第0004話 腹ごしらえと身支度とラッキースケベ
「なんか
<<
>>はい、マスター。
レプリケーターという
それを使って食料を作り出すことが可能です。
「レプリケーターがあるのかっ!? この世界には!!」
突然大きな声を出したので、みんなびっくりしてこちらを見ている。
レプリケーターとは
でも、まさかスタート○ックに出てくる装置まであるとは……
トレッキーもどきの俺は思わず
「はい。レプリケーターは存在します。
ちなみに……我々が何かを作り出す際には、このレプリケーターの機能を利用しています」
シオリちゃんは
しかし、そうだったのか!
何の気なしに"服"や"テント"等を作っていたが、これは、レプリケーターの機能を利用していたのかぁ!
ん? ということは……亜空間倉庫からレプリケーターをわざわざ出さなくても、イメージするだけで食べ物を作り出せるのか?? 試してみるか……
ということで、
「
みんな、今出したテントの中に入ってくれ。 軽い食事を用意するから」
みんながテントに入ったのを確かめてから、念のために防御シールドを改めて張り直してから俺もテントの中に入った。
食べ物を作り出すのは初めてなので、ドキドキしながら、日本のコンビニで売っているような
シオリを
俺は各種サンドイッチの
「
みんなは俺に
残ったのは "ハムカツサンド&たまご" と "ツナサンド&ハムレタス" であった。
俺はおっかなびっくりハムカツサンドを食べてみた……うまい!
ちゃんと味も再現されていた。
俺が好きな
「シオリちゃん、なんでちゃんと俺の好きな味が再現できているのかが不思議なんだけど……?」
「はい。地球、特に日本を中心とした各種物品のデータが、レプリケーターにリンクさせてあるからです」
「それはありがたい! シオリちゃんが手配してくれたのか!?」
「はい。 シンさんが地球のものを
「シオリちゃん、お前さんはなんて
と、俺は
ん? シオリの顔が真っ赤っかだ?? マズい
神殿騎士ふたりと冒険者たち4人が
ゴブリンと戦ったり、魔物の
お
◇◇◇◇◇◇◇
……軽食ではあったが、全員が満足してくれたようだ。 よかった!
さてと、次は冒険者4人に加護を……
ん? 冒険者たちは
まぁ、そりゃそうかぁ~、色々あったもんなぁ……。
じゃぁ、まずは先に風呂に入ってもらってサッパリしてもらうか……。
「みんな聞いてくれ! すぐにベッドがある方のテントに移動してくれ!」
みんなを先にベッドのあるテントに移動させてから "
その後、みんながいるテントへと移動した俺は、テントの奥に
もちろん大浴場の中には旅館等で見かけるような
そうそう、ボディーソープやシャンプー、リンスも必要だな。
えーっと、次は……
バスタオルはたくさん用意した方が良さそうだな?
ん~……、
下着に服、装備の
どうせ新しく作るんなら、この後、ノルムの町に行くんだし、
シオリの意見を聞きながら
「えーと。 あの
テントの奥に新しくできた扉を指さしながら話を続ける。
「その扉のすぐ向こうは脱衣所になっていて……
そこには、全員分の新品の着替えが用意してある。
風呂から上がったら、各人用意してあるものに着替えて欲しい。
どれがだれの着替えかはちゃんと分かるようになっているから……」
冒険者の4人が顔を
「どうした? 何か問題でもあるか?
みんなと
みんなで相談して決めてくれ」
「いえ、その~……私たちも
「ああ、もちろんだとも!
冒険者たちは顔を
「あ、それから! 風呂から
お前さんたち4人にも他のみんなと同じように
「「「「 ……? 」」」」
「お前さんたちを俺の
攻撃神術や、治療神術も使えるようにしてやるつもりだ。
……あ、もちろん、
冒険者の女性たちは全員、なんかボーッとしているような感じだ。
「まぁ、
だから心の準備が必要ってほどのモンじゃねぇんだが……
お前さんたちにとっちゃぁ、悪い話じゃねぇと思うぜ」
彼女たちは
「「「「 ありがとうございますっ! 」」」」
みんな嬉しそうに
◇◇◇◇◇◇◆
今、このテントの中、ベッドがある部屋には俺ひとりしかいない。
シオリを
シオリは
この惑星の
じゃぁ、なんで俺はそこじゃなくて
……後でシオリに確認してみよう……。
今後の行動について
中から、神子たちのリーダー的存在のソリテアが"ふらふら"しながら出てくると、ドアから最も近いベッドに
彼女は身体に白いバスタオルを巻き……
頭にも髪を
目は何となくうつろだ? 顔は……赤い?
