第235話
「クサナギ殿、撤退終わったようです」
俺が解析してる間にどうやら軍は全て撤退して前線には俺とレオナだけしか残っていないようだ。そして目の前の座天使サマエルも俺たちを脅威と感じたのかその姿が変化していく。
翼は2枚だったのが8枚になり腕は手足を含めて4本だったのが8本に変化する。そして目も1対から3対に増える。体の大きさも一回り大きくなり色も白から漆黒に変化する。
「ずいぶんと変化しましたね」
「ああ、そのようだな」
やはりこいつは予想どおりこっちの力に合わせて形状を変化させる化け物だったようだ。ずっとこの世界の人間だけで抑えられていたのはおかしいと思ってたんだよな。まあそれでも……。
俺達を見ている各国の軍と聖女アリアと勇者コルクには悪いが、俺達が倒させてもらおう。
俺とレオナは手を握り合い、そして……
――神霊融合!!
時がとまり世界が停止し全ての構成が組み変わる。全ての物質の根幹である音素が神気により融合し新たなる力を導く。
光が集約し組み替えられた魂は神気により刀となり体となり器となり上位次元の存在へと昇華させていき残された神気の本流は周囲の精神エネルギーを押し流し神雷となり稲妻が舞う。
舞い散る稲妻からは、紫電纏う日本刀を腰に差した美女クサナギ・レオナがその姿を顕現させた。
------------------------- 第86部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
炎熱の神衣契約
【本文】
(クサナギ殿、作戦は?)
レオナの声に俺は頭を振るう、相手の強さに応じてその力を増すというなら中途半端に攻撃をしてもこちらが消耗をするだけだ。なら一撃で沈めるしかない。
「一撃で決める!」
(是!)
俺は腰から雷斬を抜き放ち上段に構える。周囲に俺が作り上げた重力場を応用した風が生成されていき薄く鋭くその圧力を高めていく。その名も重力風、そしてその中には無数の高圧縮された水の結晶体が生み出されていく。重力風の中で凝縮された水は氷の結晶となり結晶は互いに高速で衝突する事で極電圧を作り上げていく。
俺が、宇宙開発実験センターで手にいれた知識を元につくりだした重力場、そして俺の知識を垣間見たレオナが作り上げた単体分子結晶体が織り成す極大雷光科学魔法。
作り編みこまれていく電圧は、以前の数十億ボルトを遥かに上回っているが周囲に与える影響力は限りなく低く抑えられている。極限まで研ぎ澄まされた力は、全て上段構えしている雷斬に集約していく。
「雷塵光剣」
上段から振り下ろされた力は進行上に存在する全ての物質を原子レベルで連鎖崩壊させながら座天使サマエルを両断し座天使サマエルを中心にその力は解放された。
「くっ――」
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