1月1日深夜 kuon's room にて

くおん:部屋を閉じようかと考えていたところでした。どうしました?


シキ:いくつか聞きたいことがあって。


くおん:答えられる範囲でならお答えしましょう。


シキ:なんで高レベルの極めし者なのに最初から力を使ってくれなかったんだ?


くおん:今日直接話をした時にも言いましたが、力で解決するのは最終手段なのです。もしも力で相手のいうことを聞かせることが主流になってしまったら、力のあるものだけが正しい世の中になってしまいます。そんな世界をどう思いますか?


シキ:それは、やっぱ困る。


くおん:なので極力、力は使いません。


シキ:でも情報操作とかで人のこと動かしてるだろ。


くおん:それもできる限り影響の少ない範囲でと心掛けているつもりですよ。


シキ:どうだか(笑)。

シキ:最初からあいつがマフィアの子って知ってたのか?


くおん:この件で彼のことを調べた時に知りました。


シキ:それじゃ、それまで知らなかったのか。


くおん:はい。すごく驚きました。あの男に子供がいるとは思いもよりませんでした。


シキ:あんたがあいつに入れ込んでたのは、自分が手にかけちゃった男の子供だからか?


くおん:それもありますね。罪滅ぼしというにはあまりにも罪が大きいので滅ぼせるとは思っていませんが。


シキ:話してくれた身の上話、どこまで本当なんだ?


くおん:たいてい本当ですよ。結婚もしていますし子供もいますし、諜報員になった動機も本当です。


シキ:そこまで話しちゃっていいのか?(笑)


くおん:確かめるすべはないでしょう? あなたが我々と深くかかわる職業につくなら別ですが。


シキ:裏社会とは関わるつもりはないよ。向いてなさそうだし。


くおん:そういえば将来にやりたいことを見つけたと書いてましたね。


シキ:まだブログ見てるのかよっ(笑)。


くおん:惰性で(笑)。


シキ:捨てちまえそんな惰性。


くおん:そうですね。もう関わり合いになることもないでしょうから。ちなみに、どんな職業を考えているのですか?


シキ:ジャーナリスト。


くおん:あー……。


シキ:なんだよその反応。


くおん:いえ。いい記者になるよう願ってますよ。


シキ:悪い記者っているのかよ?


くおん:これからいろいろ調べるのでしょう? 自分でその答えは見つけてください。


シキ:それ、肯定してるのと同じだし。

シキ:まぁいいや。どこの職業にもアレな人はいるだろう。


くおん:そうですね。

くおん:質問は終わりですか?


シキ:うん。今回のことでいろいろ考えることができた。ありがとう。


くおん:どういたしまして。お元気で。

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