彼女の様子がおかしいな?
「大丈夫か?」
それがマズかった!
彼女は俺の声にびっくりしたのか、
が、その瞬間! 彼女は意識を失ってしまったのか、前方に
急に立ち上がったので
なんとか間に合って、彼女を
なんと! 彼女の体に巻かれていたバスタオルがはだけて美しい
彼女から離れ落ちるバスタオルを
あろう事か、彼女の左のお
これはマズいっ!!
今、ここに誰か入ってきたら、まず良からぬ
なんせ俺が
やっちまったっ!
当然、
彼女が
………………が、悲鳴は上がらなかった!?
俺にとっては
ふぅ~……。 俺は
彼女の
彼女を
作り出したタオルケットを彼女に掛けると、
多分、彼女は
彼女のステータスを確認しようとしたら、彼女が意識を取り戻す。
「おい! 大丈夫か!? ソリテア!」
「……あぁ上様? は、はい大丈夫です。
ちょっとお風呂に
ご
「いや俺が悪かった。
急に声を掛けたりして……驚かせちまったな。 申し訳ない」
「とんでもありません、私が悪いのです。
ソリテアはベッドに寝ながら話すことが俺に失礼になるとでも思ったのか……
そう言いながら無理矢理体を起こそうとした。 が、力が入らないようだ?
「ソリテア、無理するな! そのまま
「こんな格好で申し訳ありません。 どうか失礼をお許し下さい。
どうもまだ力が……」
彼女は横になったまま、
それが彼女の美しさをより
「あ、ああ、ありがとうございます」
あれっ? ついつい心の声が口から
まっ、本当のことだからいいっか! ははは……。
「でも私……この
この色のせいで小さい頃からずっといじめられて……。
ずっと髪を
そうか。 地球でも確か……赤い髪の女性が差別、
それこそ赤い髪の色こそが『魔女である証拠』だと決めつけられ、レディッシュの女性が
「つらい思いをしてきたんだな……」
本人ではどうすることもできないことに"いちゃもん"をつけて
ましてや、こんなに
いじめてきた
ったく、ホント、
「ソリテア! これからは
お前さんはすげぇ美人だ! ふるいつきたくなるくらいの美人だ!
その
神である俺が保証する! ……俺は大好きだぜ!」
自分の思ったままを口に出してしまった……。
死語も入っちゃったしな……俺は
「ばっちぐ~??? です・か? ……???」
「か、
と、とにかく美しさはこの俺が保証する! 今後お前さんに"いちゃもん"をつけるような奴がいたら俺に必ず言いな! 俺がそいつをボコボコにしてやるから!!」
彼女、ソリテアは
しかし……そんな
彼女の
な~んか俺が彼女の髪のことについて口を開けば開くほど、ドツボにはまっていく気がするので、話題を変えることにした。
「そういえば、ソリテアはなんで神子になったんだ?」
「私の生まれ育った家は
うっ、これもかなり重い話だな……。
「私は子供の頃から初級治癒神術が使えたのですが、そのことを知った神官様が私を神子候補として引き取って下さり、母親代わりになって、私を育てて下さいました」
「ほう? 小さい頃から治癒神術が使えたのか? そいつはすげぇな!」
「はい、私は運が良かったのです。
農家の
「そういうものなのか……」
この世界では
当然、合法的職業に
ただどんな理由であっても、
ましてや
やはり
科学技術の発展で、
ただ、たとえなんとかできるにしても、俺が手を出したらきっと、ヒューマノイドへの
くそっ! どうしたものかなぁ。
いい案が全く浮かばない……
「ところで、どうやって俺の
神官による多数決か何かか?」
「……?」
ソリテアは
「
ん? 神託?
「后候補を選出せよとのご神託でしたが……
各神殿では、神託を受けた者こそがシオリ様から直接指名されたものと判断すべきであると考えて、他の候補を検討することもなく、
そうかっ! 選択せよ と言いつつも、実はシオリが決めていたのかぁ!?
それで、ソリテアは『なんでそっちが決めてきたことなのに。妙だなぁ?』というような表情をしていたのかぁ!?
「いやなに。 なんでそんなことを今さら聞くんだと思ったかも知んねぇがな。
人選は全部シオリに丸投げしていたんだが……
候補者全員がすごい美人な上に魂の善良さにおいても
でも、そんな風に
「ところでソリテア。
お前さんもみんなも無理矢理に俺なんかの嫁候補にされたんじゃ
嫌ならハッキリ
断ったって怒ったりしねぇから。 どうだい?」
「
私では
「いやいやなんでそうなる?? そんなわけないだろう!!
