第7話『欅とグンバイ』

前編/レゾンデートル


――山形県東根市・某所小学校



 四月も終わり、人々が葉桜との別れを始める頃。

 真人たちは、東根市内にある小学校の体育館で汗を流していた。


 バスケットコートの一面を使って大道具の準備をしているスタッフたちの傍らで、シャツを気合で濡らした糺と、木刀を携えた雪弥とが、彼女らより一回り年上の大人たちを相手に大立ち回りを繰り広げている。


 一足先に休憩に入ることにした真人は、へばって壁にもたれた俊丸に苦笑しながら、クーラーボックスから拾い上げた濡れタオルを放り投げた。


 さて自分の分を。そう、もう一度腰を曲げたところで、無防備となった首筋に何かが触れた。



「うわ、冷っでぇ!?」



 思わず肩を縮こませた、腰と首とが蛇のように明後日へ曲がっている妙ちくりんな姿勢の上から、爽やかな笑い声が降ってくる。



「あはは、驚かせちゃったかな」


「なんだ、創か」



 振り返ると、首から下に五元空神アサヒのスーツを纏った創が、スポーツドリンクを渡してくれた。


 今日、この小学校に真人たちを呼んだのは彼である。

 敷地内にそびえる大ケヤキ――通称『東の横綱』。その偉大なる大木にちなみ、東根市を中心とした各小学校では『大ケヤキ相撲』と呼ばれるレクリエーションが催されることが恒例となっている。

 子どもたちが烈しく切磋琢磨する聖域として、校庭の片隅に屋根囲いの土俵があるという光景は、他ではなかなか見られない特徴だろう。



「それにしても、すげえじゃねえか。ケヤキ相撲の余興に呼んでもらえるなんてさ」


「おかげさまでね。少しずつ、名前を覚えてもらっているのは嬉しいよ」



 そう言ってはにかんだ創は、糺たちの殺陣に目をやった。



「あっちも凄いね。雪弥くんの剣の腕は知っていたけれど、実際に目の当たりにすると、息を呑むようだよ」


「本人はやりづらそうにしてたけどな」


「そうなんだ?」


「居合の概念でいけば、殺陣の動きは無駄だらけで気持ち悪いんだと」


「ああ、意識して派手に立ち回らなきゃいけないからね」



 経験が活かせないことはない。実際に、スーツアクターの養成所などでは徒手・武器術問わず様々なスキルを修得する必要があるという。

 だが、しかし。

 真人は目を細めた。自分も現代剣道を修めているが、その目指すところは、究極『人を殺す術』である。より効率的に、より効果的に、最小限の力で最大の戦果をつかみ取るためのものなのだ。


 だからこそ、なのかもしれない。真人は創が羨ましかった。

 今でこそ、培った技は対闇邪鎧において活躍してくれている。だが裏を返せば、この平和な現代日本において、本来そんな技は無用の長物で終わってしまっていたかもしれないもの。



