第153話


右肩を砕きヒールし左肩を砕きヒールをし右手首を破壊してはヒールをする。そんなことを5分程続けてると


「も、もうやめるワン!」


「自分たちはもう怒ってないからしなくていいワン!」


後ろからコボルト達に羽交い絞めにされて止められた。それでもステータス的には圧倒的に俺の方が上だから引き剥がそうと思えば引き剥がせる。


「もう止めてください!クサナギ様。そこまで無慈悲にされるのは同じ女性としても人間としても良くはありません」


「クサナギ殿、もう十分だと思う。これ以上はやりすぎですぞ」


アリーシャやレオナがパステルと俺の間に立ちふさがってきた。そしてパステルの方へ視線を向けると後ろには壁があるのに必死に俺から離れようとしている。パステルが座ってる地面も心なしか濡れてる気がする。


「――――――はぁ……」


少しやりすぎたか……。


「もういいでしょう?パステル、アナタの意見は一部聞く必要はありましたが私はあまり人間と馴れ合う事はしたくないのです。ですから町に戻ってもらえませんか?」


ここまですれば戻るだろう。これだけ暴力を振るわれた人間に対して着いていくなど俺なら考えられない。


「それは、出来ない。私は騎士だからだ」


「そうですか……なら目隠しをして頂けますか?」


「そんなに私たちを信用できないのか?」


虚勢を張ってるようにしか見えないパステルが俺に聞いてくるが、信用できるか出来ないかと言えばそんな答えなんてとっくに決まってる。


「ええ、人間は信用できません」


俺の言葉にコボルト達も俺の護衛の3人も驚いているが驚くほどの物だろうか?至極全うな考えだと思うんだが?


「クサナギ様!どうして信用できないんですか?」


「え?」


何こいつらバカなの?こんな人権も何もないような中世の時代に人を信用するとか頭おかしいとしか思えないんだが……。俺は心の中でため息をつく。深くどこまでも深く……。


「えっとね、同じ人間を奴隷として不当に売買する人間を放置してる時点で私としては信用するに値しないんです。しかも各地の代官が奴隷を作るために税率を勝手に引き上げて他者の生活を簡単に破壊する、そんな世界の人間をどうやって信頼信用しろと言うのですか?」


大体、俺が元いた日本だってあれだけ法律があっても人を平気で騙したり犯罪を働いたり公人でもあるにも関わらず2重国籍だった事をまともに釈明しない中国人政治家とかが内政干渉してきたりしたり捏造記事を書いて自国民を貶めるそんな屑みたいなのがたくさんいたのだ。法律も貴族優位に作られてるこの中性の時代に置いて仲間を信じる?人を信じる?そんな事をまともに言ってる時点で俺には狂言としか思えない。

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