福祉施設のあるある

近衛源二郎

第1話 現在の福祉。

社会福祉だ、そらなんだと言われて、かなり経ちます。

社会保険料として、皆さんお支払いされておられると思います。

介護保険の保険料。

お勤めの皆様は、お勤め先からお給料天引きでお支払いされておられます。

ある条件が整えば、45歳から介護施設やサービスを利用して、お代金の1割、又は3割を個人で支払うというものですね。

ところで、介護保険の利用は、通常であれば、65歳以上ということは、皆さんご存知ですね。

つまり、高齢者が介護を受けたり、介護用品をレンタルしたりすることが目的のようになっているのが現状です。

だから、高齢者が自宅では、入浴が危険になった場合とか。

高齢者でなくても、お風呂でウトウトしてしまうことってありますよね。

認知症や痴呆症の高齢者の場合、そのまま湯船にズレ込み水没してしまうことだってあるんです、

そうならないように、デイサービス等の施設があります。

あくまでも、高齢者向けの施設なんです。

ところで、障害者で、自宅で入浴が出来ない場合等は、どうなるんでしょう。

45歳からは、基本的に高齢者向けのデイサービスを利用することになります。

ところが、最近の介護保険の制度改正で、要介護度が3以上無いと、少し利益的に問題が出ました。

しかも、よほどの病気や障害でもない限り、要介護度3以上なんて、認可されません。

認知症で、紙オムツ常用で、それでも大便を失敗してトイレの便器で出来ず、トイレ室内を汚す等がない限り認可されなくなっているのです。

デイサービスのほとんどは、株式会社が運営しています。

介護用品のレンタルも、当然営利企業です。

そして、病院の入院期間の短縮をするように改正した医療法律。

営利企業に頼らざるを得ない日本の介護が、利益が出ない仕組みになっているのです。

しかも、少子高齢化問題。

自然。デイサービス運営会社は、営業上要介護度3以上の認知症高齢者の利用者が中心にならざるを得なくなってしまいました。

ところが、身体障害者向けの施設は、ありません。

特別養護老人ホームでなくても、サービス付き老人ホームやグループホーム等、様々な形態で高齢者向け施設は開設されておりますが、身体障害者向けの施設はありません。

これは、数の問題ですね。

高齢者は増える一方です。

近い将来、3人に1人が認知症になると言われていますが、身体障害者はそんなにいません。

要介護度2以上の身体障害者は、高齢者向けのデイサービスを利用するしかなくなりました。

簡単に、利益できる施設はあるなんて思わないで下さい。

身体が不自由なだけで、認知症も痴呆症もない若年者が、認知症や痴呆症の高齢者ばかりの施設に放り込まれるんですよ。

その上、慢性的人手不足の介護業界です。

若い障害者なんか、まるで職員扱いされるようになってしまいます。

認知症や痴呆症の高齢者に、職員と障害者の区別ができますか。

45歳以下の若年者であれば、介護保険が使えないので、医療法で、自宅介護の方法があります。

もちろん、45歳以上でも、重度要介護者であれば、自宅介護が使えます。

つまり、45歳以上の認知症でも痴呆症でもない方々に、苦痛のしわ寄せが集中しています。

それでも、医師や看護師やケアマネージャー等は、衛生上の問題を理由に、無理やりにでもデイサービスの利用を進めます。

障害者は、ストレスが溜まります。

自宅で、無理にシャワーをして事故という悪循環にならざるを得なくなってしまいます。

もちろん、発達障害等の一部の障害は、施設もありますが、慢性的に不足しており、入所するまでに、かなりの壁を乗り越えないと入所できません。

政府や厚労省の策は、障害者が何に困っているのかを知らずに、現実を何も見ていないままに方針を決めて実施しているものですね。

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