第14話 魔法大学の夜宴(サバト)


 ペール・ギュント&ジュリアン 魔法大学は、これは言うまでもなく国王夫妻の名前からの命名ですが、今、学園祭のたけなわの季節でした。


 昼には、美人コンテスト、様々な露店、各サークルの研究発表、催し物、来賓の講演、演劇、映画、その他のパフォーマンスも開催されたのです。割とありきたりかな?しかし、人間界とファンタージエンは基本的に相似形なので、そうして、才の乏しい作者のイマジネーションにも限界がありました。w



 今年の呼び物は、魔法大学らしく、或いは魔法使いならではの矜持を辛うじて保つ?というのか、全く新しい、「創作魔法」の凄さを競い合うという、「第一回・マジックコンペティション」でした。


 大学一の秀才で、伝説の大魔道士のパンゲアの血を引いていて、そのリィンカーネーションではないかといわれている、ウロボーロス・エリオットという金髪碧眼の、エルフの貴族階級出身の美丈夫が、総合プロデューサーとして、企画や構成、シナリオその他の創案や音頭とりをしていました。


 言わば、彼・エリオットは「マジコン・ONE」という名の新しい壮麗な交響曲のコンポーザーで、尚且つそれを演奏する大オーケストラの指揮者なのでした。魔法理念の高邁さや実践面においても、不世出の天才の彼が一体、自らはどんな新魔法を通称「マジコン・ONE」に「出品」するのかは全国民の注視の的だったのです。


…それはともあれ、学園祭のお祭り気分は夜になっても引き続き、大変な喧騒、騒擾、お祭り騒ぎが大学構内を揺るがせていました。


 酔っ払った学生や教授、物見高い野次馬、ほとんど秩序のない群衆のごとき行動原理で入り乱れている集団が、「オレらは魔法使いだ!夜には魔女狩りの意趣返しのサバトをやろうじゃないか!」と言い出した。


 「サバトか!そりゃあ、Good idea だ!魔法使いのわれわれにはそういう歴史上のトラウマがある!そこはだから、魔法の哲学的なデートルのレーゾンとしての運命的な一般社会との蹉跌や確執によるもので!…それはスケープゴートというものの哲学的究極的な運命と存在に纏わる秘教的なシャーマニズムの根源であって!…」

 「まあまあ、こいつ酔っ払ってて呂律が回ってないし支離滅裂だな」


大学学長の大賢者ウラジミール・オモテワデ をはじめ、ファンタージエンきっての魔法の理論家や碩学から、現役の俊英魔道士、ヤクザなゴロツキ降魔術師、メイジオーク、メイジキメラ、見習いの使い魔に至るまで、このオージー、P&J魔法大学大学園祭の夜の乱痴気騒ぎには、魔法を操るあらゆる妖精や魔物、怪物変化の類が勢揃いしていて、まるでハロウィンの仰々しすぎる仮装パーティーでした。


「サバトていうのはつまり、いけにえを捧げればいいんだっけ?」

「処女だな。美女の…色っぽい…滴るような匂い立つようなべっぴんさんに魔法をかけて…」

「フヒヒヒ。たまらんな」

「後はよく知らん。それもイメージだけやし」

「なあんだ」


「おれはサバトの歴史に詳しいぞ!おやじが司祭で、本当のサバトに紛れ込んだこともあるぜ!



昼間の美人コンテストで優勝したのは、ブラックエルフの、200と16才の、若鮎のようにピチピチした、愛らしい乙女で、名前はイルマといいました。


しかし、黒魔法の使い手で、邪悪な魔物の討伐などの国家ミッションでは義勇兵として参加する女丈夫でした。あどけない印象とうらはらに闘いの場面では鬼のように強く素早くなりパーティーの心強い守護神的な存在になる、超絶魔力のキャリアでした。で、連戦連勝なので経験値をバカ稼ぎしていて、うら若い少女ながらもう「マジックマスター」という称号を賦与されてもいたのです。


サバトには乙女のサクリファイスがつきもの…ただ学園祭の余興なのでイルマを本当に生け贄にするつもりではなくて、儀式の迫真性を高めるためのお飾りとして、巫女の扮装で列席願ったのです。


サバトに詳しい老エルフの指揮下、
















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