第298話

「すごい手際がいいんですね。さっきの回復魔法とかまるで噂に聞く聖女様のようでした」

 俺はバズーを睨んだ。


「バズー、女性の体をそういう意図が無くてもあまり見るのは良いとは言えませんよ?」

 まったくデリカシーが無いのは嫌われるぞ?さて用意もできたことだし様子を見にいくか。


「言わなくても分かると思いますけど、バズーは女性がお風呂から出て身だしなみを整えるまでは周辺の警戒をしておいてください」

 俺はバズーに言いながら、パワーオフディフェンスを発動させかける。今回は神兵との戦いでは無いので10倍に抑えてある。

 バズーは、自身のステータスが向上した事に驚いていたが俺が一括するとしぶしぶ周辺の警戒に出ていった。女性達に近づいていくとすでに何人か起きていたようで俺の姿を見て最初は驚いていたようだったが俺が彼女らを助けたと説明し体の治療も施したと言うと感謝された。


「そう、レオナさんっていうんですか。本当に本当にありがとうございました。ウリボウの体液は媚薬の効果があって一生抜けないと言われているんです。それを治療してくれるなんて感謝したりません」


「バズーお兄ちゃんが、助けにきてくれたんですか?」

 とこの辺まではいい。

 他の女性達は、やはり結婚前の女性ばかりだったので無理やり性的に襲われたのは心的外傷が大きかったようで女性達の表情はとても暗かった。

 とりあえずはまずは、お風呂に入ってもらいリラックスしてもらおう。


「皆さん、じつはそこに露天風呂を作ったので体を一度洗いませんか?それだと洋服も渡せませんし……」

 俺の言葉に女性達はしぶしぶお風呂に入ってくれた。何か癒せるものがあればいいんだけどな……あったわ。


「えっと少し良いですか?」

 お風呂場に入ってきたのが同姓だと思って安心したような顔を見せてくれたのを見てから、アイテムボックスからハーブやバラやコリアンダーを混ぜた石鹸をいくつも取り出して渡していく。


「えっとこれで体をって……布も必要ですね」

 俺は購入したばかりの清潔な真っ白な木綿の布と大きめのバスタオルになりそうな布を取り出した。


「こっちの小さい布で体を洗って露天風呂で体を温めてくださいね、石鹸は小さい布で包んで泡を立ててから体をこするといいです」

 告げながら生活魔法と種火と水生成を組み合わせたシャワースポットも作っていく。


「お風呂に入るとそのままだとお湯が濁ってしまうので、ここだと頭上からお湯の雨が流れるようにしたのでここで体を洗ってから入ってください。それと皆さんに説明し忘れていましたが、私の回復魔術で一応、体の状態は魔物に犯される前に戻しておきました。それではゆっくりお湯に浸かっていてください、私も周辺を警備しておきますので」

 襲われた女性の気持ちが俺には分からないから、カウンセリングはできない。とりあえず体は純潔状態にしましたよと言うのが精一杯だった。


 バズーの近くに行くと、彼は険しい目で山向こうを見ていた。


「バズー、どうかしたんですか?」


「レ、レオナさんですか……。レオナさんって強いんですね」

 どうだろうな?俺、レオナじゃないけどステータスだけ見たら本物のレオナとか全部4桁

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