第7話『彼女の家に行くイベントをクリアせよ』

「小説を読んで欲しい?」


俺はジュースを飲みながら結城さんの言葉をリピートする


「えぇ、1話が完成したから」


「へぇ、もう出来たんだな、どれどれ」


俺は前に文学は好きじゃないと言ったが

彼女の願いとなればそうはいかない

5分ほど読んで原稿用紙を結城さんに返す


「ど、どうだった?」


「俺たちが経験したことを書いたんだろうけど、なんか物たりねぇな」


「私もそう思ったんだけど・・・・」


「ギャグ要素とかも入れた方がいいんじゃない?コメディーも含めてさ」


「私ここ最近のギャグとか分からないわ」


俺たちは二人して悩んでいると

高杉も参戦して来た


「なんだお前ら二人して」


「あ、高杉、これ読んで感想教えてくれ」


俺は高杉に有無を言わさず原稿用紙を渡す

高杉は珍しく文句も言わず原稿用紙を読む

さすがイケメンと言うべきか2分で読み終わった


「ほーん、別に悪くないじゃん」


「なんか物足りなくね?」


「あー、強いていうならフィラーと記号と句読点が足りねぇかな」


聞いたことのない語句が浮かび

俺たち二人共?マークを浮かべる

高杉はおいおいと呆れたツッコミをしてから説明する


「フィラーは発話の間に挟む言葉だよ。えっと、あの、とかそういうやつ。記号は?や!マークだな。句読点は分かるだろ句点『、』と読点『。』」


「そんなのよく知ってるな」


「逆にそこの奥さんが知らないことにびっくりだよ」


「ごめんなさい、私そういう専門用語わからなくて」


「句読点は大事にしろよ、無かったらかなり読みにくいからな」


しばらく高杉の講座が続き

何故か俺までも色々学ばせてもらった

いつかこれは何かに役立つだろう。多分


「すごい、流石ね高杉君。金君じゃなくて高杉君と付き合えば良かったわ」


「ぐはっ、すみません、もっと勉強します」


「別に冗談よ」


「あ、良かったらだれかの家で結城の小説手伝わねぇか?」


「俺の家は無理だぜ。母さんがそういうのうるさいから」


「俺もダメだな」


「わ、私は大丈夫、だと思うけど」


「大丈夫?結城さん家厳しかったりしないの?」


「母は大歓迎って言うし」


なんだかんだで明日結城さんの家にお邪魔することにした

高杉も来ることになったので二人きりは狙えない

どうせならバーベキューをしようと俺が提案し

その日は終了した






「あんたバーベキュー行くんでしょ?私も行った方がいいの?」


「ッポウ!!!」


結城さんの家に行く準備をしてる途中

姉さんが勝手に俺の部屋に入ってきた

びっくりしすぎて変な声が出たが気にしない

そういえば姉さん誘ったの忘れてた


「そりゃ来て欲しいよ、って高杉が言ってた」


「あら、高杉君は私をご指名なのね。仕方ないから行ってあげる」


「何様のつもりじゃ」


姉さんはどこかしら嬉しげな表情を浮かべ

俺の部屋を後にする

なんだぁ?それだけ確認するために来たのか?

さっきの俺のリアクション返せこの野郎

彼女の家かぁぁぁ、どんな感じなんだろ・・・・

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