第二十話 山ノ神


 大きな山には山神が居て常に縄張りを見張っているという。



 山の神はそれぞれ違う姿をしていて、性格もバラバラ。性別も違う。だが、殆どの山の神は人間にとても興味を持つのだそうだ。



 ある山の神は女形の神で、山頂の祠の方角に男性器を見せると山の恵みを多く与えてくれるという。


 ある山の神は男形の神で、生娘が山に入ると惑わし拐おうとするという。


 ある山の神は蛇の姿をしていて、山で眷属である蛇を傷付けた者を祟るという。


 ある山の神は、山の恵みを獲た者が御供えを忘れると二度と恵みを与えぬという。



 そんな中で、本当に怖いのは人を喰う神だ。某県の山には人喰いの神の住む滝があるという。

 時折、河の下流では人体の一部が見付かり騒ぎになるのだ。


 山の神は新しい神が入れ替わるまでそのまま……危険な山の神が住まう地を見分けるには、地元の者から話を聞くしか無いだろう。

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