カンフー刑事アデー 原案
世界一危険なアメリカ、デトロイトの街に今日もカラテシャウトが軽快に響き渡る。薄暗い路地裏で女性のハンドバッグをひったくろうとした不届きものに正義のシャドースネーク拳をお見舞いしたこの最高にクールな
「いやー、今日は朝から雨で参っちゃうよね。でもね、アフリカでは雨が降るとみんな傘を差さずに外に出かけるんだ。なんでかって?シャワーの水を節約できるからだよ!だから僕もこうしてびしょ濡れになっちゃってるってわけ、別に暴動に参加してきたわけじゃないよ。」
ダンキンドーナツのLサイズコーヒー片手に鉄板アフリカンジョークを飛ばすアデーに一人の男が神妙な面持ちで話しかけに行った。
「なぁ、アデー、アフリカの水不足はそんなにも深刻なのかい?大変なことじゃないか、今すぐ父さんに電話してアフリカにたくさん井戸を掘ってもらうように日本の自衛隊に要請してもらわないと!」
「なぁ、ブラザー、お前アフリカ人がまだそんな紀元前みたいな生活してるって本気で思ってんのか?今のはジョークだ!ジョーク、アフリカンジョーク、面白かっただろ?ほら、周りを見てみろ、ジョンソンもジャクソンもキャサリンも清掃員のタコス野郎もみんな笑ってるだろ?ああ、ごめんな、お前の名前はタコスじゃなくてホルヘな、わかってるからとっとと仕事に戻れタコス野郎!それでだなブラザー、お前ももう大学を卒業してもう三年も経つんだ。」
「大学じゃなくて大学院だ。イエール大学法科大学院首席で修了だ。卒業じゃない、修了だ。」
「わかったブラザー、俺が悪かったよ、それでだな」
いかにも頭の固そうなこの男がアデーのバディ、コーネルである。米軍の司令官を父に持ち、生まれたときから英才教育を施されたフェミニストの菜食主義者で、週末には環境活動家としてデトロイトの子供たちの未来のために活動している。
アデーがコーネルに痺れを切らして
「まぁ、まぁ、コーネルも以前よりはずいぶんとジョークがわかるようになったじゃないか。辛抱強く教えていけばそのうちみんなと同じくらいジョークがわかるようになるさ。」
「署長!そんなこと言ったってもう三年ですよ三年!三年あったらバナナだって実をつけるってのにこいつは!」
アデーのジョークを真に受けたコーネルとアデーの仲裁を署長がする。この光景は殺伐としたデトロイト警察署の朝の数少ない癒しとなっている。
今日も和やかに始まったデトロイト市警の朝を緊急通報のサイレンがつんざいた。
『デトロイト北東のマンションで遺体発見との通報あり。アデーとコーネルは至急現場に向かえ。』
法定速度ギリギリを攻めたドライビングで現場までかっ飛ばしてきた二人のデカは現場を見るなり落胆した。ここ最近立て続けに起こっている猟奇殺人事件と同一犯であると一目見てわかった。体の一部が欠損している遺体、壁に描かれた謎の紋様、そして現場に残る強烈な異臭。これで五件目である。他にも、犯人の証拠になるような指紋などが一切残っていない、誰も怪しい人物を目撃していない、金品は一切持ち去られていないといったところも共通している。いつまでも現場にいたところで新しい情報は得られない。アデーとコーネルは現場をざっと一回りしてから最低限の確認だけ現場の警官たちと済ませてとっとと署に戻ることにした。
アデーのオフィスには一連の殺人事件の情報がまとめられている。一人目の被害者は南北戦争時代から続く白人の名家の息子、デトロイト南部の倉庫内で胴体が欠損した状態で発見された。二人目はハーバード大学大学院に通う青年、実家に帰省していた間にデトロイト西部で殺害されていた。彼は左腕が欠損した状態で発見された。三人目は世界的なフェミニスト、デトロイト東部で右腕がない状態で発見された。四人目が新進気鋭のビーガン活動家、デトロイト北西で左足がない状態で発見。そして今回の五人目、熱心な環境活動家がデトロイト北東で右足が欠損。
