第8話

安岡先生はやや驚いた顔を見せたが、直ぐ、にやりと笑って

「お前のいう部活動って、あの『ミステリー研究部』ことだよなぁ?あれは顧問も付いていない非公認同好会じゃねぇか。部員?もお前と鈴木の2人だけだろうし。俺なら直ぐにぶっ潰せんだからな。くひひ。」

部活だなんてただの口実だし、ミステリー研究部ミス研だって鈴木に無理やり付き合わされているようなものなのだから、活動停止処分?を受けても僕にはあまり痛手はない。しかし、それはちょっと鈴木に悪い気がするし、何より『部活』は口実として使えなそうであることが分かったので、早急に代案を考えねば。

「先生!今まで忘れていたのですが今日ちょっと家の用事で早く帰らないといけなかったんですよねえ。すみません、僕帰りますね!」

家に帰ってから一悶着ありそうなのは本当だ。ただの予感だけど、人一倍ツイテない僕の予感はよく当たるし…。兎に角今日はもう帰りたい。よし、これでダメなら最終手段仮病を使おう。

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