第3話
柄にもなく、怒りに任せて取り乱しててしまった…。ふむ、どれどれ…【予告状】の画像が紙面を大きく占め、警察の声明を控えめに取り上げ、下部には彼(または彼女)の犯行の中で特に困難だったとされている幾つかの事件のあらましが過激な表現で紹介されている。なーんか、鈴木のやつが喜びそうな書き口だなー。記者さん、エンタメと勘違いしてないかな?
「……なか、田中。おい、聞いているのか?」
「は、はい!」
「教科書の続きを音読しろ」
「はい!」
っと返事はしたものの、いったいどこを読めば……。ちらりと左隣に座る鈴木を見る。ツンと立った茶髪に似合わない真面目な顔でノートの上にペンを滑らす。あたかも授業に集中していて僕の救難信号には気が付いていないかのように見える。だが、僕には分かる、こいつ今笑い堪えているな。嗚呼、孤立無援の僕……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます