第152話

「そういえば、ここから長老さんのいらっしゃる所までは遠いのですか?」


言語解析魔術を発動したままで、コボルト達に話しかけるが。


「それほどでもでもないワン」


一番小さい白い毛並みの犬が答えてくれた。俺はその言葉を聴いてこのままだと面倒ごとになりそうだなと思った。


「アリーシャ、レオナ、パステル申し訳ありませんが、エルノまで帰って頂けませんか?私は大丈夫ですので」


そう、彼女らが意思疎通を交わした人達へ後日、危害を加える可能性があるので無闇に連れていけないのだ。


「私たちは、総督府の命でクサナギ殿の護衛としてついているのです。離れる事なぞ出来ません!」


「クサナギ様は私たちより魔物風情を信じるのですか?」


あーほんとこいつらはメンドクサイな。価値観が相容れないんだから一緒に行動してても意味ないのに総督府の命だか何だか知らないが俺にとってはいい迷惑なんだっての。


「お譲ちゃん、別に知られてもどうにか出来る場所になんて無いから大丈夫だワン」


「そうですか」


まぁ彼女らも立場という物があるのだろう。それにしても……。

俺はアイテムボックスから3枚、布切れを取り出す。


「すいませんが道中の安全は私が確保しますのでコボルトさん達の村に到着するまでは目隠しをしておいてください。それが出来ないならお帰りください」


「ふざけんな!そんな要求を誰が受けるとおもグハッ」


ああ、思わず手が出てしまった。


「ヒール」


俺が殴ったパステルの顔が修復されていく。うーん、あまり女を殴るのは気が引けるが男女平等主義な俺としては殴って言う事を聞かせたほうが効率的なのかも知れないな。まぁ死なない範囲でやるとするか……。


「痛っ――――――いきなり何を!?」


パステルが喚いてる間に、俺は身体強化をする。上級魔法師と同格の魔力1万つまりステータスは1600前後まで跳ね上がりパステルのステータスよりも80倍近く上だ。


「パステルさん、最終勧告です。アリーシャさんが言いましたよね?冒険者は強い人に従うと……」


優しく微笑みながらパステルに近づいていく。俺の言葉を聴いたパステルが睨んでくるがそんなの俺は知った事ではない。俺は座り込んでいたパステルの大腿骨を踏み砕いた。

ダンジョン内に彼女の悲鳴が木霊すが、すぐにヒールをして直す。

次に左足の大腿骨も砕きすぐにヒールで直す。

そこでようやく俺が何をしたいのか理解したようだ。


「ひっ!ひぃいいい」


パステルが四肢を破壊された激痛に晒され回復魔法でそれを直されるそんな拷問染みた方法に悲鳴を上げるがかなりのフラストレーションが溜まってる俺にはそんなの知ったことじゃない。

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