地図上で現場をつなぐと見事な五芒星を描く。そして五芒星の各頂点に対応するように持ち去られた体の一部。現場に残された謎の模様も併せてどう考えても儀式的な意図があるように思える。しかし、彼らの目的は一体何なのであろうか。この儀式により何をなそうとしているのか。最終的な儀式の完成には何が必要なのか。アデーのもとには犯人に迫るために必要な情報が圧倒的に不足していた。
また誰かが殺されるのか、あるいは儀式が完成するのか。いずれにせよデトロイトの平和のために防がなければならない危機が迫っていることは明白であった。アデーは焦っていた。
数日の間、一連の事件と同一犯と思われる事件は起こらなかったものの、捜査も一向に進展しなかった。何より犯人につながる情報が一切出てこないのである。被害者に共通することも見つからず、動機も一切不明。目撃証言もなければ物的証拠も残っていない。何より凶器が何なのかもわからない。解剖の結果、自然死としか思えないとのことなのだ。FBIから借りてきた超能力捜査官もお手上げ。完全に迷宮入りである。
アデーとコーネルは朝から晩までデトロイト市立図書館やデトロイト大学図書館で世界中の儀式、呪術について調べているが、収穫はゼロ。もう白旗をあげるしかないと冗談めいて駄弁りながら、二人は夕食をとるためにいつものバーガーキングまで足を運んだ。
「なぁブラザー、なんでお前はそういっつもバーガーキングでサラダ食ってんだ?バーガーキングなんだからバーガー食えよほらうまいぞぉ?」
「僕は菜食主義者なんだ、肉は食べない。大豆ミートのバーガーがあればいいんだけども…」
「いいかブラザー、なんでお前が野菜しか食わねーのか知らねーけどな、人間は肉も野菜もなんでも食って今まで生きてきたんだ、お前も赤ん坊のころママのおっぱい飲んで育っただろ?今になって野菜しか食わねぇってのは変だと思うぞ?」
「僕は植物由来の粉ミルクを飲んで育った。母の母乳は全部父が飲んでいたらしい。」
「なんだよお前の家族みんな気色悪いな。アメリカの白人の実家ってみんなそうなのか?」
「うちはごくごく普通の家庭だと思うけどな…。失礼、ちょっとお手洗いに行ってくる。」
「トイレで隠れて肉食うんじゃねぇぞ?」
コーネルが席を立った後、隣の席の黒人たちがアデーに声をかけてきた。
「なあ、
「忘れるわけないだろマイケル!久しぶりだなぁ!元気にしてたか?工場長は今もあの人が?そうかそうか、懐かしいなぁ。」
「この店はお前がデカになるきっかけになった思い出の店だからな、今でもたまに若いの連れて来てるんだよ。それにしても、バディが変な奴で大変だな?」
「ああ、そうだな。あいつはパパが軍のお偉いさんでビーガンのフェミニストで週末には環境活動家もやってるんだ。しかもイェール大学卒ときた。俺なんかガーナから身一つで家族のために出稼ぎに来て学もなけりゃ信条も持ってねぇ、あいつとは大違いだよ。」
「でもお前は黒人としてのプライドがあるはずだ、俺らはアメリカ生まれアメリカ育ちだが、アフリカの奴らとも黒人のプライドでつながってると思ってる。応援してるぜ兄弟。お前は最高にクールな黒人だ、俺たちの誇りだよ。じゃあな、俺らはもう出るから、また会おうぜ!」
「おう!また会おうぜ、ただし檻の中じゃなくて、ここで会おうな。」
隣の席の黒人たちが席を立って数分、十数分と待ってもコーネルはトイレから戻って来なかった。アデーはさすがに心配になり、トイレまで様子を見に行った。
「なぁ、ブラザー、だから言ったろ?野菜ばっか食ってるからそうやって腹を壊すんだ、今度からちゃんと肉も食うように、良いな?」
アデーのアフリカンジョークは空しくトイレの中を反響する。コーネルはそこにはいなかった。その瞬間、アデーの
「役満じゃねぇか!」
