第16話

「そーかそーか!」

やけに満足げだ。いったい何があった……?

「そぅだよなぁ。それでこそ、健康な高校生男子だ!」

うーむ、嫌な予感。

「先生、何か勘違いしてません…?」

「あぁ?勘違いも何も。お前が今自分で言ったんじゃねぇか。『結衣ユイちゃんのことが大好きです。』ってよぉ!」

「断じて言ってねー!!」

しまった。適当に肯定してたら思わぬ落とし穴が!先生はニヤニヤとやらしく笑う。

「いやー、お前が結衣をなぁ。意外っちゃ意外だったけど、ま、思春期の雄なんてそんなもんか。消しゴム拾われただけで恋に落ちる年頃だわぁな。」

「断じて言ってねー!!(2回目)」

そりゃちょっとは、可愛いな、優しいなとは思ったけども!圧倒的に僕って優しさに飢えてるの!分かる!?それこそ貴方に負うところも大きい訳で。そもそも先生だって…。

「…先生だって、なんですか。その『結衣』って呼び方。馴れ馴れしいにも程がありませんか?僕たち男子のことは苗字で呼ぶのに。」

せめてもの反撃を繰り出す。

「俺ぁだって、結衣の伯父だもん。」

まじ、スか…。

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