第2話 デイサービスのあるある

現在、街中で見かけるデイサービスは高齢者施設です。

その経営上から、ほとんどが要介護度3以上の認知症高齢者を対象としています。

したがって、ほとんどの施設は幼稚園のようなことを、毎日繰り返すようになってしまいます。

要介護度3以上の認知症高齢者は、その日の出来事等、翌日まで覚えていません。

それでも、利用者を楽しませようと、それこそ必死に考えて頑張っておられます。

もちろん、利用者の家族は、どんな施設であろうと、入浴が出来て、日中預かってもらえるなら、問題にしません。

認知症高齢者等、留守番させられるものではありません。

帰宅したら、冷蔵庫が開きっぱなしで、食材が散乱していた。とか、ダイニングテーブルの上に大便がしてあった等々、枚挙しきれません。

動けない高齢者なら、かえって問題ないのかもしれません。

動ける認知症高齢者は、もっと問題です。

介護職の皆さんは、ともすれば本人に、よくできました。

しっかりされておられますと褒めます。

これが問題で、本人は、自分がまだまだしっかりとしていて、記憶も何もかも、よくわかっていると勘違いしてしまいます。

家族が目を離したすきに、1人で外出して、行方不明になります。

認知症高齢者の行方不明は、すでに、年間1万5千人を越えています。

もちろん、最近の職業事情で、家族全員で、1人の高齢者を支えていかないといけなくなってしまいましたので、家族は、全員が出勤して行くなんて当たり前です。

家族が留守の間に、預かってもらえるデイサービスは、ありがたいのです。

認知症高齢者の行方不明は、いわゆる徘徊です。

認知症における徘徊は、見当識障害と言われる、認知症の主な症状です。

この見当識障害は、介護する人々に、ストレスの原因となり、時には、うつ病の原因になることすらあります。

見当識障害と言っても、意味がわからないと思います。

自分が居る場所がわからない、自分の目の前に居る人が誰か、認識できない、時間わからない、自分が何をするのかわからない等々、何もわからなくなってしまいます。

見当識障害の高齢者者を介護することは、並大抵ではありません。

介護する人々に、大きな負担とストレスがかかります。

ストレスが溜まり、うつ病になる人さえおられます。

もちろん、認知症は精神疾患ですので、精神神経科が担当する病気ですが、精神神経科の入院可能な病院は、極端に少なく、かなり重度の症状が出ないと入院できません。

そこで、デイサービスに預けることで、問題を回避できるのであれば、デイサービスは、とてつもなく大きな意味を持っていると言えます。

しかし、制度上の問題から、ヘルパーさんやワーカーさんの給料は、非常に安く、体力的にも、精神的にも、大変に負担がかかる仕事ですので、慢性的人手不足になるのは当たり前です。

したがって、高齢者向けデイサービスですら開設が難しくなってきているようです。

高齢者の在宅を基本的方針にしている我が国で、病院は、長期の入院は出来ない。

高齢者向け入居施設は不足。

日中預かってもらえる施設も不足。

そもそも、職員が長期に働ける体制を運営会社が取れない。

高齢者の介護は、月に約3万5千円かかります。

介護保険を利用しても、それだけかかります。

老後資金は2千万円以上必要などというニュースが流れていますが、あながち間違いではありません。

しかし、老後に備えて、2千万円を貯蓄できる方がどれほどおられるのかは、悩ましいところです。

ただ、その高齢者施設であるデイサービスを利用せざるを得ない難病患者は、とんでもなくツラい体験をさせられていることをご記憶頂ければ幸いです。

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