バーガーキングのトイレに響き渡るアデーの叫び声。コーネルは儀式の最後の一人として例の連続殺人犯に連れ去られたのだ、そうに違いない。そう確信したアデーは一目散に店を飛び出し、次の犯行現場と思しき場所に向かっていった。ちょうど五芒星の中心にあたる部分にもう長い間使われていない廃工場がある。昨日まで厳重に警戒態勢を敷いていたが、丁度今朝に一旦警戒態勢を解除したところである。一瞬の隙を見せたところに犯人に付け込まれてしまった。しかもよりによってバディが連れ去られてしまったのである。アデーは今すぐにでもバッジを返納したい気分であった。いくら実績があろうともあってはならない事態である。
間に合ってくれとの一心で現場に到着したアデーは絶望した。そこには首のないコーネルの遺体が椅子に括りつけられていた。現場にはいつもの悪臭と謎の紋様。そしてコーネルは赤いリボンで飾り付けがされており、『親愛なるガーナ人へ』と書かれたメッセージカードが添えられていた。
深夜のデトロイト警察署、静まり返った中で一人のガーナ人がすすり泣いでいた。彼の傍らには首のない白人青年の遺体。
「なぁ、ブラザー。俺のせいだ。お前は本当にいい奴だったよ、ああこんなことなら最後にお前のベジタリアンをバカになんてしなかったのに。俺は最低なガーナ人だよ。」
自責の念に駆られるアデーの傍らにはいつの間にか署長が寄り添っていた。
「なぁ、アデー、僕と最初に出会った時のことを覚えているか?」
「ええ、覚えていますよ。あれは確か俺がガーナからアメリカへ渡ってきて一年かそれくらい経ってからだ。あの時の俺は工場に住み込みで働く傍ら、警察の手が回らない些細な事件を解決しては得意げになってた青いガキだった。仲間からは名探偵だなんて囃し立てられて。そいで事件を解決するたびにちょっとずつ工場長から小遣いをもらってたんだ。ああ、工場長も署長のようにいい人だった、俺にとって第二の父親だった。それで、貯まった小遣いで仲間にハンバーガーおごってやるって言って入った店で署長にスカウトされたんだ。それからしばらくはもう何をやっても失敗ばっかりで、自分はまだまだガキなんだって思い知らされた。それでも署長、あんたは俺のことを見放さずにずっと見守ってくれた。お前たちは私の息子のようなものだ、失敗したからって見捨てたりはしない、一生懸命やっていればいずれ報われる時が来るんだって言ってくれたのを今でも覚えてます。あれはひったくりの犯人をとり逃して今日みたいに一人で自分のオフィスで泣いてた時だ。あの頃の俺が今日のことを知ったら何て言うか…きっと足腰立たなくなるくらい悪口を言われちまうんだろうなぁ…。今の俺は警察失格です。あそこが次の犯行現場になるってわかってたのに警備を解除しちまって、その隙をあいつらは見逃さなかった。しかも相棒まで死なせちまった。署長、いままでお世話になりました。このバッジは返します。故郷に帰って実家のカカオ農家を継ぎます。クリスマスカードは毎年贈るし、休みが取れたら家族を連れてアメリカまで旅行に行きます。だから俺みたいなバカな息子がいたことを忘れないでください。」
「まて、今の君の姿を昔の君が見たらどう思う?」
「ええ、ですから、油断して犯人に出し抜かれるなんて…」
「違う、そうじゃない、鏡を見てみろ。なんだその情けない顔した猫背野郎は。初めて会った時の君はもっと自信に満ち溢れていた。それから警察になりたての頃はもっと情熱的だった。何度犯人をとり逃しても、どれほど犯罪者たちから侮辱されても、デトロイトの平和のために、デトロイトの子供たちの笑顔のために、そしてガーナの誇りのために、君は絶対に犯人逮捕を諦めなかった。右肩と、わき腹と、背中とあと太ももの傷跡、全部デトロイトのために君が命を懸けた証拠じゃないか。昔の君が今のその情けない姿を見たらきっとこう言うだろうな。『なんだその情けない顔は?この玉無し野郎!金の玉の代わりに鉛の玉くらわしてやるぞ!』ってな!」
「署長…いや、まったくその通りだ。目が覚めましたよ。ブラザーのためにも俺が犯人を全員逮捕してまとめて処刑台の上に送ってやる!」
その時、不思議なことが起こった!首無しコーネルが生き返ったのである!
