第15話 取り立て人からエジソンさんへ
拝啓 エジソン様
先日もお伺いしお話させていただきましたが、支払期限が過ぎております。
あなたの言い分をまとめさせていただきました。
1・そのうち倍にして返すから
これに対する我々の返答ですが、企業の経営者なのでギャンブラーのような発言には、何の意味もありません。
2・私は発明家だ。金のことなど頭にはない。金策に頭を使ってしまえば半年で気がおかしくなってしまう。
確かにあなたは発明家ですが、我々はあなたの発明に対して援助や寄付をしているわけではありません。
3・金の事をごちゃごちゃ言うのは、脳の足りない資本主義者のたわ言だ。
あなたも、資本主義の恩恵を受けて発明をし、その特許によって企業経営や生活基盤を得ているのですから、上記のような言い訳は通用しないと思われます。
また、従業員に対する態度にも、問題があるように思われます。
長時間労働を強要し、疲れから居眠りをすれば電気ショックを与えてるという話も伺っております。
あなたの資産状況や財産目録などから、我々は必要な金額を貸したのです。
従業員に対する態度から察すると、企業として成り立つのか不安感をぬぐい切れません
固定資産税などの滞納もあるそうですが、事務職員やあなたの資産管理人を雇い、返済していただければ問題のない話です。
特許料などの収入から研究費や生活費を差し引いても、我々に返済できる額は残るはずなので返済をお願いいたします。
もし返済されないような場合、警察や裁判所に訴えます。
追伸
前回も、裁判所からの通達でお支払いいただきましたが、あの時のように半分支払って、あとは懐次第というような支払方法はやめていただきたいと思います。
敬具 融資取立人より
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