お前さんほどの女性に好かれて嬉しく思わない男なんているわけないだろ!?
そうじゃなくてぇ~、お前さんは俺なんかじゃ嫌じゃないのかってこと」
ソリテアは複雑な表情を浮かべている。
「俺はお前さんには他に好きな男がいるんじゃないのかと心配しているんだよ。
好きでもない男の妻になることほど苦痛で、不幸なことはないからな!」
「申し訳ありません。 上様のお言葉を誤解してしまいました。
上様が私のことをお
そうしたら悲しくなってしまって冷静ではいられなくて……」
彼女は目に涙を浮かべながら
「ご安心下さい。 シオリ様からのご
ここにいる神子たちは、みんな、上様の后候補に選ばれたことを喜んでいる者たちばかりです」
「その決断が、本当にお前さんたちの意思によるものなのか?
押しつけられた価値観に基づいた判断じゃねぇのか?」
「大変申し訳ありませんが……
私には上様が
私たちは……いえ、少なくとも私は上様のお后になれるのでしたら、それは私にとって最高の幸せです。 誰かに押しつけられたなんてとんでもありません」
「それなんだが……
『俺の后になることが最高の幸せ』なんだと神殿で、ずっと誰かに言われ続けたんじゃないのか? そう思うようにすり込まれたんじゃないのか?」
「上様……そ、それはあんまりですわ。
わ、私の愛を信じていただけないのですか?
人に『上様を愛している』と信じ込まされているだなんて!?
愛が……私の愛が、そんな
と、とても悲しいです……」
彼女はベッドの上で
タオルケットに
地球時代、新興宗教にかぶれて、教祖のハーレムメンバーにされてしまった女性を知っている。
その女性は、友人や家族の説得にも全く耳を貸さず……
はたから見れば明らかに
彼女を
常識的思考と
一流と称される大学の理学部を良い成績で卒業したその女性は、まさにリケジョを絵に描いたような人物で、
であるがゆえに、俺は当初彼女が宗教にかぶれたなんて全く信じられなかった。
目の前の女性、ソリテアや他の
俺自身を
だが、作られた価値観によって生み出された感情であっても、それ以外の価値観を持たない今の彼女にとっては、
その彼女の気持ちを否定してしまった。
彼女の
根本的な価値観の
どんなに議論しようとも、ユークリッド空間における平行線のように、どこまで行っても交わることはない……。
俺は自身の
まずは彼女たちの考えを認めて、その後、彼女たちには
「ソリテア、お前さんの
どうか許してくれ。
お前さんに心底から愛してもらえるなんて俺は幸せ者だよ。
本当に本心からそう思っている」
ソリテアは向こうを向いたままだ。 身動きひとつしない?
「そして、俺はお前さんのことを本当に大切に思っている。
幸せになって欲しいんだ。 それは絶対に間違いねぇ!
だからこそあんな言い方をしちまったんだよ」
ソリテアの肩がピクッと動く……
「でも俺はどうかしていたよ……。
彼女はおもむろにこちら側へ横向きになる。
目に涙をいっぱい
タオルケットがゆるみ彼女の
彼女の胸からのすごい引力を感じながらも、必死に視線を
「あーそれで、なんだなぁ。俺の嫁さんとして選ばれなかったらどうなるんだ?」
「あ、はい、あくまでも私の推測ですが……
今までの生活に戻る……というわけにはいかないと思います。
上様に選ばれなかったということは
最悪の場合は、神殿を
ソリテアの表情が曇る。 目には涙が?
「……私の愛が上様に拒絶されたらと思いますと……
ああ、どうすれば良いのか……私はもう生きてはいられません……ああ……」
彼女は神殿からの追放よりも、俺に愛されないことの方がつらいと言う。
「わ、分かった! 嫁になることを望むみんなを俺は嫁にすることにした!
だから、悪ぃけどなソリテア。 中央神殿に着くまでに……でいいから、みんなの本心をなんとか聞き出しておいてくれねぇだろうか?
俺の前じゃみんな本心を言えねぇかも知れんしな……」
「はい。分かりました。 あのう……
わ、私は
「お、おぅっ! ありがとう! うれしいよ、ソリテア!
