その日、太陽のもとで何が在ったか?(6)幸せそうだった

 ……綾音ちゃん、あんまり驚かないんだね。ああ、うん。いいんだ、べつに、驚いてほしくて言ったわけでもない。僕たちの目的はびっくり箱ではなくて、弘仁のやったことがコロ殺しとして妥当であるかどうかを綾音ちゃんに判断してもらうことだから……。


 ……コロ、とか言って。ペット、とか言って。

 そんだったら犬だと思うだろう、……しかもあの子完全にイカれてたな。自分が犬だと完全に思い込んでやがる。

 どんだけの仕打ちだったんだろうな。あそこまで、洗脳させるっつうのはなあ……。

 ……近い、のは、ペットプレイとかいうやつだろ。SM系の変態がよくやってる。犬として扱ったりとか扱われたりしたりとかして、悦んでる、――ハッ、俺にはまったく理解できんがね。


 まあ、まあまあ。好みはひとそれぞれでしょ。


 多様性、ってことですかい、……俺はあんなきんもちのわるいことするやつらは滅んじまっていいと思うがな。

 それにあの子だって――イカれちまってたじゃねえか。


 けど、幸せそうだった。


 ああ。けど、それは俺らがあの子が幸せだと決めていいことには、ならんだろうがよ。

 ……そう。そんでな。そこにいたのは黒髪長髪の美人な、女の子でな、つっても綾音ちゃんとおなじくらいの女の子で、



 ……首輪をつけられているところを、見せられたんだよ、……ああ、グッロッ。

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