第299話

行ってるからな。純粋な殴り合いならレオナに勝てる奴いないんじゃないかな?


「俺も、レオナさんくらい強くなれますか?」


「強くなる精進を怠らなければいつか強くなれると思いますよ」

 俺とか、生死が絡んでるから魔法とか作ってるだけだし、俺が戦う敵って神兵とかとんでも化け物ばかりだから強さの次元が違うんだよな。いつもギリギリで勝ってるし……。

 そう考えると、俺ってもっと強くならないといけないんじゃないかな?とてもメンドクサイな。気がつけば露天風呂の方から賑やかな声が聞こえてきたので少しは気分を解消出来たのかもしれない。


「バズー、私は皆さんに洋服を渡してきますのでもう少しここで待機しておいてください」

 

「分かりました」

 俺の言葉にバズーは素直に頷いてくれた。



 脱衣所に入ると皆さんバスタオルで体を拭いていたのでアイテムボックスから机を取り出しその上に洋服や下着を、足元にはサンダルや靴を置いていく。


「これ、本当に着ていいんですか?」

 と皆さんに聞かれたのでどうぞと頷くと黄色い声で話しながら洋服を選び始めた。

 それを見てこれは帰るのに時間かかりそうだと思ったが、こう言うのもカウンセリングの一つかも知れないと割り切る事にした。




 保護した女性達を連れて町についた頃にはすでに夕方に差し掛かる時間であった。冒険者用のブーツなどではない事から移動に時間がかかってしまったのだ。

 身体強化魔術を使おうとも思ったが、戦闘職でもない普通の女性にそれをかけると扱いきれずに怪我をすると思い道中で何度も休みを取っていたのが大きい。

 足を痛めた人がいたらヒールで痛めた箇所を直していたのでそれもまたひとつの要因だろう。


「すいません。門を開けてもらえますか?」

 俺は北門にいる兵士に話しかけると身分証の提示を言われたのでレオナの身分証を出すとすぐに門を開けてくれた。


「レオナさん、そちらの女性達は?」

 女性達を連れて門を潜ろうとすると男の兵士達が集まってきて聞いてきた。


「ウリボウを倒した時に、救出した方々です。心的外傷があると思うので男性の方はなるべく近づかないでください」

 俺は念を押して兵士達を女性達から離した。


「わかりました。ダブルSランクのレオナさんの話を信じましょう。それよりも、ウリボウの死体は?」

 被害者の女性の心配よりも死体の方が大事なのか?


「きちんと処理しておいたので大丈夫です。それよりも報告を先に行いたいので通ってもいいですか?」


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