「……スタントアクションという『魅せる業』で、子供たちを――誰かを笑顔にするために戦っていることは、素敵だと思うぜ」


「どうしたの、藪から棒に。そんなこと言うキャラだったっけ?」


「うっせ」


「あはは、冗談だよ」



 からからと歯を見せた創は、視線を前へと戻した。

 その瞳は糺の蹴り足を追っている。



「舞鶴山で会った彼女の蹴りも凄まじいね。雛市さんだっけ」


「ああ」



 そういえばそんなこともあったと、真人は鼻の頭を掻いた。

 慌ただしくて、すっかり忘れていた。



「同年代の男性にも引けを取らない重さと鋭さだよ。型は……僕の知らない武術なのかな、ちょっと読み切れないけれど」


「詠春拳とか八卦掌とか截拳道とか、中国武術をベースにしてるらしいぜ。我流だって言ってたから、ごちゃまぜなだけで」


「へえ、驚いた。我流でここまで」


「ダンスをしていたから、体幹なんかの下地はできてたんだと」


「へえ、驚いた。真人がそこまで」



 声にからかいの色がはらんだことに、真人は眉を顰めた。



「……なんだよ」


「随分と仲が良いんだね。もしかして彼女が例の、舞鶴山のバケモノの件で知り合ったっていう、好きな子?」


「ごっほっ!?」



 真人はスポーツドリンクを噴き出した。










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  第7話/前編 『桜天に霞城あり』

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「そ、そんなことより! お前も無事で良かったよ」


「何にもできなかったけれどね」



 創の表情に影が差した。彼はそれをすぐに隠すと、気丈に笑って見せた。



「あの時さ、バケモノを倒したヒーローが現れたんだって」


「……ああ、知ってる」


「僕は、山形の希望を守るヒーローになりたかった。子供たちが夢を追いかけようと思う時代にしたかった」


「ああ、知ってるよ」


「けれど、僕はあの日、バケモノに立ち向かうことができなかった」


「…………それは」



 生身の人間が闇邪鎧に敵うことはないから仕方がない。

 その言葉を呑み込んだ。今の自分に、創の痛みを慰める資格があるのか悩んだ。

 闇邪鎧に立ち向かえ得る力を手にした自分に。



「ねえ、真人。ヒーローって、何だろうね」



 心臓が怯んだ。

 途端に、ニシキとしての自分を打ち明けていないことが、卑怯なことのように思えてきた。

 膝が嘲笑う。手が滑稽に踊る。



「あのな、創――」


「なになに、メンズで何の話してんのよ」



 はっと我に返る。

 いつの間に近くまできていた糺が、タオルで汗を拭いながら小首を傾げた。

 同じく稽古を終えたらしい雪弥が、壁際の俊丸に労いの言葉をかけている。



「雛市さんたちの動きは目を見張ると、真人と話していたんだ」


「ありがと。けど、おだてても何にも出せないわよ?」


「殺陣の稽古をつけてくれただけで十分だよ」


「そっちはおあいこ。私も雪弥くんも別に殺陣の経験があったわけじゃないし、台本に合わせて、じゃあどう動こうかって取り決めただけ。むしろ部外者が首を突っ込んじゃっていいのか不安なくらいだわ」


「こちらから頼んだことだから、気にしないで」



 創の言葉に、糺は「そ?」とだけ返して、クーラーボックスからレモン風味の炭酸水を取り出し、口に運んだ。


 舞鶴山でのはじめましての際は、随分と棘のある態度を取られていたこともあり、今朝の創は、糺に対して腫れ物に触るようなぎこちなさがあったりもしたが、今ではそれも解消されているようだった。

 元々糺も、他者を関わらせないようにするための壁を作っていただけだったのだから、自然の帰結といえるかもしれない。


 ふと、糺が真人の肩に肘をかけてきた。もう一方の手で、試合前の稽古をしている子供たちのうち、一人を指さした。

 学年に一人はいるような恰幅の良いタイプの子で、馬力は十分にありそうだ。



「あの子、元気ねえ。私は優勝候補と見た」


「いやいや、あっちの子も、細っこい割に頭キレる戦い方するぜ?」



 真人が別の子供を指さすと、糺の眼差しが挑発的に光った。

 賭けるか、という言外のプレッシャーからはさっさと顔を逸らす。



「なあ、俊丸さん」


「あ、逃げんな!」



 手を肩に引っかけられたまま、俊丸たちのところへと向かう。



「山形はこうしてケヤキ相撲やってるけどさ 歴史上の力士とかっていたりするのか?」


「あ、それ私も気になる。『おーばん』なんかじゃ琴ノ若! ってやっているけれど。それ以前はどうなのかしら」



 糺が挙げたのは、山形内陸部ローカルのスーパーの名前だ。山形出身の元琴ノ若関――佐渡ヶ嶽親方を応援しており、佐渡ヶ嶽部屋の力士が白星を挙げた際などには、『かちどきセール』なるタイムサービスを行うことで有名である。


 俊丸は、未だ疲れの抜けてない様子ながらも、笑顔で返した。



「ええ、いますよ。当時最強と謳われた雷電らいでん爲右エ門ためえもん――現代で言う、全盛期の朝青龍や白鵬のような力士を唯一『二度打ち破った』という、市野上いちのじょう浅右エ門あさえもん氏などが代表でしょうか。それと……」



