第四話 タイヤ痕



 片田舎の街に、不思議な光景が出現した。



 場所は幅の狭い町道。交差点などの分かれ道はあるが、基本的に直線が長く続く道路だ。


 ある日、その道路に現れたのはタイヤ痕。ただ、これが異常に長い……。

 距離にして二キロメートル程の長さに、真っ直ぐなタイヤ痕が綺麗に残されていたのだ。



 近隣住民に確認をしたが、タイヤが擦れる音を聴いた者は存在しなかった。鮮やかに残るタイヤ痕を考えれば、それは有り得ないことである。



 誰が何の目的で行ったかは分からない。そんなタイヤ痕は、新しく道路が舗装されるまで残されたままだった……。


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