「あああああああ!ブラザーが生き返った!?署長、俺ついに頭おかしくなっちまった!」
「落ち着けアデーお前は元からちょっとおかしい。それに私の眼にもコーネルが生き返ったように見える。幻覚じゃないさ。」
「ああ、落ち着いてアデー。説明するから、落ち着いてくれよ。僕はもう死んだと思ってた。三途の川を途中まで渡ってたんだ。そしたら黒人のおばあさんが後ろから急に声をかけてきたんだ。きっと渡るのを手伝ってほしいんだろうなって思ったんだけれど、違ったんだ。『お前が今死んだらうちの孫が困るから生き返りなさい。今は仮の蘇生になるけど首を取り返せたらちゃんと蘇生させられるから。一段落すんだら首を持って孫と一緒にガーナに来なさい』って言ってきて、気が付いたらここに。」
「それうちのばあちゃんだよ!ガーナで一番の魔女のうちのばあちゃんだ!ああ、ばあちゃんありがとう!仕送りのマウンテンデュー増やさないとなぁ!うちのばあちゃんはアメリカのジャンクフードが大好きなんだよ!」
「なぁ、コーネル、生き返って来て早々申し訳ないが、犯人の顔を見てないか?特徴とか、人種だけでもいい。」
「ええ、わかります。それに、僕の首の場所も。感じるんです、どこにあるか。そこがきっと犯人たちのアジトですよ。」
コナー署長は万が一に備えて特殊部隊を引き連れて現場に向かうこととなった。アデーとコーネルは二人だけで先に現場へ向かった。デトロイト最強の二人のリベンジの開始である。
何という運命のいたずらであろうか、コーネルの首はかつてアデーが働いていた工場にあるというのである。
「なぁ、ブラザー、冗談のつもりなら今謝ったら許してやる。」
「僕は本気だ。いきなりどうしたんだアデー、君の冗談はいつも難しいが今回ばかりは何を冗談と言っているのかさっぱりわからないぞ。」
「もしかしてブラザーここのが何なのか知らないのか?」
「犯人グループのアジトだろ?案外近くにあったんだな。ここからだとちょうどうちの署が見えるからアデーや僕の行動が読みやすい、良いところに陣取ったんだな。」
「なあブラザー、この工場は俺がガキの頃に働いてた工場なんだよ、本当にここなのか?」
「ああ、そうだったのか。でも、ここに僕の首があるってだけでまだこの工場の人たちが犯行に関わってるどうかは分からないだろ?どこか使われてない部屋に隠されてるとか、そういう可能性だってまだある。」
「ああ、確かにそうだな、そうであることを祈るよ。」
アデーの脳裏にはコーネルが誘拐される直前の会話が浮かんでいた。かつての同僚たちが店を去ってからコーネルが誘拐されたのはただの偶然だと信じたかった。しかし現実は非情である。意を決して工場内に入るとそこには継ぎ接ぎの死体を取り囲んでいるかつての同僚たちがいた。
「よぉアデー、また会ったな。遅かったじゃねぇか。」
「なぁ、マイケル、お前でさえなければって俺は神様に祈りながらこの扉を開けたんだ。なのになんで寄りにもよってお前なんだよ。」
「その神様ってのは白人が信じてるエホバ様ってやつか?」
「だったらなんだってんだ?」
アデーの返答にマイケルは突然激昂した。
「お前はいつもそうだ!すぐに
「バカ野郎!そんなわけねぇだろ!白人にだってな、俺ら黒人と同じくらい正義に燃えるやつがいるんだよ!うちのブラザーが何で警官になったか知ってるか?両親がヤク中で死んだ黒人の子供ともうこんな悲しいことは起こさないって約束したからだ!なんで名門大学を卒業したか知ってるか?将来大統領になってアメリカをもっといい国にするためだ!なんでフェミニストか知ってるか?学校でいじめられた妹ともうこんな悲しいことは起こさせないって約束したからだ!なんでビーガンがしってるか?俺もこれは知らねぇ!