第5話

 それから数日が経過した頃、少しワイルドぽいダンディーなオジサンが部屋に入ってきた。後ろからは俺のこの世界の父親らしいバルザックに母親であるエレンシアが続けて入ってきた。エレンシアさんは良く部屋に来るんだが父親であるバルザックは俺が姿見ショックダウンの日から一度も見てない事からあまり俺を好きではないような気がする。現に今でも額に皺を寄せてるし……。


「この子が、お前が言っていた娘か?」

 オジサンがいきなり父親に上から口調で話始めたが


「はい。名前はユウティーシアです」

 俺は赤ん坊用の柵のついたベットの上で座ったまま二人の会話を聞くことにした。


「そうか、それでは一応ステータスは測っておいた方がいいな」

 オジサンは俺を見下ろしながら父親に話しかけてきている。父親は、すでに用意していたのだろう。何やら石版ぽいのを取り出して母親に手渡して何やら会話をしているが何を言ってるのか小声でよく聞き取れない。そうしていると母親が近づいてきて俺を抱き上げ俺の右手を持って石版の紋様がついてる部分へ押し当てた。そうすると石版に数値が浮かび上がっていく。


name:ユウティーシア・フォン・シュトロハイム

HP:3/3

MP:1/1

STR:1

DEX:1

CON:1

WIS:1

INT:163

CHA:999


数値を見て誰もが凍りついたように見えた。


「これは……どういうことだ?」

 どういうことなんだろう。ここに来る前にステータスを弄ったけど、こんなステータス配分は見た事がない。それよりも、まるでゲームの世界みたいだな。


「それにしても……」

 父親が何か唸ってるようだがどうしたんだろうか?お腹でも痛いのだろうか?


「魔力量が低すぎる。これでは庶民よりも低いではないか」

 なるほど……そっちの事で心配していたのか。お腹が痛い訳ではなかったんだな……。それよりも、この世界の平均ステータスっていくつくらいなんだ?基準がわからないと何とも言えないんだけど……。とりあえず黙っておこう。


「バルザック、魔力量が低いとは言え100年ぶりの王家の血筋を引く女子だ。血筋を重視する王家にとっては魔力量よりも血筋が重要なのは分かっているな?」


「はい、陛下」

 とても嫌な会話を子供の前で始めた二人に俺は視線を向けてるが……。


「分かってくれればいい……クラウスの婚約者はユウティーシアで決定だ。幸いな事に知力と魅力のステータスが高いからすぐに貴族の作法を身に着ける事は可能だろう。それに将来は王妃になるのだ、これだけ知力が高ければ他国の言語を全てマスターする事も可能であろう。早いうちに教育を進めた方がいいな」

 そんな事を目の前のオジサンは言い始めた。


「分かっています。最初からそのつもりです」


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