2月8日(土)

日記をつけ始めて三日目。書きやすさの秘密に気づいてしまった。


いつも学校で使っているノートの紙は、白くてざらざらしている。それがふつうの紙で、書きやすさもふつう。だけどこの日記帳の紙は少し違って、なんだか少し黄ばんでいる。新しく買ったばかりなのに、おばあちゃん家の引き出しの中でずっと眠っていたみたいな色だ。店先に長いこと置かれていたのかもしれない。


さわってみると、つるつるしている。指がすべって気持ちがいい。ベルがひっかきたくなるのもわかる(わかるけど、それを許すか許さないかは別の話だ)。


鉛筆もすべる。するする動くから、すごく書きやすいのだ。紙の表面がつるつる、きっとこれが書きやすさの理由だ。どのくらいつるつるなんだろうか。ガラスぐらい? でも、鉛筆じゃガラスに文字を書けない。きっとガラスよりはつるつるじゃない。紙とガラスのあいだにちょうどいいつるつる度があるんだろうと思う。ちょうどいいつるつる、次の自由研究にしてみるといいかもしれない。


書くときに余計な力が入らないから、なんだか字が上手になった気もする。たくさん書いて、ふつうのノートでもきれいな字が書けるようになったら、先生にほめてもらえるかも。がんばろう。

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