第36話『仲間』

湯婆姉さんは高らかに笑いながら俺たちの所までジャンプしてくる

そして決めポーズのようなものをしてから俺たちに話しかける


「お困りでしょ?私が助けに来たんだぜ♪」


「ちょ何言ってるのよ姉さん!あんた金持ちじゃないでしょ!それとも招待でもされたの?」


雲母姉さんが喧嘩腰でそう言うと

湯婆姉さんはキョトンとした顔で

許可証と書かれた紙を俺たちに見せびらかす


「私を誰だと思ってるの!和訳師だからポラリス・レオとも仲良くなって来たんだぜい!」


「さすが湯婆君。相変わらずだね」


「あ!丈瑠じゃーん!オヒサーー!」


「それで通れるのか湯婆姉さん!ありがとー!」


「ノンノン♪困ってる弟を放っておけないネ♪」


湯婆姉さんが許可証を立ち入り禁止してる人達に見せ

ようやく俺たちは通れるようになった

北条さんと大谷さんが車を運転して先を急ぐ

湯婆姉さんが助手席にすわり口を開く


「結婚式はすでに始まってるみたいね。丈瑠はなにか情報ないの?」


「ポラリス・レオという人物がかなり問題児ということなら知っているよ」


「問題児?というとなにか問題が?」


「スポーツ万能すぎることもあって自分以下の人間は見下し、遠慮なく叩き潰してそのスポーツをやめさせる男だ。かなりガタイがよく見た目だけだと大人だね。」


聞いてるだけで酷い人なのがよく分かった

なんで百華さんは嫌と言わなかったのだろう

そこまで考えてからどうやら着いたらしく

皆降りていく。結婚式場が見えないほど人が溢れ出ている

皆はその人が溢れる場所にいってしまうが

北条さんだけ俺の所に来る


「どうやらかなりの騒ぎになってるな。これだねいりゃ何か騒動起こしても問題ねぇんじゃねえかな」


「北条さん・・・・でもそんなこと・・・・」


「それに、俺たちは友であり仲間だ。お前がなにかやらかそうってんなら手伝ってやるぜ」


北条さんはそれだけ言って人ごみに紛れて行く

俺は決心して人ごみに行くと1番外にいた高杉が俺を見つけてこっちにくる


「よっ、どうやらやるみてぇだな。こっちだ」


高杉はそう言って俺の手を掴み

人ごみを見事にかき分けていく

俺はすみませんと呟きながら人混みを分ける

そして人混みの最前列に行くことができた


「さてと、あとは入り口にいる警備員一人だな」


俺は高杉の言葉に頷きながら

警備員の所まで行く


「なんだ貴様?ここからは立ち入り禁止だぞ?」


「そこを通してくれ」


「なに?まさか招待されたとでも言うのか?中はもう始まっておるのだぞ。まさか力ずくでも入ると言うのか?」


「そうだ!」


俺がそう言うと、なに!?と言いながら警備員は銃を持とうとする

すると後ろから突進して来た高杉が思いっきり攻撃し気絶させてしまう

俺は少しビックリしたが高杉は俺を見て笑顔を見せる

俺は頷いて結婚式場のドアを開けた

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