?

江藤:なし。

助平:話のネタになったじゃないですか。

江藤:助平にセリフがほしかった。

長崎:とにかくよろしく。

 この人の自己紹介もなかなか面白かった。

名取:私の名前は名取静香。噂話なら私に任せて。いろんな情報が私に入るから。

長崎:では質問します。

名取:なーに。

長崎:助と愛ちゃんは仲がいいという噂は本当ですか。

川村:その話はやめてよ。

名取:本当という噂はあります。

川村:静香の裏切り者。

江藤:今の長崎と川村と名取に平常点。

助平:先生。僕は?

江藤:やっぱりセリフがないとなぁ。

 僕も自己紹介した。

秋山:僕の名前は秋山清彦。こう見えてもダンディーという噂があります。

名取:そんな噂はないよ。

秋山:今の僕の惨めさに平常点。

江藤:いやだめだ。ネタがいまいち。

長崎:せんせい。今のはダンディーじゃなくてキャンディーにするべきでしたよね。

江藤:長崎。今のもいまいち。

秋山:とにかく、僕は友達をたくさん作ろうと思いますので、どうかこんな自分の友達になってやってください。

 僕がこのクラスの自己紹介で特に印象が強かったのはさっきの七人かな。今一度読者のためにその七人もう一度を紹介します。

 まず一人目は佐々木信君。この男は頼りになるやつで、考えもしっかりしているんだ。同じ高校生とは思えないくらいの奴だ。

 二人目は助平実君。あだ名は助。この男はちょっとスケベ。

 三人目は川村愛ちゃん。あだ名は愛ちゃん。愛ちゃんは恋愛オタクみたいで恋愛話が好きな子だ。

 四人目は阿曽部博君。この男は僕と一番初めに話しをした奴でゲームオタクなんだ。

 五人目は神山美子ちゃん。あだ名は美子ちゃん。趣味は占い。

 六人目は長崎太郎君。この男はギャグばっか考えている奴だ。たまにつまらん時もあるがまあ許してやってくれ。

 七人目は名取静香ちゃん。噂話が好きな女性だ。

 以上覚えられましたでしょうか。覚えられた人には僕の心の中で平常点。

 さて、読者の皆さんも思ったと思うけど、このクラスは妙にみんなハイテンションなんだ。最初だからかなあ。不思議なのが江藤先生。最初からこんなに平常点をあげていいのだろうかと思ったが、次の先生の話でその疑問は解消された。

江藤:では、私がなぜ平常点をあげるのかというと、まず、授業に積極的に参加するようにする、ユーモアのある人に育てる、明るく楽しく生きるという海より深い理由がある。決してふざけているわけではないので誤解しないように。では、授業を始める。

クラス全員:えーっ。

長崎:先生。教科書がまだ配られてないんですけど。

江藤:ナイス突っ込み。今の長崎に平常点。・・・ま、そういうことで、こんな面白いルールを決める俺に校長から平常点が欲しいということは置いといて・・・。

佐々木:先生。欲しいのは平常点じゃなく給料じゃないですか。

江藤:佐々木、うまいことを言うなあ。悔しいが今の佐々木のセリフに平常点。・・・というわけで、これから入学式が始まるので役員に従って動くように。

 僕は、このクラスが気にいってしまった。自己紹介だけで1時間も引っ張るとは思わなかったけどいい感じだった。

 入学式ではうちのクラスの佐々木君が代表で入学生の挨拶をしていた。内容は明るく楽しく前向きに元気でがんばるというものだった。いいこと言うなあと思った。しかもみんなの前で堂々と話しているのを見ると、つわものだと思った。

 その後の校長の話はあまりにもよかったので、一応読者の人に紹介します。

前頭校長:皆さんこんにちは。ようこそ我が校へ。私はこの勲風学園の校長で、名前は前頭義明です。名前が前頭だからといって相撲部屋出身ではありません。横綱出身です。(笑)このジョークは入学式のときにしか言いません。だからこのジョークを聞いた人はラッキーだと思ってください。(笑)

ま、それは冗談として、私は、生徒諸君に我が校で身につけてほしいことが四つあります。

一つ目は、自主性です。つまり活発に動くということです。

二つ目は目的を持って欲しいということです。目的は人を害するものでなければ何でもいいです。人生は早く目的を持ったほうが勝ちです。夢や希望を持って、楽しく、焦らず頑張って下さい。

三つ目は団結です。社会で生きるには団結することが重要です。人は一人では弱くても、仲間と組めばより大きな力を生むことができます。

四つ目は、勇気です。何をするにも勇気が必要です。勇気は行動の原動力です。社会で行動するには勇気が必要です。皆さん勇気を持ってください。

後は話すと私のスピーチが子守唄になってしまうので(笑)、この辺で話を終わらせていただきます。

 この前頭校長はなかなかの切れ者で立派な教育者だと思った。

 まあ、それはさておき。入学式が終わったあと、僕には男子の友達が四人、女子の友達が三人できた。え、入学式早々女子の友達が三人もできるなんて手が早いって?いや、これでいいんだよ。これで。うちの高校は女子と男子との間でも話すことはよくあることなんだ。友達ができただけなんだから別にいいだろ。って僕って名に一人で反発しているんだろ。そんな僕に平常点アップして。

 ま、とにかく、今日はこの辺で終わり。え、誰が友達になったのかって?それは、さっきもでてきたけど、佐々木君、助平君、阿曽部君、長崎君、川村さん、神山さん、名取さんの七人。なんか楽しい高校生活になりそうだ。さあがんばるぞ。

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