思い出話に虫が付く
「でな!そのジャパリパークって所にはな!私もと同じくらいの美少女が沢山いたんだぞ!みんな耳が生えてて!シッポがあったんだ!」
ジャパリパークから2人が帰ってきてから、
2人の冒険記は島中の話題となった。
そんな中思い出話がしたくてしたくて堪らないドラコは人を探し飛び回った後、森の片隅で
「それでそれで……うーん…
シグ、聞いてる?」
木にハチミツを塗っている所を捕まえたこの人、水色の髪と真っ赤な左腕、オッドアイと頭のテントウムシが特徴の何処か可愛らしい少年、シグは聞いているのか聞いていないのか
「んあ、聞いてるよ」
話し相手はどこかうつろげであった。
いつも目を半分閉じて、話を聞いているのかも分からない。
そんなんじゃ、綺麗なオッドアイも台無しだわ!とドラコは思った。
「うーん…そうだ!シグと同じ目をしてるやつもいたぞ!」
話を切り替えるために話題を振る
「え」
シグはあからさまに興味を示した。瞳はピクリとも動かなかったが、ドラコにはわかる。
「そう!タイリクオオカミって言ってな!シグと同じ、赤の目と青の目だ!」
「同じ、目」
シグが問い質す。
「そう、同じ目だった!」
ドラコもそれに合わせて返す。
「ふーん………」
「あっ…あと!」
ドラコは思い返したように話を切り出した!
「あなたが頭に付けてるその虫!
てんとう虫!
パークでも見たぞ!」
「えっ?」
目が動いた。
先程とはあからさまに食い向きが違うのがわかる。
「探検隊っていう建物の看板に張り付いていたんだが…うーん…今シグが頭に乗っけてるのより少し小さかったな、小指で挟めるくらい!」
「…そーなのか」
「おうとも!」
シグはふむふむ、といった手合いであった。
「うーん………あっ、
くわがた」
シグが指さした木の幹に、大きなクワガタムシが止まっていた。
「げっとだぜ〜」
「ところでさ、いけるのかな」
「何処に?」
「じゃぱりぱーくに、いってみたい」
「うんうん!わたしもまた美少女コンテストやりたいな!」
「いや
ムシ、つかまえたい」
「あぁ…」
「行けるかな?」
「エコロが言うには不思議な力がなんとかすれば行けるらしいけど…難しい話は分かんないな!」
ドラコは快活に笑ってみせた。
「いけないのか、ざんねん」
シグは残念そうに頷いた。
「またいつか会えるよ!それまでぷよ勝負でもどう?」
なんだかんだでぷよ勝負、
こういうのがこの世界のお決まりだ。
「レッツ!」
「ぷよ勝負?」
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