お前さんだけが頼りだ! みんなの心の声をしっかり聞いてきてくれよ!?」
「はい!」
「あ、そうだ……たとえ俺の嫁さんになりたくねぇ場合でも、その子たちがちゃんと
「はい。 そう伝えて本心を
彼女たちがどのような選択をするにせよ……
彼女たちには、色々な世界を見せて、多様な価値観に触れる機会を作ってやろうと俺はもう一度、強く心に
◇◇◇◇◇◆◇
みんな風呂から上がって来たようだ。
ソリテアは体を起こして、タオルケットを体に巻き付けると、ゆっくりと脱衣所のドアへと向かった。
顔色はだいぶ良くなったように見える。
目にもしっかりとした輝きが戻っている。
「もう大丈夫か?」
「はい、ありがとうございます。 ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。
私も
そういうと彼女は脱衣所のドアの向こうへと消えた。
その様子を見ながら俺は、常識とはなんだろうとふと考える。
常識とは
いや、同じ人でも心の持ち方ひとつで常識も形を変えてしまうだろう……。
常識ほど
みんなはそんなものに
今の彼女たちが、俺の
他人に
◇◇◇◇◇◆◆
ソリテアが脱衣所へ入ってからどうだろう……30分くらいは
女性たちがみんな、ベッドがあるこの部屋に入ってきた。
そして今、各人は思い思いに
シオリはまだ戻っていない。
「ちょっと神子のみんな! 聞いてくれ!」
みんなが一斉にこちらを見る。
「お前さんたちは今、俺のことを "神様" とか "
これからは、"シン" って呼んでくれねぇかなぁ?
どうも "神様" だの "上様" だのと呼ばれると体がムズムズしちまうんだよ。
そうお願いしたのだが……
さすがに "シン" と
みんなは
さて次は……そうそう! 冒険者4人を
俺は冒険者、
その結果、彼女たちは全員が
これでこの子たちも、ひとまずは安心だな。
そう考えているとシオリが
お!? な~んか、
向こうで風呂にでも入ってきたのかな?
「おぅ! シオリちゃん、お
「はい。なんとか……お風呂に入ってきましたので少々遅くなってしまいました。
申し訳ありません」
「いやいや、そんなことは気にするな」
そういえば
「あのさぁ、シオリちゃん。 ちょっと聞きてぇんだが……
俺はなぜ宇宙ステーションの中じゃなくて、草原のど
「はい……どうか
「ん? 聞いてみないと分からんが、笑わないようには努力する」
「シンさんが
ほう? そうだったのか?
「それで、うえさぁ…し、シンさんはいつも、
『あそこでさぁ、"ボーッ" と
な~んか、
と、
シオリはついつい
そう簡単には呼び方は変えられないもんなぁ。
「へぇ~、そうだったのか……」
「はい。 それで……笑わないで下さいね?
非科学的なんですが……
シンさんが記憶を無くされたと聞き、あの場所でお目覚めになればひょっとすると過去の記憶を取り戻されるんじゃないかと……
「なるほどな、ダメ元で試してくれたんだな?
ありがとうな! 嬉しいよ、その気持ちが……」
「いえいえ、
地球から戻されたシンさんの
……が……やはりダメでした。 残念です」
「ありがとう……シオリちゃんは本当に優しい子だなぁ。
俺を
「……いえ」
シオリは
シオリはクールなイメージの
普通にしていると、非常に
そう! ともすると
ああ、こんな子と
美女を
その
なのに、
俺が
ホント、
まぁ、俺には
あれ? なんだぁ? シオリが真っ赤になって、もじもじしている??
「あ゛! またやってしまった! いつの間にか俺は
知らず知らず、心の声がこぼれ落ちてしまっていた!?
ま、まぁ……いいっかぁ~、全部ホントのことだしな! あはは・は・はぁ。
シオリちゃん、なんか…ごめん」
「……」
俺は
あまりの気まずさに
「みんなぁ~、聞いてくれ! そろそろノルムに行こうと思う!
みんなで
もし何か荷物があるのだったら、俺が
俺のところまで持ってきてくれ!
◇◇◇◇◆◇◇
みんなの準備が整ったみたいなので、このベッドルーム&
テントを
今回は俺自身も転移しなくてはならないので、転送の際には、
周辺には生命体反応は全くない。 今ならシールドを解除しても大丈夫そうだ。
「さぁ、それじゃぁノルムに行くとするか? みんな俺の
みんなが俺に
シールドを解除していざ転送!……と思ったときに、誰かが俺の首に
「ちょ、ちょっとすまん。 くっ、苦しいんで、首には
「……す、すみませ~ん……」
ゆっくりとした話し方が
この子の名前は、なんか知っているような気がするんだがなぁ……
地球時代の
……とそんなことを
誰だ……と言いかけたときには、もうふたりの
ほんの
「くそっ!!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます