第2話 嬉しい報告(2話から読んでもok)

 「結婚することになりました☆ 幸せいっぱいです!結婚式来てね〜」

社会人になった私にもこんな嬉しいニュースが舞い込んでくる日もあります。このメールの差出人は高校からの大親友、雫(しずく)です! すぐにおめでとうと返信し、喜びと不安が同時に押し寄せてきました。仲良しの雫の結婚をすごく喜ぶ私がいる反面、このまま拗らせ続けたら一生独り身なのでは!? という不安に潰されそうな私もいるのです。

「婚活しようかな。」と呟き、ネットの婚活サイトを見ていると、私の教育担当をしてくださっている佐山さんがやってきました。

「何、婚活? 早くない? あ、これセクハラになるか…」

「大丈夫です。友達が結婚して結婚したいなぁって考えてました」

まぁ嘘ではないし。それなりの理由を言って誤魔化した。自分の心も。

「まだ若いんだし、焦ることじゃないよ。それよりも仕事に集中してほしいなぁ」

「すみません!」と謝りつつ、焦ることじゃないという言葉に救われた気がした。


 「しずく〜、おめでとう!!」2人の休みが重なった今日は、結婚のお祝いご飯です。

「はる〜! ありがとう!! やまちゃんとのこといっぱい相談乗ってくれたはるには最初に伝えたかったのぉ〜」

雫とは高校の時に出会った。入学当初の席が隣同士というありきたりな出会いから仲良くなり、今では一番の大親友だ。雫の彼氏、いや旦那さんは通称“やまちゃん”で、彼も高校からの友人だった。

「あの公開告白からもう5年も経ったかぁ」

「うわぁ懐かしい! やまちゃんが学祭ガチ勢になってたからテンションあがってみんなの前で私に告白しちゃったやつ! あの時はこの人バカなのかと思ったなぁ」

「いや、私はやまちゃんの告白よりそれをみんなの前で思い切りフるあんたの心の強さに驚いたわ」

「だって、公開告白とか私めっちゃ嫌いなタイプなんだもん、むりぃ〜」

そうです。高校3年やまちゃんこと山下文典(ふみのり)くんは、一世一代の公開告白をし、学祭を全力で盛り上げた後にしっかりフラれています。

「まぁ好きだったから、それくらいで本当に付き合いたくなくなった訳じゃないけどね。学祭終わりに遅くまで片付け手伝ってフったくせに一緒に帰らせるっていう偉業成し遂げたなぁ〜。帰り道で告白OKし直したから許してくれたけどね」

高校から5年も続いて結婚までたどり着いた2人が羨ましくもありつつ、2人の絆を尊敬してたりもする。そんな2人の結婚はやっぱい嬉しすぎる! 思い出話に花を咲かせつつ私達の結婚おめでとう会は終了した。よし、絶対結婚式の日休み取ろう、休日出勤反対!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る