力への意志? 自然淘汰? 実存主義? 読みながらいろんなワードが浮かんで来ました。他者とのコミュニケーションが希薄になっている現代社会は、共存して生きている事に気がつけずに偏った依存をしてしまう。その中に何か怪物のようなものが蠢いているのを想像して、怖くなりました。考えさせられる、興味深い内容でした。
この作品は「どうして自分は変わらないのか、変われないのか」と悩む人たちへの答えとなっている。結論として「変わる時代に人々は適応しているから」だ。その証拠として、『黒歴史』という言葉がある。例えば物語を書いた当時は「傑作だ」と思っても、時間を経て振り返ると「なんと恥ずかしい作品を書いてしまったのだろう」と頬を赤くして恥ずかしくなる。それが時代に流れて変わる人ということだと私は考える。「時代に流されること」を怖がらず、前へ進むことも大事だと思わされた作品だった。