第0023話 宋襄の仁
"スカイブルー"か。神官の方もそうなのか……。
リビングテーブルを
俺の
そして、彼女の
ふたりとも、魂の色は "スカイブルー" であった。
レキシアデーレが
となると……不思議だ。
彼女たちが
彼女たちの
中央神殿を出て、
ある時から
神官見習いのレキシアデーレが、
だから、
しかし、この
つまりは、そうせざるを
後で必ず聞こう……。
ん? レキシアデーレの顔色が悪いぞ。
ひょっとして、もう
「レキシアデーレ、気分でも悪いのか?」
「いえ、大丈夫です。ちょっと疲れているだけです。
ご心配いただき、ありがとうございます」
「そうか……」
大丈夫だろうか? ちゃんと受け止められるのだろうか……父親の死を……?
「実は、こうしてお前さんに
とても
「はい。 それはどういったお話でしょうか?」
「いいかい、
「は…い……?」
「お前さんのお父さん、カルメデオ・ストリドムさんが
「!!!!!」
「おい! しっかりしろ!
レキシアデーレは気を失ってしまった。
神官のスリンディレの
やはり、ショックが大きすぎたか……。
神官、スリンディレは
スケさん、カクさん、ヘルガ に さゆり……。
みんなは
彼女の
…………
「大丈夫か? ショックだったよな」
「……」
彼女に父親の死を
「それで……父は…父は
「いや……お父さんは、お父さんが助けてやった盗賊に殺されてしまったんだ」
「そんな……お、お父さん……ううう…うわあーーーーん!」
レキシアデーレは
スケさん、カクさん、ヘルガにさゆり、神官のスリンディレも……みんな
ああ、アダージェットが
地球にいた頃、
マーラーの
今まさにこの曲が聴きたいと強く思う……。
◇◇◇◇◇◇◇
レキシアデーレが落ち着いてから、彼女の父親、"カルメデオ・ストリドム"の
彼女は
「……それでな、彼の
「……」
「恐らく、お父さんの
「……」
「だから、お前さんを
お父さんがしてきた
「……」
「その
どうだい? 俺の
「……ありがとうございます」
「そうかっ! よかった! お前さんはこうして旅をしているからな、ずっと心配していたんだよ。
俺の
ん? レキシアデーレと神官が
「ん? どうしたんだ? 何か俺はマズいことでも言ったか?」
「「いえいえ!」」
神官が
「実は……
「なんだ? 遠慮するな」
「はい。 実は……レキシアデーレが、
「何? ストーカーか?」
「すとーかー?」
「いや、いい、気にするな。 続けてくれ」
話によると……
彼女たちが
彼女たち
男はレキシアデーレに "
ラウロボルム町に彼女たちが
レキシアデーレには全くその気はなく、その
神官のスリンディレを
男は、レキシアデーレが
神官を殺してでも、レキシアデーレを"神官の
そして、行動はどんどんエスカレートしていく……。
レキシアデーレが神殿から宿舎へと戻るのを、
幸い、
ストーカー男は町の
クソ野郎だな……いずれ
外に出なくなった彼女の元には、毎日のように男から"プレゼント"が
男からのプレゼントは
ある時、中央神殿関係者の名前で送られてきた
『
といった内容が書かれていた。
手紙を読んだ彼女は、あまりのショックにその場で
これはマズいな……
こういったケースは殺人事件へとエスカレートすることがある。
地球では、こういったケースで、"
ついにはストーカーをされていた女性が殺されてしまった……ということが、何度かあったのを覚えている。
だがっ! この世界には俺がいるっ!
クソ野郎の
覚悟しておけや、クソ野郎!……と、俺は
このままでは、レキシアデーレの身が危険だと判断した神官は、視察を
ところが、なぜか次の視察先にも男は現れてレキシアデーレを
その次の視察先へ行っても同じだった。
中央神殿に提出していた行動スケジュールが、どういうわけか、男に
なるほど。
これで彼女たちが
「……その後、この町に来るまでは、大丈夫でした。
男は現れていませんが、このままでは心配で、それで、今回はよい
「なるほどな。分かった。俺に任せろ!
それじゃぁ、やっぱり、まずは俺の
さっきも言ったが、ランクS冒険者でも
「……あのう~」
「なんだい? レキシアデーレ」
「あのう~、
な、なるほど……そう思うわなぁ。 お
「大丈夫だ! ここにいるお姉さんたちは、ひとりを
「はい! よかったぁ~、安心しました! では、お願いします!」
父親の死を知って、まだ間もないのだけれど……
全力でサポートしてやるからな!
「おう! 分かった!
それじゃぁ、スリンディレ。 彼女に横になってもらう必要があるから、ちょっとそこを開けてくんねぇか?
「いえ」
スリンディレが立ち上がった。
今、俺たちの向かいのソファーにはレキシアデーレだけが横になっている。
もう今回で5回目か……。
俺のフィアンセたちと
「さぁ、準備はできた! ……さっき話したように、一瞬、意識が飛ぶからな。
でも安心しろ、
「はい」
「リブート!」
「……えっ? もう終わったんですか?
「おう! さっき説明したように、お前さんはめちゃめちゃ強くなってるからな。
「は、はいっ!」
ホント、俺も
◇◇◇◇◇◇◆
「どうする? スリンディレ。
俺たちの
「そうですね……その方がいいかも知れませんね」
「ああ。中央神殿の方も、お前さんたちの動きが読めねぇから
「はい。では、そうします。 お手数をおかけして申し訳ありません」
「なぁ~に、気にするな。
神都にいてもらった方が、俺も守りやすいからな。
「そうそう、スリンディレ。ありがとうな。
「いえ。私の
よし! 神都に帰ったら、もう一回バーベキューパーティーをやろう!