 彼が、もう一人の名前を挙げようとしたところで、不意に、子供たちの穏やかじゃない声が聞こえてきた。



「ズルしたべ!」


「してねえず!」


「した! 土俵から出た手を戻したじゃん! 先についたのそっちなのに!」


「してねえったらしてねえ! してない……もん!」



 お母さんから作ってもらったのだろうか、首から下げたお守りをぎゅっと握りしめながら、男の子が涙目で堪えていた。



「した!」


「してない!」


「ほらほら、ケンカすんなってや。大ケヤキのような立派な横綱を目指すんだべ!」



 ついに取っ組み合いとなった子供たちは、監督していた教師の仲裁にも、なかなか離れようとしない。

 真人たちは遠巻きにその様子を伺いながら、



「あーあー、元気なこって」


「ケンカする程、ってやつかしら」



 午後から観戦させてもらうケヤキ相撲の波乱を感じ、苦笑し合った。







 * * * * * *






 ぞろぞろと校庭に出てきた子供たちを、ツノカワは校舎の屋上から俯瞰していた。

 早朝からこつこつと組み立てられたご苦労なステージの前に集まってはしゃぐ黄色い声たちが耳に触る。



「さあ、『五元空神アサヒ』ショーの時間だよ!」



 ステージ上で司会が合図をすると、ヒーローなる代物が現れた。



「みんな、今日は元気いっぱい頑張ってね!」

「「「はーい!」」」



 ツノカワは鼻を鳴らす。けったくそ悪い。

 見てくれは『王』か『皇』にも見えなくもないが、その力の気配は粉塵の一粒程度も見て取れない。



「チッ、紛い物に群れやがって」



 おーおー、がんばれー。失笑でよければくれてやる。



「……あン?」



 面倒な気配を感じ、背後へと首を回す。

 そこには巫女装束の女と、年端もいかぬ兄妹がいた。

 どちらも一見した印象が白いというだけで、その実、邪気しか感じられない。蛇神の眷属である自分の背後に巫女がいる構図は、別段不思議なことでもないのだろうが、



「何しに来やがった、トヤ」



 ツノカワは半眼を向ける。

 巫女装束の女――トヤは、幽世から覗かせたような薄ら笑いを浮かべた。



「あらあら、うふふ。見てお分かりになりませんの? ハクとサンとお散歩をしているのですよ。ねえ?」


「ねー」


「ねー」



 トヤが笑いかけると、淡泊な声で兄妹が返事をした。

 兄がハクで妹がサン。最近になって生まれた、白山の伝説に由来する雌雄一対の蛇神だということはヨウセンから聞いていたが、それ以上のことはよく知らない。

 髪を白く染めた日本人形のような言いも知れぬ不気味さが、ツノカワは苦手だった。



「ベビーシッターなら他所でやれ」



 吐き捨てると、とてとてとハクが歩み寄り、じっとこちらを見上げて、



「おじさん、嫌い」



 そう、呟いた。

 続くように、反対側の足元からサンがこちらを振り仰ぐ。



「死んじゃえ」


「……………………」



 仮にもヨウセンが選んだ同胞はらから。仮にもガキ。肩を震わせて堪える。



「しかってぃー?」


「かーまちょ」


「うっぜぇ……」



 ツノカワはトヤを睨め付け、マジで何しに来やがったんだコラさっさと連れ帰れやクソアマと、呪詛を込める。

 しかし、そんな意は介さないとでもいうように、トヤは嗤って見せた。



「そう邪険にしないでくださいまし。力を貸してやれと、ヨウセン様のご慈悲でもあるのですよ?」


「ヨウセンが? そうかい、ならさっさとしやがれ」


「意外や意外。随分と聞き分けが良いのですねえ」


「こっちだって本調子じゃねえことくれぇテメェで解ってんだよ」



 忌々しさで眉間に深く溝ができる。

 そんなツノカワを、興味深そうにトヤの瞳が探ってきた。



「あらあらあら、まあまあまあ。それは封印の余波かしら。それとも、先の戦いでの傷が癒えておられないのでしょうか」


かまびすしいんだよコラ、あ? あまり囀るようなら、喰うぞ?」


「くすくす。貴方が望まれるのならば、召し上がって構いませぬのに」



 食えない女だ。舌打ち交じりに毒づく。



「……始めるぞ」


「御意に」



 眼下のステージでは、ヒーローの敵として、二人の怪人が暴れまわっているところだった。

 丁度いい。おあつらえ向きだろう。

 ツノカワが緋色の瘴気を生み出すと、そこにトヤの力が働き、二つに分かたれた。


 禍々しい気は怪人のスーツを貫き、中の男たちへと侵蝕していく。


 やがて現れたのは、力士の魂を縁とした闇邪鎧が、

 ツノカワは、耳を撫でる悲鳴に喉を鳴らす。

 成程、興味深い力だ。



「おい、ちゃんとガキを連れ帰っとけよ。オレはもう少し遊んでいく」


「私のご助力では不安だと?」


「そういうことじゃねえ。テメェも聞いてるだろ。ぶっ殺したはずの果樹王が再び現れたとか、面白すぎンだろ。お手並み拝見させてもらうぜ」



「(さあ、来てみろよ、果樹王!)」



 眼下を睥睨しながら、ツノカワは歯を剥いた。







 * * * * * *







 真人は特設ステージの裏から飛び出し、インロウガジェットを構えた。



「創、お前は子供たちの避難を頼む! ――オラ・オガレ!」

《サクランボ! 出陣‐Go-ahead‐ゴー・アヘッド、ニシキ! 心に錦、両手に勇気!!》



 現れた闇邪鎧は、さながら阿形吽形像のように見得を切っている。

 ニシキは『サクランボンボン』を召喚して、手近な闇邪鎧へと躍りかかった。


 ――かかろうとした。


 カカンッ! カンカンカン!



「なんだあ?」


「これは……拍子木の音、でしょうか」



 どこからともなく聞こえてきた音に、駆け付けたソウリュウも足を止める。

 視界の端では、レイとゴテンも立ち惑っているようだった。



ヒガーイシー。カチョーウーザンー!!』

 カカンッ!


「ひ、東ぃ?」



 これまたどこからか呼出しの声がかかり、真人たち側の闇邪鎧が塵手水をとった。



西ニイーイシー、ゲンーブーヤマー!!』


 カカンッ!


「いやいやいや、ほんと何なのよこれ!?」



 次は彼方。レイの叫びなどお構いなしに、闇邪鎧が塵手水を始めていた。



『互イニ油断ナク!』



 立ち合いの刻だった。

 二体の闇邪鎧は地面にじいっと拳を近づけていく。

 空気を圧縮するかのように重心が下がっていき、ついにそれが、僅かに砂の表面へ触れるか、といったその時だった。



『ウオオオォォォ!!』


『グワアアァァァ!!』



 呼吸を合わせて、闇邪鎧たちが動き出す。

 ただし、その取り組みの相手は力士同士ではなく、ニシキたちである。



「うぉっ!?」



 瞬きの間に迫っていた巨体に、ニシキは重心を見失った。

 内臓を持っていかれたのではないかというほどの強烈な突進だった。


 地面を転がった先で、ゴテンと交差する。

 程なくして、レイたちも吹き飛ばされてきた。



「大丈夫か、糺、俊丸さん!」


「はは……辛うじて、ってとこ」


「こちらも、鎧のおかげで、どうにか……」



 ニシキとゴテンが差し伸べた手で、レイたちが立ち上がる。



「しかし困りましたね、先輩。子供たちが近くにいる状況で、二体の闇邪鎧を相手にしなければならないとは……」


「だな。俊丸さん、カチョウザンとゲンブヤマってのは?」


「『花頂山かちょうざん』とは、先ほどお話した雷電破り――市野上浅右エ門の四股名です。

 そして『源武山げんぶやま』は、源武山げんぶやま源右ェ門げんえもんという力士の名前ですね。日露戦争従軍の経験もあり、怪力でゴリラのようと称され……『あの体で押せば大関』と惜しまれた実力者……です」


「……?」



 歯切れの悪くなったソウリュウに、ニシキは怪訝な顔をした。



「彼は後援者にゴマをすって祝儀を受け取ることに熱心だったそうで、残念ながら、現在の相撲界では、そうした行為を『源武』と、彼の名になぞらえて呼んでいるといいます」


「げぇ。そんな人が山形出身というのも、なんか複雑ね……」


「ですが、四十を超えても現役を張った数少ない力士でもあります。間違いなく実力は一級品。闇邪鎧としての力は想像に難くありません」


「そうかい。ま、結局、やるしかないってことだな」


「ですね。今回ばかりは、先輩のそのお気楽さに救われます」


「へへっ、だろ?」



 ゴテンとともに、振り返る。

 アサエモンとゲンエモンの闇邪鎧は、再び攻撃の兆しを見せていた。



「怖い時は前、だ! 雪弥、俺が先に奥義で突っ込む。お前は奴らが居ついたところをサポートしてくれ」


「はいっ!」



 そう言って、ニシキとゴテンが、ヤツダテドライバーのスイッチに手をかけようとした時だった。



「――だめっ!」



 レイが悲鳴を上げた。

 ニシキたちと闇邪鎧との間に、一人の子供が走ってきたのだ。



「あの子はさっきの!」



 体育館でズルを疑われ、言いがかりに抗議をしていた男の子だった。

 はたと座り込んだ男の子が大事そうに拾い上げたのは、あの時にもぎゅっと握りしめていたお守り。



「ったく、大切なものなのは解るけどよお!」


『ヨイ、ハッケヨイ、ヨイ!』


「くそっ、間に合えええ――――――っ!」



 ニシキは叫びながら、ついに攻撃を再開してきた闇邪鎧に向かって突っ込んだ。


 男の子を庇うように立ちはだかったニシキに対し、まるでが如きツッパリの嵐が幾重にも叩き込まれる。



《バラ! 八楯奥義ヤツダテ・アルティメットストライク!!》

咲誇もえあがれ、『焔薔薇ほむらばな』! はあああっ!」



 駆け付けた紅蓮の一閃が暴風を切り払ったことで、辛うじて窮地を脱することができたものの、



「か、…………はっ」



 ニシキの鎧は解除され、真人は血を吐いて倒れた。



「先輩っ! しっかりしてください!」


「嫌っ、真人! 真人――――――っ!?」



 ゴテンとレイの声を遠くに感じながら、薄れゆく視界の中に、真人は見た。

 見てしまった。

 恐怖で真っ白になってしまった、男の子の顔を。



――ねえ、真人。ヒーローって、何だろうね。



 わかんねえ。わかんねえけどよ。



「(多分、こういうことじゃあねえんだろうなあ……)」



 それだけは解るぜ、創。





――中編へ続く――

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