セーバルの頭ははぐるぐるまわる
ジャパリパークの
ドールのおうちはなんだか居心地がいいから
ところで最近はとりわけ太陽があつい、めらめらバーニングである。きっと太陽がセーバルを溶かして食べてしまおうとしているに違いない。
避暑地としてクーラーの効いているセントラルも悪くは無いが、あれは冷たすぎる。セーバルはまだカチコチこおりからのかき氷になりたくはない。
なのでセーバルは逃げるようにたんけんたいに遊びに行くと、いつもの
細い骨に包まれてその中に羽が4枚あって、首が伸びる。おまけに長い長いしっぽがあって、しっぽの先端を舐めると少し苦い。
たいちょーはそれを、
たいちょーが扇風機のしっぽの先端を掴んで壁に思い切り突き刺すと4枚の羽根がグルグルと回り始めた。
するとそこから風が吹いてきた。
おお、すずしい。
お前もなかなかやるではないか。
しばらく涼んでいて気づいたがこの扇風機の面白いところは話し掛けると声が変な感じになる事だ。言葉全部に゛を付けられる。
「あ゛〜か゛ら゛か゛る゛の゛
ま゛ん゛し゛ゅ゛う゛か゛お゛い゛し゛か゛っ゛た゛〜゛〜゛〜゛
て゛も゛と゛ひ゛き゛り゛お゛こ゛ら゛れ゛
た゛〜゛〜゛〜゛〜゛」
などと遊びながら
これを発明したヒトは天才ではなかろうか、
と、セーバルがと愉悦に浸っていると
「ぬぅ〜!ここ涼しいね!」
と真っ白でぬうぬう言うフレンズが隣に座ってきた。
だが1人でも2人でも涼しいのは変わりない。
「ぬぅ〜!」
と、白ぬうぬうと涼んでいると、今度は黒ぬうぬうがやって来て、
「あら、私も座っていい?」
と、聞いてきたので、
流れるようにセーバルはぬうぬうに挟まれてしまった。
セーバルは研究所でカラカルとオセロというゲームをやったことがあるから知っている。
このままではセーバルは新種の黄緑ぬうぬうになってしまう。
黄緑ぬうぬう…黄緑ぬうぬうになったらどうすれば良いのだろうか、そもそも赤ぬうぬうや青ぬうぬうはいるのだろうか…?
いやその前にキャラが被っている緑ぬうぬうをなんとかして蹴落とさなければならない、
いっその事PPPに対抗して48ぬう集めてぬうぬう48とか作るべきか…?
やはり力持ちの紫ぬうぬうや毒を持った白ぬうぬうを多く用意した方が何かと有利になるんじゃないか…?
扇風機の羽と同じくらいセーバルの頭をフル回転させて考えていると、今度は白と黒の2色ぬうぬうが通りかかった。
セーバルには、全てがぬうに見えていた。
「しろ…くろ…だと…!?」
「チャップマンシマウマちゃ〜ん!」
「あら、涼しそうね、ねえ私もご一緒していい?」
「え、ああ、うん、構わんよ」
「ありがと!じゃあよいしょっと」
そう言うと、白黒ぬうぬうは
私の後ろ少し右斜めに座り込んだ。
「あ〜涼しい〜!」
涼むチャップマンシマウマを片目にセーバルは思った。白黒ぬうってどういう気持ちで生きているのだろう…と、
白と黒のふたつの力を持っているから2倍パワーでさいきょーなのか…!?
なんてことをセーバルは考えていた。
「…ねえ、白黒ぬう」
「…えっ?私?」
(コクリ)と首を振る。
「アハハ、私チャップマンシマウマって言うのよ、よろしくね」
「チャップマン…シマウマ?」
「ええ、貴方は?」
「セーバル…今日はまだセーバル」
「今日はまだ?」
「これから黄緑に改名するよてい」
「なんで!?」
「ところでチャップマンシマウマはぬーじゃないの?」
「えっ………?違うわよ?」
「違う…ならセーバルもぬーじゃない?」
「……違うんじゃないかしら?」
「良かった…セーバルはセーバル
今日も明日もセーバルなのだ」
「??????????」
チャップマンシマウマはキョトンとした様子である、無理もない。
しかし、ぬうぬうでは無いと分かると安心した。少し涼もう。
フレンズが4人集まってぎゅうぎゅうになると少し暑いけど、それでも平気。
「あ゛あ゛、涼゛し゛い゛な゛あ゛」
セーバルはわざとらしく口にして、笑った。
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