スリンディレも、レキシアデーレも、他の
◇◇◇◇◇◆◇
さぁ、今度は、いよいよヘルガの実家だ。 ヘルガの実家へは
レキシアデーレも俺たちに同行することになった。
父親の死を知ったばかりのレキシアデーレに、"
頭のいい彼女は、俺がそう考えていることまでをも
俺は彼女の勢いに
レキシアデーレの
当然である! こちらにはスケさんとカクさんがいるからな。
護衛の神殿騎士たちは俺が
それで、レキシアデーレの
スケさんとカクさん、それぞれに、ひとり
彼等4人で
彼等は
自分たちは
それに、レキシアデーレ自身も、あらゆる
彼等よりも
まぁ、それが
いずれにせよ、彼女が戦うことはまずないし、問題はないだろう。
◇◇◇◇◇◆◆
「父さん、母さん、ただいま帰りました」
「おお、ヘルガ! お帰り! どうしたんだい急に? …… はっ! 神様!」
ヘルガの母親が俺に気が付いて
「ああ、どうも。お
私はこの世の神をしております、シンと申します。
家の中から
ヘルガの母親が、
「ああ、みなさん、そんなことをなさらないで下さい。
立って下さい。私たちは
「おお、ヘルガ!
でも、まさか本当に神様のお
悪いけど、
「まぁ、お兄さんったら、失礼しちゃいますわね。ふふふ」
「みんな、
"…………!?"
みんなが俺の
すまないなぁ、こういうキャラだから
「あ、みんな!
こちらの方は "さゆり" さんといって、シンさんの助手をされている方。
そして、この方たちは、私と同じく、シンさんの"フィアンセ"のスケリフィさんとカークルージュさん。 二人は神殿騎士をされていますわ。
最後に、この子は今日から私たちの仲間になった、レキシアデーレさん。
この場にいる みんな がそれぞれ
「……というわけで、
「……大変ありがたいお話なのですが、お
「どうしてなんだ? やはりこの土地を離れたくはねぇのか?」
「はい。ここは
私たちが
それに……ここに住む人たちと離れて暮らしたくはないのです」
「人間関係かぁ、そればっかりはなぁ……。
空気の方は
「申し訳ありません。
「分かったよ。それなら仕方ねぇわなぁ……。
でも俺たちはいつでも
また気が変わったら、
「はい。 ありがとうございます」
残念だが、
ん? ヘルガがなんとも言えない複雑な表情をしているな。
「あのう……上様……」
「ん? プラティマ、どうした?」
「はい。 私と妹はお姉ちゃんと一緒に住んではダメでしょうか?」
「プラティマ! お前何を言っているの!?」
「お母さんは
プラティマの話では……
今、父親と母親は
近々、兄のヴィンセンツォが
14歳と15歳か……。
この世界では、男女ともに15歳から
ヘルガの判断に
「両親を
「そうですわね。 父と母がOKすれば、私は
「「お姉ちゃん、ありがとう!」」
「まだ礼を言うには早いわよ。 お父さんとお母さんをちゃんと
「「はい」」
今日、この
「ヘルガ、どうする? 今日はお前さんもここに残るか?」
「いえ、私は家族の決定を受け入れるだけですし、それに、ここに
「両親と
レキシアデーレが、ぽつりと
◇◇◇◇◆◇◇
ヘルガの家の前に、いつものテントを設置して、ヘルガの家族とみんなで、ティータイムを楽しんでいる。
ヘルガの両親が、
これだけのものが
だが、
ニセ
◇◇◇◇◆◇◆
ヘルガの家族とも親しくなれたし、楽しいティータイムだった。
……ん? 何やら外が
俺たちは急いでテントの外へ出る!
「火事だーーっ! 神殿が燃えているぞーーっ!
空にはモクモクと
俺たちは
「それじゃぁ、みんな! 神殿に転移する!
◇◇◇◇◆◆◇
神殿前広場に転移すると、まず俺はマップで、神殿内部に"取り残されている者"がいないかを確認した!
おっと! 4人いるな!
「転送! …… 浄化! 修復!」
ただちに、4人をこちらへと転送して、浄化と修復神術を
神官の "スリンディレ・クラルケ" たちがいない!?
彼女たちのことは
完全消火神術を
「完全消火!」
消火活動をしている者たちや、
目の前で
ひとりの男がふらふらと近づいてきた……
ん? レキシアデーレの護衛をしていた神殿騎士のひとりだ!
彼は
俺の
「浄化! 修復!」
「ん……んんん……」
神殿騎士の男の
男は意識を取り戻した。
「おい、何があった?」
「ソルヴェン・ケヴァインが、ソルヴェン・ケヴァインが、
レキシアデーレの護衛をしていた残りの3人は、神官を
ソルヴェン・ケヴァインは
『神官を
と、
この件を教えてくれた神殿騎士の男は、
再び意識を取り戻した彼は、俺の姿を見つけて、重傷であるにもかかわらず
「転送!」
直後、俺たちの前に神官、"スリンディレ・クラルケ" が転送されてきた!
彼女はロープで
「
自分の"
まぁ、
彼女を
以前、
馬ごと転送すると、
「それじゃぁ、俺はヤツらが
スケさん、カクさん、さゆり、後を頼んだぞ! …… 転移!」
俺は
ヤツらが
"
クソ野郎どもなんぞを、
さぁてと……クソ野郎どもを "ぶっ殺す" とするかっ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます