第5話:ドイツのハウスドクターは必ず外へ出ろと言う

僕は医者に言われた通り、夜は早めに寝て、薬を飲んで外へ出る様にした。

だが…長くは続かなかった。

睡眠は、薬が効かなったのだ。

眠くなる事が無かった、毎日3時4時で起きるのは昼前だった。

外に出る事を体が拒否していた。

たった1時間の散歩、好きな音楽を聴きながらなら余裕だ。

だが、それが出来ない、音楽を聴いても全く心が乗らない。

まるでただ音が鳴ってるだけ、そんな感覚だった。

最初の数日は耐えられた。

だが、日に日に外に出る事を考えると憂鬱になった。

体が動かない。

心は拒否してる。

まるで錘だった、あー、これが動かないって奴か。

そんな中、日に浴びる、それを達成する事だけにした。

ベランダで日に浴びれば良いでしょ?

ベランダに椅子を置き、ぼーっと座っていた。

これもこれで失敗だった、嫁さんから怒られるという。


それを見た嫁さんは僕に近づき

まるで子供へ言い聞かせる様な雰囲気で嫁は言った

「医者から言われてるでしょ、外に出なさい」

僕は弱弱しく応えた

「無理…」

嫁さんは負けずと

「出ろ」

僕は何故か限界だった。

外に出る事だけでこんなにストレスを感じていて、おかしくなったのかと思った。

何で無理と言ってるのに、やらせるの?

別に甘えとかじゃないのに…

何故か涙が出ていた。

理解されない事なのか押し付けられているからなのかは分からない。

「何で外に出れないのに強制するの?」

「僕だって出れるなら出てるよ、でも体も心も動かないんだ」

「他人の辛さなんて他人には分からないよ…」

嫁さんは諦めた。失望した顔だったと思った。

そんな嫁さんの顔は見たくない、そんな顔にしたくない。

けれど、僕には変えられない。

今の僕には無理だ、自分の事もまともに出来ていない。

罪悪感や、無力感、後悔。

色んな気持ちだった。

結局僕は外に出れず、医者へ診察を受ける事になった。


医者はどうだったかを聞いてきた。

僕はストレートに「まるで罰を受けてる様な気分だった」と言った。

医者は苦笑だった。

そりゃそうだね、治す為に外へ出ると言うのに、それが出来ていないのだから。

医者は何故かと聞き、僕は心と体が動かないと言った。

医者は薬が効いてないと思ったのだろう。

やはり飲む量が増えた。

そして、「外へ散歩へ行け」とまた言われた。

ドイツ人のハウスドクターは外に出れば全て良くなるとでも思っているのだろうか…

と真面目に考えてしまった僕だった。

その日は結局薬の量が増えただけだった


翌日から飲む量は増えた。

効果は無かった、数週間かかるのかもしれないと思い、飲んだ。

でも何週間たっても、何も変わらなかった。

外は嫌、何もしたくない、一人になりたい。

大きな変化は、疲れた、死にたい。

そんな気持ちが日に日に大きくなっていた。


そしてある日遂に嫁さんと喧嘩をした。

自殺をしようとしたからだ。


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当時の僕は、ハウスドクターに外へ出ろと言われて、

こいつ何言ってんだ?何故外に出る事が大事なんだ?

状態でした。

タイトル通りなんですが、ドイツのハウスドクターは必ず、どんな症状でも

外へ出ろ、森林浴しろ と言います。

何でなんでしょうね…病は気から的な何かでしょうか…


嫁さんにこの事について議論したのですが、

嫁「みんな言われるわよ?」

僕「非理論的だな…」

嫁「何でだろうね?」

僕「自然が人を治癒するのか?」

嫁「エルフやん」

僕「嫁さんってどちらかと言えばドワーフじゃ…」

僕は殴られた、やっぱり短気ドワーフやん。


関係無いですが、嫁さんはファンタジー大好きです。

好きな種族とジョブは狼系でソーサラー系だそうです。

渋い…流石イケメン嫁さん。実際はカワイイ何かですけどね。

中の人はエルフです。森に引きこもって魔法使って過ごすとか最高じゃないか。

嫁さんは共感せず、むしろエルフみたいな美人が良いんだろ?と疑念の目で…ry

尚、ドイツ人男性はドワーフが好きとか。


好きな事考えてる時ってやっぱり楽しいですよね。

ファンタジーとかって非日常が味わえるので切り替えれますね。

現実逃避大事ですヨ。やりすぎはダメですが。

それでは良い一日を


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