俺が読みたいものかもしれない

黒猫

第1話 タイミング

ふと、明日提出の課題を教室に忘れていることに気が付いた俺こと佐々木淳ささきじゅんは慌てて教室へと向かった。

時刻は夕暮れ時、夕日が教室に差し込む中教室に入るタイミングを間違えてしまった。

枢木京香くるるぎきょうかさん俺と付き合ってください」

クラスの中では目測身長157㎝の小柄できれいな黒髪ロングそして可愛い系とよばれる顔、さらに成績優秀かつ性格の良さから学園のアイドルと呼ばれている者に告白をしているタイミングだった。

「あっ…」

一瞬時間が止まったのではないかと思うほどの静寂が訪れた。

俺は教室の扉を思いきり閉め全力で逃げ出した。


「やった、やらかした…明日男に殺されるかも」

この時は課題のことなどすっかり頭から抜け落ちていた。

家に帰って風呂に入ったあと、考えることをやめるため俺はゲームへと意識を落とした。



枢木京香くるるぎきょうかさん俺と付き合ってください」

何度目の告白だろうか…

いつも私に告白してくる人たちは私の中身ではなく外を見て告白してくる。

断る理由を考えているときに突然扉が開いた。

そっちを見ると男子が慌てた様子で立っていた。

また一人増えたのかと憂鬱になっていたとき、

「あっ…」と言って逃げ出していった。

この反応を見て、タイミング悪くここにきてしまったのだということに気が付いた。

「なんだ彼奴…人が告白してんのに」

そう愚痴る男子ですが、私の返事は何が起きようと変わりません。

「ごめんなさい。私まだ恋とかよくわかってなくて、空気も変になってしまったし」

そういって私は逃げるように教室からでた。

変に長く居ても襲われかねないので降ったら即逃げている。


「それにしても、あの男子の顔…w」

数秒間の静寂の中、タイミングの悪い男子の顔がやらかしたと物語る顔になっていた。

「ふふっ。明日探してみようかな」

女子が男子のことを気になるきっかけは些細なことが多い。

枢木京香の場合はこのタイミングの悪さだった。

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俺が読みたいものかもしれない 黒猫 @Yazakai

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