【非小説】映画ミストを見て

ノータリン

ミスト

映画をミストを観て

この作品2007年の映画なんですね。今でも深夜帯に放送してる日が時々ありますけれども初めから最後までちゃんと観たのは初めてかもしれないです。


監督はフランク・ダラボン。スティーブンキング作品の「ショーシャンクの空に」や「グリーンマイル」を映画化しておりミストは三作目になります。


この映画は原作とラストに大きな違いがあり、公開当時大きな波紋を呼んだことや現在でも時々放送される所以はあのラストにあるという人も多くおります。ちなみに、原作者もあのラストは気に入ってるとか


私はこの文章を読んでネットフリックスやアマゾンプライムなどの今どきのコンテンツを使用し観ていただきたく思っているが、ネタバレせずに批評することレベルなど私には全くないためネタバレを含みます。


主人公のデビィッド・ドレイトンは妻のステファニーと8歳の息子ビリーと共にアメリカ郊外に住んでいます。デビィッドは有名な画家であり夜な夜な作品作りに明け暮れていました。

そんなある夜、デビィッドの住む地域に大嵐が発生、落雷に豪雨が降り注ぎます。

翌日、嵐はやみましたがアトリエは倒木で窓ガラスが破れ、締め切りの引き延ばしのために電話しようとするも電話線も切れていて八方塞がり

修理用の工具を買いに息子のビリーと隣の家の弁護士ノートンと共に買い出しへ

車を走らせるとそこかしこに軍隊が立っており、じきに電気も復旧するだろうなんて会話をしながらスーパーに着くとデビィッドと目的を同じくした大勢の買い物客がいる中、突如老人男性のダンが「霧の中に何かいるぞ」と叫びながら店に駆け込みます。そして瞬く間に店は霧に覆われてしまう、その中になにがいるのか誰も知らないまま


ここからネタバレ注意


この作品を観て、感想を抱く点と言えばラストシーンと宗教ババアの二つがもっとも大きなところでしょう


店の中に閉じ込められた主人公達が謎の生物に襲われる中、人たちはどのような選択をしていくのか、ある種シュミレーションゲーム的な見方も出来る本作では「宗教ババア」が登場します。謎の生物は酸素の濃い時代の古代のようにすべての生物が一回り以上大きく、誰しもが一度は考えたことはあるのはないしょうか、蚊やバッタやカマキリなどが自らを同じサイズだった時それはどれほどの恐怖になるのかと


今作ではCGで大きくなった昆虫などが飛び回り人々に牙を向きます。そんな中「謎の生物は神の怒りである」「私は神の声を聴くことが出来る」と断言するものが現れます。流石はキリスト教の国アメリカといったところか

口喧嘩するシーンでも「去年あなたを訴えたことを根に持っているんだろ!しかも勝訴したしな!」の様な発言は日本のドラマでもなかなか見られないものである

さて、物語の序盤では誰も話を聞かなかったババアであるが、中盤主人公たち全員が謎の生物に襲われるようになってから信徒が増加し終盤では主人公たち以外の全員が信徒となりスーパーを実質的に占拠している。事実、生贄と称して作中で軍人の青年を一人店から追い出しエサにするような狂信振りが伺える。


それでもデビィッド一行は屈することなく店からの脱出を試みるが、情報が筒抜けで最後は店中敵だらけの一側触発の雰囲気に

それを終わらせたのが一発の銃弾

流石は銃社会というべきか、信仰的に社会を一撃で終わらせる力としての銃

如何に偉くなり人々の人心を掌握しても銃の一撃で終わってしまうのは感動すら覚えるシーンであった。


そうして店を脱出したデビィッドたち、霧の中で仲間が一人、また一人と消えていくがなんとか脱出用の車を走らせる。周りは全てが崩壊しており謎の化け物がどこにでもいるのが手に取るように分かってしまう。

そんな中、車がガス欠を起こす。

全員が絶望し、デビィッドに頼む「化け物に襲われる出なくその拳銃で殺してくれ」と

主人公は悲痛な表情を浮かべながら二人の老人、助手席の女性、そして自分の息子も撃った。深い絶望と怒りに身を任せて車を叩き続けるそして車の外に出た瞬間

「キュルキュルキュル」というキャタピラーの回転音「ザッ、ザッ、ザッ」という歩く音と共に軍隊がやってきたのだ

軍隊が近づくとそこを覆っていた霧が瞬く間に晴れ、化け物達は軍隊の戦車や火炎放射器によって薙ぎ払われてゆく

観ている者に安堵を感じさせる演出

そんな中だからこそ、主人公の絶望は際立つ

泣きながら何かを言おうとするも言葉にならないデビィッドの嗚咽

ものともせず霧を払いながら進んでいく軍隊

そんな中、二人の軍人が彼に近づいた所でこの作品は終わりを迎える。


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