第100話
「ヒール!」
俺の言葉が倉庫内に響き渡った。
壁のオブジェクトとなっていた男達やお星様から流れ星になって落下した人達とか御魚にクラスチェンジして陸の上でピクピクしてた人の怪我が治った。
ところがどういう事でしょう?
みんな俺を見て大変怯えてらっしゃいます。
どうやら、かなり大変な目にあったようです。
「さて、お前らの今の立場は分かるな?」
俺は手に持っていた握りコブシくらいの石を紹介する。
それだけで男達がゴクリを唾をのみ込んでるのが見えた。
そんなにこの石が食べたいのだろうか?あんまりおすすめはしたくないな……。
俺はそのまま石を握って砕いた。
「は、はい!何でもは、はなし……喋らせていただきますっ!」
うん、とても素直になってくれて俺は大変うれしい。
やっぱり彼らも平和的に俺と話をしてくれるようだ。
どこにも悪い人はいないんだなと心から安心した。
「それじゃまずはお前らの黒幕を吐いてもらおうか?」
「はい!全てお頭が知ってます!!」
「ふむ……水を持ってきてそのお頭ってやつらにかけろ」
「ラジャ!」
すぐに一人の男が倉庫から出ていってバケツに海水を入れて持って帰ってきた。
なかなか俊敏に動くやつだな。
そしてチラッと一人だけ地面に横になって幸せそうな顔をしている男を見る。
まったく職務怠慢だろと思いながらバケツを受け取るとお頭と呼ばれた男の顔にぶっかける。
もちろんヒール済みだから痛みはないはずだ。
しばらくすると男が目を覚ました。
俺はすかさずお頭と呼ばれた男の顎を持ち顔を近づける。
今度は気絶するなどの現実逃避はさせない。
「おい起きろ!今度失神したらゴッドブローの刑だからな?」
お頭と呼ばれた男がガクガクと震えなら頭を前後に振るって分かりましたと教えてくれる。
うむ、私のヒールという癒しが効いてくれたようで改心してくれたようだ。
「それではお頭と呼ばれた奴、お前らに俺を拉致して調教しろと言ったやつの名前を教えてもらおうか?」
俺はとてもやさしく微笑んで右手に再度持った石を紹介しながら握って潰した。
「は……はい。私達に命令をしたのは総督府です。総督府のイデル海爵とエメラス王女です。だからもうヒールはいやああああああああああああ」
それだけ男は言うと地面に崩れ落ちた。
やはりお疲れ様だったようだ。
さてと、なるほど……。
つまり裏で糸を引いてたのはこの国の王族と総督府になるわけか……。
またメンドクサイな。
どうしたものか……これでこいつらを殲滅したとしても疑われそうだしちょっかいを掛けてくるだろうな。
そうすると取る手は一つしかないな。
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