第5話
数日が過ぎた。
その内の丸一日ぐらいは間違って飲み込んでしまった痺れ草の効果で動けていない時間の様な気もするが、それのおかげか【麻痺耐性Ⅰ】というスキルを獲得できたので良かったのだろう。何度か感じた意識が覚醒する感覚。あれの所為で俺は今の現状を現実だと理解させられたのだが……それの所為で尚更外に出るなどという自殺行為が出来ず、引きこもる日々を送っていた。
「──!!」
時々来るコウモリを追い払い、降ってくる血の恵みに感謝し、降ってきた肉片に殺されかける。そんな日々を送り続ける事で俺のレベルは既に5と、折り返し地点に到達していた。
「──!!!!」
「──……?」
今日も今日とて、来たコウモリを追い払って引きこもり生活を送る筈だったというのに……それは来た。
最初はその鳴き声が何処からするのか一切分からなかったのだが、上から影が降ってきた事で強制的に理解させられる。今回の敵はあの飛べる敵だ、と。
「──!!」
「──!!」
影が降ってきたので慌てて巣と言う名の蛇の骨から転がり出る。転がっている最中に視界に入った蛇の骨は1体のコウモリに粉々に砕かれていたから、その行動は正しかったのだろう。が、俺の生命線が失われた。あの巣が壊されたという事は、この地獄の様な空間を抜け出す必要があり、まずは……、
「───!!!」
「──!!」
あの糞コウモリを倒す必要がある。
骨を好き放題に粉々にした後、獲物を見るような目線で俺を見たコウモリ。大きさは俺の倍以上は間違いなくあるだろう。何故俺が狙われたのかはよくわからないが……、
「──!!」
再び空を飛び、一直線に俺へと突っ込んできたコウモリをギリギリの所で躱して首元へと噛み付く。……硬い。俺の全力の噛みつきをして尚、傷を付けられた程度でしか無い自分の攻撃力を嘆くが、そんな事をしている間にコウモリは暴れて空へと飛び上がった。
「──!!」
悲鳴にならない俺の声。丁度木々が無い所に俺が転がっていたのが悪かったのか、木よりも高く飛び上がったコウモリはそこで大きく首を振るい、俺を落とした。
落ちる。初めて木から落ちた時とは違い、今回は自分が落ちている事、死にそうな事が認識できてしまったので無我夢中で翼を振り回した。
「──!!」
俺の中で出せる限りの声を張り上げ、頑張って身体を制御する。多分……出来たのは最後のほんの一瞬、それでも俺は死なずにすんだ。
「──!!」
再び襲いかかるコウモリの姿を認識しながら……俺では勝てない事、今にも地面が崩れそうな事に気づく事が出来ていた。
崩落する大地にコウモリの金切り声、何かヌメッとした温かい物に包まれながら……俺は意識を失った。
〘レベルが上がりました〙
〘SP:15を獲得しました〙
〘レベルが上がりました〙
〘SP:15を獲得しました〙
〘レベルが上がりました〙
〘SP:15を獲得しました〙
〘レベルが上がりました〙
〘SP:15を獲得しました〙
〘レベルが上がりました〙
〘SP:15を獲得しました〙
〘レベルが最大になりました〙
〘進化が可能です〙
〘ミニマムバット・スモールレッサーバット〙
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