第23話
「ユウティーシア様、あなたはクラウス殿下の婚約者ですね?」
さて、どうするか……。まずはアリスがしたことは内政干渉にあたるが大国の機嫌を損ねたら外交問題になりそうなんだよな。そうすると相手の話に合わせるのが得策なんだが言われたままと言うのも癪に障る。となると……。
周りを見ていくが大半が興味有って所か?睨みつけてくるのがお父様に商売を邪魔されて没落した貴族達なのだろう。
しかし、独占……独占か……。この時代に独占とか無理だろ、流通問題も含めて独占は出来ない思う。もしなってるとしたら商品品質で負けてるから市場から駆逐された可能性の方が高そうだ。
まぁ大体の話の筋道は思い描けた。俺は、背筋をまっすぐに伸ばし視線をアリスに向けた。
「先ほどは失礼致しました」
俺の言動に周囲で様子を見ていた貴族達が、さきほど?疑問を呈している。
部屋で俺に暴言吐くだけ吐いてさった女の事など知った事ではないがとりあえず話をする手がかりとするか
「私はこのような夜会には参った事がありませんので、どのような立ち振る舞いをしていいのか存じません。ですので、もしご不快な感情を抱かせてしまいましたら申し訳ありません」
まずはジャブで攻める事にする。
「たしかに、私はアリス様が仰れましたとおりにシュトロハイム公爵家現当主バルザックの娘でございます」
俺の挨拶に、周囲からの反応は感嘆から関心へと変わっていくのが分かる。そう、まずは他者を知らなければ交渉は出来ないのだ。だからまずは周囲の人間がどのように考えているのか、そしてこのアリスがどのような結末を望んでいるのかそれを探る必要がある。
たしか部屋で、俺が感じたのはクラウス殿下をお慕い申しておりますと言った感情だった。つまりアリスの最終目標は、俺の断罪ではなくクラウス殿下と添い遂げる事なのだろう。
そして周囲の貴族の反応を見るに大半の貴族が望んでるのは面白ければいいと言う内容なのだろう。
只、一部の貴族は俺の父親であるバルザック公爵に商売で負け没落させられた事から俺が断罪される事を望んでるはずだ。と言う事は、この話し合いで必要なのは俺の意見を踏まえると……。
クラウス殿下との婚約破棄をアリスのせいにする事と、そのフォロー。そして、没落組には悪いが商売には勝ち負けがあるから商売な訳であって育ててもらった恩がある以上ここで徹底的に論破しておく。
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