第4話:ドイツではまずハウスドクターへ診てもらう

ドイツへ来て保険の申請やビザの申請をし終わり、凡そ2か月掛かった。

それまで僕はグダグダだった、毎日外に出たくない、眠い、食欲がない

人と会いたくない、泣いてたり、と言った、うつ病の症状で苦しんでいた。 

あの時死んでいれば…とずっと思っていた。

きっと、嫁も見ていて辛かっただろう、今までと違う人を見ているのだから。

日に日に悪化していき、薬も無い。よく持ったなと思っている。


そして遂にドイツの病院へ行く事となった。

嫁さんが車で15分程離れた町へ連れて行ってくれた。

僕は病院と聞くと大きいイメージをしていたが、思っていた病院とは違い、

小さな診療所だった。

日本の家2軒分位の大きさで、3階建てだった。

上手く言えないが、日本には無い建物で、これが診療所?と不安を覚えた 

僕が今まで病院は大きい、心療内科はオフィスみたいな所と言う固定概念が有ったが

やはり国が違えば病院と言う概念も変わるのだなと。

僕は疑問に思い聞いた

僕:「ここは…?」

嫁さんは優しい表情で答えてくれた。

嫁:「ここはクリニックよ、ハウスドクターに診てもらうのよ」

初めて聞く単語だった。

僕:「ハウスドクター?」

嫁:「ドイツでは大きな病院へ直接行く事は基本出来ないの」

どういう事だ…?

僕:「何故?」

嫁:「まずはハウスドクターに診てもらい、対処できない場合は大きい所へ行くの」

ハウスドクターの判断次第ね、線引きが医者依存だが、取り合えず話を進めた。

僕:「そうなんだね」

嫁;「大丈夫よ、ここの先生は優秀なの」

僕たちはドアを開け、1階にある受付へ向かった

受付は小さなカウンターで受付嬢が座っている

嫁さんは予約した事と保健証の提出をし、僕たちは待合室へ向かった。

待合室には数人の人が居た、取り合えず、挨拶をして置いてある椅子に座った。

この時、僕は不安だった。

どんな先生なのか、テストされるのか、どんな薬を貰うのだろうかや

自分では導けない答えを延々と考えていた。

嫁さんは何かを察したのか、手を握り、

「大丈夫」

と言った。


そして順番が来た。

僕たちは、受付嬢へ連れられ、部屋へ通された。

僕は部屋を見まわした。

その部屋は机と椅子が2つ、本棚とベッドが置いてあった。

やはり総合的な診療所だな。と思っていた。

取り合えず椅子へ座り、先生が来るのを待った。


数分後、眼鏡をかけた中年位の白衣を着た男性が入ってきた。

取り合えず、ドイツ語で簡単な挨拶をして、握手をした。

名前は忘れてしまったが、彼はイギリスで医者をしていたそうだ。

正確には、何系かまでは覚えていない。

勿論の事、僕はドイツ語は使えないので、先生は英語での診察を提案した。

英語に関しては苦労しないレベルだったので「問題ない」と答えた。

まず先生に聞かれたのはどんな症状か。

僕は抱えている事を伝えた。

意欲が沸かない、眠い、人と会いたくない、何もしたくない、死にたい。

毎日が辛い、生きている理由がない。

そんな感じな事を伝えた。

先生は、取り合えず、「薬と毎日1時間以上太陽に浴びろ」と言った。

何も感じなかったので、「分かった」と答えた

その後、先生は嫁さんと会話をした。

ドイツ語だったのでよく分からなかったが、興味が無かった。

大体は症状についてと家ではどんな感じかだろうな と推測していたからだ。

会話が終わると僕たちは紙を貰った。

その紙は薬局へ行くと薬が貰える引換券みたいな物だ。

先生に別れの挨拶をし、診療所を出た。


車に乗り込み、嫁さんの実家へ向かう最中に薬局へ行った。

嫁さんの実家の近くにある薬局へ入ると木製の戸棚に湿布や

のど飴、等と言った、普段使われる様な医薬品が置いてあった。

カウンターの裏には大きな引き戸と棚が置いてあった。

僕は中国の薬局を思い出した。

何故なら全てが木製の引き戸に薬が入っていたからだ。

僕は中学から高校まで分け合って中国に住んでいて、

中国の薬局と無意識に比べてしまう。

嫁さんは、カウンターの薬剤師とドイツ語で何か言い、医者から貰った紙を渡した。

薬剤師は薬を探しに席を外し、該当の薬を持ってきた。

今となっては薬の名前は思い出せないが、鬱病用の薬と睡眠薬。

毎朝何錠、寝る前に睡眠薬を何錠か飲む事になった。

僕は良い結果を期待していた、これで良くなっていくんだと。

しかし、実際は悲惨な結果になった、あの時の僕は、全く予想してなかった。


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ドイツのハウスドクターと言うのは、

かかりつけの医者ってイメージがしっくりくるかもしれません。

ただ、このシステムの盲点は最初から大きい病院に行けない、

例えば専門の病院へは直接行けないと言う事は

前提条件として軽度の症状でかかりつけの医者と対処するのが絶対で、

重度だった場合は、患者は不幸になりかねない。 

ドイツは医療費無料なので、重度になるのはレアケースでしょうね。

まぁ・・・僕は後者を引いてしまい、大変な目に遭いました。

あと薬を具体的にどれだけ飲んでたかが全く思い出せないんですよね…

鬱病になってなぜか数字関係は思い出せないという、変ですよね。


余計なお世話ですが、

鬱病になる前に、休みましょう。有給は労働者の権利ゾ

しっかり睡眠を取って、心が死ぬ前に誰か信頼できる人に相談したり、

泣いたりして少しでもストレスダウンしましょ。

鬱病を回避出来るなら、回避してもらいたいです。

いずれにしても、元気が一番です。

それでは良い一日を。


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