わかるか?うちのブラザーはな、少しでもこのデトロイトの街が素敵な街になるように努力してるんだ!この街が素敵になるんだったらきっと女だって殴るし肉だって食う、アメ車にだって乗るだろう!ブラザーはそういうやつだ、そしてな、正義っていうのは本来そうあるべきなんだよ!世界をちょっとでも素敵になるなら自分の信念を曲げなきゃいけない時だってあるんだ!お前たちはなんだ!自分たちのことばっかり考えやがって!お前らにうちのブラザーを侮辱する権利は無ぇ!全員まとめて牢屋にぶち込んでやる!」
「なぁ、アデー、人を侮辱する権利は誰も持ってないぞ、表現の自由は他人を傷つける場合にはその限りではないからな。」
「うるせぇ!今は黙ってろブラザー!なんで口がないのにしゃべれんだよ!どこから音出してんだコノヤロー!」
アデーが銃を構え、マイケルたちににじり寄ろうとしたその時、奥の部屋から一人の男が徐に出てきた。工場長である。
「アデー、久しぶりじゃないか。相変わらず元気そうで何よりだ。」
「工場長、あんたもグルだったのか?」
アデーは動揺を隠せずにいた。従業員のを分け隔てなく愛し、アデーに博愛の心を教え込んだ工場長がこんな差別主義者であったのだ。今思えば従業員はみな黒人であった。
「いいかアデー、白人というのはな、俺たち黒人を虐げ続けてきた。もはや差別は白人の遺伝子に刻み込まれているんだ。口では何と言おうが隣の首なしの兄ちゃんも心の底ではお前のことを見下しておる。お前が黒人だからだ。だから我々黒人が、平等な社会のために
「アデー、確かに僕は君のことを見下しているかもしれないがそれは君が低学歴だからであって黒人だからではないよ。イェールにも優秀な黒人はたくさんいたからね。」
アデーの心は怒りに沸きあがっていた。この身勝手なクソ
工場長がアデーに最後の一撃をお見舞いしようとした、まさにその時である
「開けろ!デトロイト市警だ!」
聞きなれた叫び声と共に工場の思い鋼鉄の扉が消し飛んだ!コナー署長が特殊部隊を引き連れて現場に到着したのである!
「開けろ!デトロイト市警だ!」
二度目の叫び声と共に工場の奥までの道が一気に開ける!
「開けろ!デトロイト市警だ!」
三度目の叫び声を直に聞いた工場長は失神!これぞデトロイト警察署長の見事な大捕り物である!
工場長逮捕後の捜査により、例の工場は貧しい黒人の子供たちを集め、反白人主義的教育を施し、いくつもの反社会的活動を行っていたテロリストの巣窟であったことがわかった。
アデーは死んでいたが、ガーナより緊急に呼びつけたアデーの祖母の力により見事蘇生した。コーネルの首も無事につながった。
「なぁばあちゃん、バーガーキングおごるよ。ジャンクフード好きだろ?好きなだけ食っていいからさ。俺ももう結構稼いでるんだ遠慮しなくていいぜ」
「ああこんなに立派になってアデー。あんたの母さんと父さんもきっと喜ぶよ。またいつでもガーナに帰っておいで、あんたの大好きなワニの丸焼きを用意してあげるからね。」
「ありがとうおばあちゃん。なぁ、ブラザーも好きなの頼めよ、今日は俺のおごりだ。」
「いいのか?ありがとう。じゃあ、せっかくだからワッパーを頼むよ。」
「おいブラザー、ワッパーには肉入ってるけどいいのか?」
「ああ、ぼくもたまには新しいことに挑戦しないとな。」
この後、人生はじめての肉食に腹を壊したコーネルがバーガーキングのトイレに立て籠もったかと思いきや再び失踪するのはまた別のお話。
完全にその場の思い付きで見切り発車な短編を書いていくやつ 脳みそトコロテン装置 @wedder-burn
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