第34話
アガルタ創世書いわく
神代の時代、人の英知は神すら創造し天地を作り変え天空の星までその手を伸ばした。
人は際限ない欲望に突き動かされ禁忌に触れる。
それは新しき世界を創造する理であった。
作られた理は人々に更なる力と英知を齎した。
人は世界の全てを知り世界の理を知り人は多くの事柄をその場で知りえた。
新たなる理は、人に神の力を持たせた。
神の力を手にいれた人間は慢心し滅んだ。
残った人々は、破壊され毒の理もった土地を再生し国を建てた。
「要約するとこんな感じですけど合っていますか?」
俺は一緒に歩いているユークリッドを見上げて質問した。
「あ、ああ……。あれだけのページを本当に全部読んだんだな」
俺にはユークリッドが何を言ってるのか多少は理解できたけど、日本に住んでいた時は一冊の文庫を1時間のペースで読んでいたのだ。いくら異世界の文字で書かれていたと言ってもこちとら異世界転生歴は、12年もあるのだ。それに王妃教育で嫌と言うほど他国言語含めて勉強させられていた。そんな俺が聖書もどきを読破するのに4時間以上かけてたら大問題だ。
「はい、それよりもですね……この服装おかしくないですか?」
俺は、お店前の窓ガラスの前に立ち自分の姿を映した。そこには黒髪の美少女ではなく金髪の美少女が映っていた。
「大丈夫、似合ってる。髪質変化を封じた魔法石も十分効果を発揮してる」
「あ、はい」
似合ってると言われても正直、男にほめられても微妙なんだが……。それに俺は、てっきりユークリッドが男の服と髪を隠す帽子を用意してくれると思っていたがそれは悪い意味で裏切られていた。ユークリッドは、女性用の下着と洋服が入った袋を調達してきたからだ。袋を開けたときにユークリッドに抗議しようとしたが、すでに部屋にいなかった。どうやら俺が着替えるまで外にいるつもりなのだろう。
俺は観念して、女物の下着を身に着けると白いワンピースを着てからストールを羽織った。
でもと思う。足元を見ると靴もワンピースと同じ白で統一されていて白のリボンで足首に固定するようになっていてとても女の子していたから……。
まるで本当の女になったような気分だった。
「でもこんな格好しててバレないんでしょうか?」
こんなに堂々としていたらすぐ見つかる気がするんだが……。
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