第6話 Service Cut
王国随一の美少女にして、卓越した文才、魔術の才でその令名が大陸中に轟いてるリトル・プリンセス。
クレープは、しかしまだ清らかな乙女で、どんな恋物語を書いていても、大半は妄想、幻想、イマジネーションの産物に過ぎなかったのです。
未踏の処女峰には、男の影すら無く、一体誰がその一番乗りの栄誉に浴するのかが王国の巷の話題になっていたのです。
「あああ。長いことコンを詰めたから首やら肩やらがガチガチ。どれ、わらわはお風呂に入って湯浴み、弛緩の儀?とまいろうか。フフッ」
シャレでよく使うお姫様言葉を呟いてクレープは宮廷の奥まった一角にある大浴場に向かった。
豪奢極まりない造りの、通称「ダイヤの泉」の宝石風呂には、あらゆる設備が整っていました。
サウナ、泡風呂、香水風呂、…魔法石でキラキラ輝く、カトレアや水仙や薔薇の花びらを敷き詰めた夢のようなバスタブもありました。
纏っていた「聖賢のローブ」をスルスルと脱ぎ捨てると、ニンフェットそのもののたおやかなシルエットが、ほの白く浮かび上がりました。
「この間から蜂蜜のお酒にハマってたから、ちょっとプニプニしてきたかな?」白磁のようなお腹を、白魚のような指が摘みました。
薄い下着をすっかり剥いでしまうと、光沢を帯びた全身のニュアンスは、「天使の降臨」のイコン、そのものになりました。
スラッとした伸びやかな四肢や、蠱惑的なピンクのサクランボ、引き締まった小高い腰のライン、そうして、アルビノかと疑われたほどの雪白な素肌…クレープは、さながら「美の化身」、愛の妖精、ミューズの寵愛を受ける芸術の申し子、そういう趣の少女なのでした。
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