第297話
「グラビディランス!」
俺が作り出した2メートルを越す漆黒の重力場を宿した魔法。それを俺の意思により投擲する。グラビディランスは、ウリボウが避ける暇すら与えずその胸元に突き刺さる。そして原子崩壊を誘発し力場が反転し莫大なエネルギーを開放した。
巨大な重力崩壊の閃光が木々や大地を削り飛ばし消滅させながら一直線に全ての万物を等しく原子崩壊させていく。
最後あたりに断末魔を聞いた気がするが気のせいだろう。
前使った時は、アルゴ公国の山脈を消し飛ばした。だが今回はかなり手加減がうまく言ったのか森の一部が消し飛んだくらいで済んだみたいで特に問題はなさそうだな。
「バズーさん?」
俺は女性たちをどうやって運ぼうか考えてバズーの方へ視線を向けると彼は何か恐ろしい物を見たように震えていた。やはりウリボウとやり合っていた時は虚勢だったんだな。
まぁ男は、時には見栄を張りたいものだから仕方ないかもしれない。
「それにしても……」
どうしたものか。ここから町まで山の中を歩いて1時間ほど掛かる。まだお昼を少し回ったくらいだからすぐには暗くならないけどどうしたものか。
女性たちを見ると、みんなドロドロのグチョグチョになってるし……。やっぱり男がいるとまずいよな……。
「バズーさん!」
俺の言葉にようやく彼は頷き返してくれるが足手まといにならないと言うならきちんとしてほしい。
「数本木材を斬って頂けますか?」
「木材?」
「はい、そうです。簡易的なお風呂を作りますので支柱が欲しいのです。10本くらいでいいのでお願いします」
俺の言葉にようやく動き出すバズー。まったくウリボウにショック受けすぎだろう、よくついてこれる気になったものだ。
バズーが支柱の材料となる木を伐ってる間に、俺は種火の魔法で地面を溶解させながら風呂釜を作っていく。次には生活魔法の水で風呂釜を満たす。最後には種火を風呂釜の水の中に発生させて出来上がりだ。
次に女性達に近づいていき、鑑定で体をチェックしていく。シータは問題ないが残りの10人の女性が全員、妊娠(魔物の子)させられていた。
これってどうしたらいいのだろうか?でもまだ一週間以内のが殆どだからやっぱり同じ女としては、あれだよな……。
アイテムボックスから杖を取り出す。そして女性達に向けて体内、対外が正常状態に戻るようにヒールを使うと杖が最適な魔術式を組み替え女性達の体を修復した。鑑定で見ても妊娠の状態は全部消えてるのでこれでいいのかな……。
俺の回復魔術により肉体が正常状態になったのか目を覚まそうとしていた女性が何人かいたので俺は急いでバズーの元へ戻る。するとすでに伐採は終わっていた。
「バズー簡易の脱衣所を作るので、柱を押さえておいてください」
俺は丸太を身体強化したまま地面に刺していきアイテムボックスから布とソーイングセットを取り出し糸で布を丸太に固定していく。簡易的なものであったので5分ほどで脱衣所が完成する。
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