第366話
「アリア、相手の精神エネルギーに干渉している力を打ち消せますか?」
(問題ありません。ゴーストが悪意などの感情を力に変えるのを遮るように光龍エンハスと精神エネルギーの間を遮断致します。術式を展開します、魔力制御をお願いします)
私はアリアの言葉に頷き、エンハスに白い雷光を纏わせている白銀の杖を向ける。
アリアの属性である光と私の属性である風の力が融合していき力になる。
「「浄化せしは天輪!打ち抜くは天宝!全てを浄化し波状せよ!神滅(ラグナロク)の聖杖砲(ブレイカー)!」」
白銀の杖の先端に集まった光の属性を持つ雷光は、エンハスに向かって直進していきその体を貫く。それと同時にエンハスが周囲の精神エネルギーを支配していた力は一時的に解除され分解された膨大な精神エネルギーは周囲の土壌に吸収されていく。
―――ぐああああああああああ
体の再生を支えていた力を失った事と3回目の神衣化の神器攻撃により、でエンハスの体は崩れ始めるがそれでも、まだ強大な力を有してるのが分かる。
「「神衣解除」」
私はアリアと神衣を解除する。
やはりアリアも力を全て使い切ったのかその場で蹲ってしまう。
―――させるものか!
エンハスが私達に向けて巨大な閃光を打ち出してくるが、すでに周囲の精神エネルギーはエンハスの支配下から外れている。エンハスに従属していないなら私も魔術が使える、すぐに転移の魔術を使いレオナの手を握りしめる。
「ユウティーシア殿?」
私が転移魔法を使えた事にレオナは驚いていたようだけど、すぐに私の手を強く握り返してきてくれた。
「レオナ、いきます!」
「はい」
レオナの言葉を聞き私とレオナは頷きあう。
「「神霊融合!」」
言葉と同時に世界が時が停止する。私とレオナの周囲に水と風が舞い全てを音素に変換していき、知識、経験、記憶あらゆるモノを融合させていき共振により増幅させていく。周囲の精神エネルギーを取り込み体と神器を編み上げていく。
水の竜巻の中から現れた姿は、ユウティーシアとレオナが融合した姿と同じであったが腰に差している刀には紫電を纏っている。
私は、ゆっくりと瞼を開けて紫色に染まった髪と紫電を纏っている刀を見る。
レオナの属性は”水”であり私の属性は”風”、そして私の風は重力や雷を司る力を内包してる事が分かった。
神衣化が成功したことで世界は動きだし、エンハスが放った閃光が近づいてくるのが視界に入った。
「レオナ!」
(是!)
肉体の主導権をレオナに任せ、私は高速で魔術式を編みこむ。
編みこむは先史文明の空間魔術、付与する物はレオナの神器。
レオナが腰を落とし抜刀の構えをした後、神器を横薙ぎに一閃する。
付与した空間魔術により空間が切裂かれ迫りくる閃光は空間に呑み込まていき消失する。
―――そんなバカな事があるかあああああああ!
エンハスの声が頭の中に直接降り注いでくる。
「レオナ!止めを行います」
(是!)
レオナが作り出した無数の氷の単結晶体が、私が作り上げた重力風と融合する事で巨大な電圧を編み上げていく。
編み上げられていく力は全て両手で構えているレオナの刀の形をしている神器に蓄えられていく。
「「この世界は、お前らに壊させはしない!」」
私とレオナの意思が一つになり
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