遥か遠くの味がするよ

 

ヤマネくんは、山鼠だから空を飛べない。

なので、ももんがのももちゃんが、遠くに冒険に行くときはお留守番です。


木の下の地面には、凶暴な動物が狙っているのです。


そんなとき、ヤマネくんは、とても切ない目で、ももちゃんを見つめます。


だから遠くから帰ってきたももちゃんは、ヤマネくんに、お土産の木の実を上げました。


「僕には思いもよらない程、遥か遠くの大地と風の味がするよ」


とヤマネくんは大喜びです。


本当は、冒険に夢中でヤマネくんへのお土産を忘れて、山小屋のすぐそこの木の実を持ってきたのですが、ヤマネくんが「遥か遠く」と言うなら、きっとそうなのです。

そうです、一見アホそうに見えてもヤマネくんはとても賢いのです。


ももちゃんは、山小屋の近くで取った事など忘れて


「わたしって親友想いの良い子だね」


と、とても嬉しくなりました。



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