第二話 鈴の音
江戸の頃……一揆を起こした罪で村人全てが処刑された名も無き村がある。
一揆は年貢の重さが原因で已む無くの選択だった。代官達は私腹を肥やす為に村人に過酷な年貢を課したのが真相だった。
このままではどのみち先はない……村人達は命を賭けて訴え出たが、ついぞ取り合っては貰えなかったが故の行動だった。
一揆は一族郎党処分が常。しかも幕府に隠れた悪事である為、藩が咎めを受けぬ様飢饉で死んだことにされた……。当然、口封じの為村人は誰一人生き残れない。
そんな村人の犠牲者の中には、小さな子供達も含まれていたという……。
ある少女は両親から貰った大事な鈴を握り締め処刑されたことを、不憫に思った家臣の一人が記憶していた。
一揆の後……数日が経過した代官の屋敷では、夜な夜な鈴の音が聞こえ始めたという。それが半年続き、遂に代官は気が触れた末に自ら腹を切ったと伝わっている。
現在でもその代官の末裔本家では、当主の死の間際に鈴の音が聴こえると語り継がれているという……。
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