テンポがいい、言葉いっこいっこが心地よく楽しい、どんどん次が読みたくなってしまう作品!空想世界なのに描写が丁寧だからリアルに感じる。お菓子や風景や人が目に浮かぶ。
ファンタジーな設定なのになぜかリアルで、懐かしさすら感じる不思議な物語です。描写を欲張らずスルッと読めてしまうのも魅力です。ちなみに、一番食べたいのは『春風スフレ』。
ああこんなものがあったら面白いだろうなと幼い頃夢見たような、不思議に満ちたお菓子たちが、掌編でテンポよく描かれていく。時にウィットに富んで、時に温かさや懐かしさを含んで。いつまでも、何本でも読める気がする。とても素敵な掌編作品集です。