おはよう

開けたカーテンから朝日が差し込む、おかげで布団に付いたほこりがよく見える。

時計の針が数字の上で重なる事で私は時の流れを受け入れた。今は早朝、朝の6時である。

あと1時間もすればベッドの傍らに備え付けられた目覚まし時計がけたたましく鳴り響くのであろう、なぜなら昨日私がそういう風にセットしたのだから、なので止めておいた。

ついで私は尻尾が邪魔にならないように体位を仰向けから横向きに変えた。

そのまま体を起こし何回か瞬きをした。

頭頂部の耳を整え、頭が痒いのでかいていると、なかなかに派手な寝癖がついている事が分かった。これでは副隊長に相応しくないと思い、軽く直した。

完全に頭が据わった所で1度伸びをする。

その姿はさながら猫のようである。

私はドールですけど、


朝6時と言うと、ミーア先生や、マイルカちゃんは間違いなく起きているだろうし(というかマルイカちゃんずっと起きてる)、ハクトウワシさんも朝が早いイメージがある。ライオンさんはその対局というか、一日中寝ているというか、隊長さんはどうだろうか、存外誰よりも早く起きて、鍋で味噌汁をかき混ぜているのだろうか、そうだと嬉しい。

きもち尻尾が持ち上がる。

このまま部屋にいても何も始まらないのでドアノブを握って開けた。電気はついていないが、どこからかかぐわしい香りがする。朝食だろうか、だれかが食べているのか、またはその準備か、後者ならあわや味見くらいはさせてもらおうじゃないかと思い、その匂いに向かって歩き出す。


ドアを開けて広い空間に出てみればそのにいたのはやはり隊長さんであった。

本当に味噌汁をかき混ぜていた。

いやはや私も占い師になれるのでは無いだろうかとあろうことも無いことをおもいつつ

おもむろに声をかけた

「おはようございます!」

そしたら隊長さんも「おはよう」なんて

言ってくれて味見として味噌汁をひとくち頂いた。おいしかった。


それがあまりにも素敵だったので

二度寝は出来なかった

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