31.魔物の前に対峙したミクちゃんはステッキを振るう。
僕から魔力供給を受けたミクちゃんのステッキから電光をバリバリ発射された。
電光に触れた奴らは、次々爆発四散する・・・が、奴らの数は膨大で、ミクちゃんが勢い付いた位じゃ、まだまだ僕達は劣勢だ。
「ほら、ボヤボヤしないですっ!次、梓の魔力供給の番ですっ」
バンっと女神ちゃんに背中を叩かれ、梓ちゃんとの魔力供給を促される。
目の前には梓ちゃんが居る。傷つき、ボロボロで、しかし、潤んだ目で僕を見て、求めている。
「救世主・・・様・・・ごめんなさい、魔力・・・供給・・・して欲しいです。ごめんなさい・・・」
うるうると目を湿らせている梓ちゃんは、その目の弱々しさとさ裏腹に、がっちりと小さな手で僕を掴む。・・・まるで逃がさないと言わんばかりに。
「あ、ああ、分かったよ、梓ちゃん、僕は逃げないから、魔力供給するよ・・・」
「はい、有難うございます・・・。あの、救世主様は、私に身を任せていて下さい。後は私でしますから・・・」
そう言って梓ちゃんは、僕にキスをしてきた。
僕はそのまま目を瞑り、梓ちゃんにその身を委ねた・・・。
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「有難うございます。全身に救世主様が感じられて、力がみなぎります・・・」
ミクちゃん同様に梓ちゃんとの魔力供給も数分程度で終わった。
魔力供給の間、瞼の外側で、梓ちゃんの体温と感触でいっぱいだった・・・。
「では、行って来ます、救世主様っ」
そう言って、梓ちゃんも僕の頬にキスをして、魔物の集団の中に突入しに行った。
梓ちゃんがステッキを振るうと数々の水柱が噴射し、魔物達をぶっ飛ばしていく。
梓ちゃんの戦線復帰により、奴らは僕達を攻めあぐねていた。しかし、まだ僕らが劣勢なのは変わりない。
「救世主様ぁ~・・・、もうそろそろ私も魔力供給してよ~・・・」
フラフラと僕に歩み寄る人影、それは菜の野葉ちゃんだった。
「ばたんきゅー・・・」
菜野葉ちゃんは、僕の腕の中に倒れ込む。
その体は、ミクちゃんや梓ちゃんより、ボロボロで傷も深刻だった。正直、見ていられない程に。
「菜野葉ちゃん・・・、頑張ったな・・・傷、本当に大丈夫か?」
そんな健気な菜野葉ちゃんを見て、僕は思わず、頭を撫でた。
「救世主様・・・えっひひひぃ♪」
頭を撫でられた菜野葉ちゃんは子供の様に微笑む。
「大丈夫、私達は救世主様の魔力さえあれば、傷なんて、治るから・・・」
菜野葉ちゃんは傷口を恥ずかしそうに手で隠して
「だから・・・、魔力供給、よろしくね?救世主様」
そう言って、僕に口づけをした。
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